引頭佐知(いんどうさち)の料理ブログ

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いんどうさち(引頭佐知)日本料理教室(2009年9月)もってのほかの胡麻酢あえ、満月玉子、さんまの和

2009年09月22日 | いんどうさち日本料理本科

.和風まりね、につかう根室のさんまです。

細長い魚なので、ちょっとさばきにくいけれどがんばりましょう。

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はい、3枚おろし。きれいです。

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マリネなので、塩で〆て、酢でしめます。

まずは、両面に塩をあてます

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塩のはたらきはたくさんあります。

このあとの酢をまわすためにも必要なんですよ。

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塩で〆て、さらに酢で〆ることで生臭さはすっかり消えます。

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食べやすく、そぎ切り。中の身が白っぽくないでしょう?

お刺身感覚のこのマリネには、ちょうど良い〆加減です。

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和風まりねに加える野菜。紫たまねぎ、しょうが、ししとう。

あ、レモン1コ、赤とうがらしもありますよ。

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バットにさんまを入れ、その上から野菜をのせ、

マリネ液を加えます。レモンはイチョウ切りにして、

たっぷりのせてます。このまま冷蔵庫で冷やしましょう。

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茨城の栗、さっき届いたばかり。で、少しゆでて鬼皮をやわら

かくしましょう。鬼皮をやわらかくする方法は、いろいろ。

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下味と香りをつけるための長ねぎです。

瑞々しいので透明感があります。

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この料理は、元は中華料理です。

鶏と栗はさっと揚げますよ(炒めてもOK!)。

スープを<出汁>に替えてつくります。

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鶏に火が通りました。ここで栗をいれ、煮含めます。

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9月は観月の月。

半熟玉子をつくります。

*産みたての新鮮な卵は、殻がむきにくいこと、おぼえておきましょう。

お月さまに見立てるので、

黄身が真ん中にくるように、ゆでます。

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ほぼ、真ん中ですね、パチパチパチ。

ここにちょっと味をつけて・・・・・・・・・・。

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今日のごはんは、松茸ごはん。

岩手産です。国産です。

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包丁を使わないで裂いてください。

お米は、昆布とかつおの出汁につけておき、

調味料を加えて調味し油抜きした油揚げを加えて炊きます。

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炊けました。

香り高く、全員注目です。

国産ですから、はい・・・・・し、しつこいです。

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下の菊は、 胡麻酢和えにつかう、

「もってのほか」という食用菊です。通称「もって菊」。

いま流通している食用菊は、

黄菊と、この紫色の「もって菊」がほとんど。

映えるのは、黄菊、香りの高いのは、もって菊です。

農薬をかけていない、お庭の菊も使えますよ。

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ゆでて、ほぐします。

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調味した胡麻酢をかけます。

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さんまの和風マリネ、盛り付けました。

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さぁ、全部揃いました。お椀の用意をしましょう。

今日は、他の料理にちょっぴり手がかかりました

だから、かんたんなお椀。

タネは焼き粟麩。つまは、菊菜、つぶし銀杏、吸口は、柚子

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松茸ごはんは、当然のおいしさ。

出汁で炊いた栗と鶏の煮物、

さっぱりしておいしかったと好評でした。

さんまも、生ぐさみは(当然ですが)一切なく、

あっという間になくなりました。

.

食後のショータイム。

PTA席から亀くんが出てきてひと踊りしました。

ヨッ!

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ハッ!

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昆布とかつお節の出汁で中華料理を。

2009年09月22日 | いんどうさち だしとり教室

.

<昆布とかつおのだしで中華料理を>

練馬区武蔵関駅の自然食品店の店主・吉村さん

「お客さまからの声で多いのがね、

『毎日の食事は、和食だけ作るわけじゃないし、

中華の場合、出汁はどうしたらいいの?』

というもの。

インスタントの中華ダシを使わないで、

和の出汁で中華料理できますか?」

というものでした。

.

「つくれます、つくれます」

そうだ、いい機会なので記しておきましょう。

(インスタントのダシ、和、洋、中にかかわらず、

塩分の量多いってこと、頭に入れておきましょうね)。

固形スープと塩分量

企業によって多少異いがありますが、

市販品の1cm角の固形スープの素

1個には、塩が約2、4~3gも含まれています。

調理のときは、ご注意ください。

塩分過多のため、乳幼児や持病のある方には

安易におすすめできません。

もちろん、心配なのは塩分だけではありません。

パッケージの表示、しっかりお読みください。

.

さてさて、

<和の出汁(昆布と削りかつお)で中華料理>

このテーマは、無理がありません。

実は、日本の家庭料理の源流は中国の禅宗の

精進料理なのです。

鎌倉時代、中国より帰朝した禅宗留学僧や

中国からの帰化僧が大陸の食物や食様式を

寺院に持ち込み、やがては、日本の食生活に

大きな影響を及ぼしました。

アレンジ上手な日本人。

日本の風土と材料で工夫し、作り出されたものが

日本の精進料理であり、

懐石料理であり、

家庭のお惣菜の手本となりました。

早い話、ちょっと乱暴ですが、

スープ(湯)を、和の出汁に変えて作ればいいのです。

わざわざ化学の中華ダシを使う必要はないのです。

さっぱりとした中華料理がいただけます。

.

さて今回の肝心の出汁の素材ですが、

かつお節は、花かつお。

花かつおに4種類の真昆布を

組み合わせて出汁をとります。

.

昆布は、4種共、北海道道南産の真昆布です。

いずれも、10g。

同じ重さだなんて思えませんね。

1番小さいのが最高級品です。

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①右上・・・・・・・・・・川汲浜産の<天然>、

②左上・・・・・・・・・・川汲浜<養殖>、

③右下・・・・・・・・・・本場折浜の<天然真昆布>、

④左下・・・・・・・・・・浜不明の<天然・切り葉>

*切り葉=昆布を製品として成型するときに出る、切れ端。

写真の切り葉は、10gで5枚も。

.

いつものように、昆布とかつおを乾物の状態で味見をして

いただき、出汁をとります。

下記は、煮出汁法の出汁のとり方です。

http://indou-kinomian.blog.ocn.ne.jp/blog2/03/index.html

昆布に花かつおを混合して順番に出汁を引き、

約30ccずつを味見していきます。

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沸騰寸前になると、

昆布がゆらりと浮き上がってきます。

昆布を取り出し、

そのまま沸騰させてアクを取り、火を止め、

即、花かつおを投入。

1分30秒前後で、こします。

2分以上は入れっぱなしにしないでください。

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1種の削りかつおを

4種の昆布とそれぞれ混合することにより、

はっきりと個性の違う4種の出汁が味わえます。

こんなに味が変わるのか、と。

味の表情が変わる、とでも言えばよいのか、

あらためて材料の力、出汁の取り方の大切さの

発見です。

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さて、料理です。

今回は、

きゅうりの登板醤和え

青菜の炒め物

中華そば

冬瓜スープ

.

中華そばの具を切りそろえています。

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もやしの根と芽を取っています。

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自然食品店の商品には登板醤がない、とのこと。

出雲の一味とうがらし、しょうゆ、胡麻油を混ぜ合わせ、

登板醤風を考えました。

きゅうりの登板醤風和え。

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小松菜の炒め物

ごま油でにんにくを炒めてから小松菜を炒め、

塩、白胡椒をふり、出汁を加えたもの。

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冬瓜のスープ。

冬瓜は、5cm幅の輪切りにします。

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種をとって、皮をむきます。

多少力が必要ですから、

皮は、女性の場合、切り分けてむく方が

やりやすいでしょう。

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仕上げに生姜の絞り汁を加えます。

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いただきます。

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終了後、

自然食品店のミニ会議のため

ホスタリア・エル・カンピドイオへご案内。

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眞鍋さんが参加。

今年は、3回も会いましたね。

この温かな笑顔がみんなの癒やし。

安定した優しさ、誠実さにほっとします。

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ワイワイ、グビグビ・・・・。

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前菜盛り合わせ。

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小田急線・経堂駅です。

.

年内、もう一度会いたいな、

今度、会えるのは、いつ?・・・・・・・・・・駅端会議です。

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左から

三沢市「ふきのとう」の佐藤國子さん、妙さん

今回の主催者・練馬区武蔵関「自然村」の吉村さん。

栃木県佐野市セーフティ・ショップの眞鍋辰彦さん。

遠方よりありがとうございました。

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母のつかっていたRikenの蒸し器

2009年09月22日 | ときどき日記

.

材料を湯気で温める、

材料を湯気でやわらかくして調理する蒸し器。

他の調理器具ではかなわないおいしさを作りだしてくれます。

「ブログの蒸し器、懐かしい、見たい!」

というご要望をいただきましたので、

アップします。

あれは何年前だったか、

母が台所に立てなくなってから、

弟とかけつけ、片付けをしました。

母は、60代前半から

「死ぬ準備しとかんと迷惑がかかる」と

言いながら身の回りのものを少しずつ整理しており

ましたので、

約2日で片付きました。

台所はわたしの担当。

本、居間のこまごまや、洋服類は弟。

2人共、黙々と手を動かし、

ゴミ袋に詰めこんでいきました。

.

この蒸し器も、

一旦はゴミ袋に入れたのですが、

鍋底の細かいすり傷や痛み具合を見ていると、

茶碗蒸し、小田巻き蒸し、蒸し寿司、

お赤飯、蒸し鶏、ふかし芋、蒸し餃子・・・・・

母の料理が浮かび、捨てられなくなり、

引き取ることにしました。

東京のわたしの住まいには、中華蒸篭、角型蒸し器と

2台あるのですが、

「捨てるか活かすか」、

悩む時間がないため、ゴミ袋から出しました。

.

何年使ってきたのでしょう、

昭和30年代にはもちろん見覚えがあります。

多分50数年?

.

それからどうしたかというと、

実は、蒸し器というと、これ中心に使っているのです。

なぜなら、

軽い、

底の表面が広いので、お湯の沸くのが早い。

故に使いやすく蒸しやすく、役に立つ蒸し器だからです。

また、

そしてそして、

なにより、丸みのあるデザインが、50'sで、

かっこいい、と思っています。

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ふたにはRikenのマーク。

理研のですね。

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底の鍋は、野菜のゆでものに便利。

とくに蕗は、

この鍋の長さに合わせて切ってゆでます。

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この底の傷、を見て、

捨てられなくなったのでした。

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母の調理器具、他にもあります。

いつか、またまとめて。

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いんどうさち(引頭佐知)日本料理きほん学級(第1日曜日ぐみ)

2009年09月20日 | 和食はじめの一歩教室

残りものに福あり。

昨日の教室の残り物です。

1晩おくと、さらにしっかり味がしみます。

朝ごはんにいただきました。

オホホホッ。

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さて、きほん学級、昨日と同じ献立です。

今日もおいしくできるでしょうか。

.

2リットルの出汁を引きます。

昆布は10g×2枚。

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出汁を引いたあとは、カラカラに乾くまで

金串に刺しておきます。

まだまだ、まだまだ旨味が残っていますから、

再び出汁もとりますし、いろんな使い方をします。

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昆布を取り出した鍋を沸騰させて、火を止め、

削りかつお「だしはこれ」を加えて1分30秒、

はい、こしましょう。

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六面むきにした里芋です。

塩をまぶしてぬめりをとり、

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2度茹でこぼします。

1度目。

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2度目。

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鶏肉を出刃包丁で細かく叩き(刻み)ます。

手間ですが自分で刻むほうがおいしい。

でも、

フードプロセッサーなら簡単です。

ほんの数十秒ですから。

フードプロセッサーといえば、

拙著「まるめるレシピ」は、90品ですから、

とてもじゃないけど、すべてを手では無理。

フードプロセッサーにも頼りました。

その後?

やっぱり、わたしは出刃包丁で叩いています。

少しばかりごろごろ大きめでもいいんです。

挽き肉じゃなく、モモ肉を叩いてみてください。

あ、

お肉屋さんで、挽いてもらってもいいですね。

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空也蒸しの出汁を計っています。

えーーと、卵が4コだから・・・・・。

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出汁に調味料を加えたものを卵液に加えます。

さらに、うらごし器でこします。

<からざ >などを除くためです。

口当たりが良くなり、味がちがってくるんですよ。

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蒸しましょう。

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里芋の鶏あんかけ、

今日は、オクラを炊き合わせましょう。

<がく>をくるりとむいて、

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塩をまぶして、塩ずりします。

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はい、炊き合わせです。

昨日とは、また趣がちがうでしょう?

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小さいころから、わたしは若布が好きでした。

3月の新芽を採集した生乾きの若布。

あれは最高でした。

わかめを焼いた香ばしいこのめのはごはんも、

懐かしいご飯です。

あ、

わかめはね、陽にかざしてみて緑色に見えるのが

本物ですよ。

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全体の色がよくありませんが、実(み)の絹ごし豆腐

みえますか?

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さ、いただきます!

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いんどうさち日本料理きほん学級(2009年9月第1土曜日)焼きなす、鯵の生姜酢、里芋の鶏あんかけ、空

2009年09月20日 | 和食はじめの一歩教室

.

またまた鯵をさばきます。

旬でもありますけど、同じ魚を繰り返すと

扱いがわかるようになります。

今日のは、豊後水道の鯵。

鯵もね、産地によって顔、スタイル、身の色が

ちがうんですよ。

海流のせいでしょう、豊後水道のは顔が優しく

身体つきが 砲丸型で丸いですね。

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アップにしましょうね。

きれいでしょう?

銀白色に輝いています。

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3枚おろしをしています。

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きほん学級3回目の鯵。

はい、さばけました。

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塩で〆ます。

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生酢で〆ます。

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中骨は、骨せんべいに。

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9月に入ると里芋が出始めます。

里芋は、手早くタワシで泥を落として洗います。

水に浸けっ放しにして、たらたら洗ってると、

皮がむきにくくなります。

*八百屋さんなどで、皮むきの里芋をみかける

ことがありますが、外側が硬くなっていますので

気をつけてください。どうしてかというとね、

里芋が次の皮を作ろうとするためです。

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六面むきにしましょう。

七面でも八面でもかまいません。

むいたそばから水に放します。

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火にかけて、沸騰したら茹でこぼします。

また水を加えて、沸騰したら茹でこぼします。

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下は、里芋にかける鶏あんです。

鶏肉はね、なるべく自分で細かく叩いたのを

使ってください。

ぜーーんぜん、おいしさが違いますから。

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焼き茄子。

レンジの上に網をのせ、焦げ目がつき、

皮が炭化するくらいまで焼きます。

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焼きすぎ?

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そんなことはありません。

なり口の方から竹串を刺して、ススッとすべらせ

て皮をむきます。

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さすが秋なす。

実が充実してますから、

全く皮に身がついていません。

.

茶碗蒸しをつくります。

実(み)は、奴に切った絹ごし豆腐。

この茶碗蒸しのことを「空也蒸し」とよびます。

卵、よくときましょうね。

.空也蒸しは、実をあれこれ用意しなくてもつくれるので、簡単。

茶碗蒸しの初めの一歩です。

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湯が沸騰したら、蒸し器に器を入れ、

実と調味した卵を入れて蒸します。

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蒸し器には、かならず、布巾をかぶせます。

布巾のかぶせ方、わたしはこんな風にしてます。

因みに、この蒸し器は、母の使っていた蒸し器。ふたが少しボコボコ

へこんでいます。

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ごはんは、めのはごはん。

めのはというのは、古語でわかめのこと。

干しわかめをオーブンで焼きます。

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昆布と調味料を加えて炊きます。

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もろきゅうに軽く塩して・・・。

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鯵の生姜酢。初めてのお刺身。

多少、ヘンでもいいんです。

家庭のお刺身は、清潔感が大切。

いじらずに、さくっと、盛りましょう。

器は、臼田けいこさん。

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焼きなすもできました。

削りかつおをのせます。  

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里芋も炊けて、鶏あんをかけました。

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空也蒸しが蒸しあがりました。

出汁のおいしさが決め手の茶碗蒸し。

お吸い物替わりなんですよ。

振り柚子は、青柚子。

9月の初旬ですから、柚子はまだ青いのです。

下に敷いた茶托は鎌倉彫、引頭晶子作

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こ、これは・・・・・?

里芋の皮です。揚げるとおいしいのです。

鯵の骨も、里芋の皮も、

まるごといただかなくちゃね。

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いただきます!

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日本料理きほん学級、

日曜日クラスは、若干空席がございます。

第1日曜日、3時~7時。

講習料は6000円。

お申し込みの方には、FAXか郵送で地図を

お送りいたします。

お料理初めての方、大歓迎です。

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