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海野弥兵衛信孝日記(16) - 駿河古文書会

(旧田中城の堀で見たホテイアオイの群落/9月28日)

先週の金曜日、駿河古文書会では、「海野弥兵衛信孝日記」の続きを解読した。弥兵衛さんはまだ府中の難波屋に滞在している。

(二月)十四日(つづき)
一 米壱俵 但し四斗入り、呉服町米安にてとる
  代金弐分也 ― 二月十六日、相払い済候事
   但し、両八斗かえ
※ 両八斗かえ - 米の相場で1両で八斗の米が買える。
一 かます弐つ、土惣よりとる
   代
※ 土惣 - 土佐屋惣兵衛の略
一 夜に入り、羽鳥藤兵衛様、難波屋へ来たる、面会、品々相咄し候事
 但し、文四郎より預り置き候書面、相渡し候、もっとも品々申し談じ候事
一 百廿九文 枕壱つ調え候
一 廿四文  あんま

十五日
一 羽鳥藤兵衛様、難波屋江来り、品々相咄し候事
 但し、御同人様方、洞慶院一条の儀なり
一 御同人様、難波屋へ泊まる
一 十八文 半紙

十六日
一 羽鳥藤兵衛様、御帰り成られ候事
 但し、洞慶院一条、書面、御談しいたし候事
一 廿四文 莨
一 金弐分、米安へ相払い候
 但し、過日の米壱俵代なり
一 廿四文 酒

十七日

十八日休日
一 今十八日、雨天に付、踟(ねり)もの御堀端、踟(ねり)候儀、休日に相成り候由
※ 踟(ねり)- 祭礼の行列などが練り歩くこと。
踟(ねり)の文字が解読できなかった。字を知らないと解読は不可能である。

十九日
一 廿四文 小児小遣い
一 今十九日、踟(ねり)もの御堀端通る

廿日
一 今廿日、浅間祭礼これ有り候事
一 十八文 半紙
一 十二文 半切紙
一 口坂本村与四兵衛より、伝言申し来たる、使い庄太夫
 但し、自分よりも伝言を以って申し遣わし候事
一 難波屋方ヘ、所々より大勢、客来たりこれ有り候事
一 七十二文程、小児小遣ひ遣わし候

廿一日
一 廿四文 莨
一 自分、文四郎方へ罷り越す
 但し、書面持参、品々申し談じ置き候事

廿二日
一 文四郎来たる、もっとも書面持参、品々相咄し候事
一 丗弐文、使賃払う

廿三日
一 井川への荷持の儀、草深利右衛門方へ申し遣わし候事

廿四日
一 井川養父方への書状、兼て認め置き候処、草深利右衛門、明日出立、同所へ罷り越し候由に付、賃廿四文相添え、持たせ遣わし候 使いなつ

廿五日
一 羽鳥好斎様、難波屋へ御入来成られ候由、自分儀、留守にて御目にかかり申さず候事
 但し、自分儀へ年玉として半切り壱包、菓子少々下され候由にて、難波屋より受け取り候事
※ 半切り-「半切り紙」のこと。手紙用の、縦が短く横の長い和紙。もと、杉原紙を横に半分に切ったもの。はんきれ。

廿六日
一 十八文 半紙
一 羽鳥好斎様、難波屋へ御入来成られ候、もっとも自分、御目にかかり一礼申し述べ、品々相咄し候、もっとも安部家へ差し出し候、書面一覧に入れ、談じ候事
一 廿四文 莨

廿七日
一 羽鳥好斎様、御帰宅成られ候由にて、難波屋へ御立ち寄り、御目にかかり、品々相咄し候、それより御帰り成られ候事
一 十一文 小遣い


回を重ねる度に、弥兵衛さんの言い回しや書体に慣れて、解読がしやすくなってくる。(明日へつづく)
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