Campagnolo SHAMAL MEGA G3 フリーのグリスアップ

先日より Campagnolo カンパニョーロの完組みホイール SHAMAL シャマルの
メンテナンスをしていますが　今回はフリーホイールのグリスアップをします
新品未使用のホイールのフルメンテナンスでしたが　今回の作業で整備は完了です





さて残す作業も後わずかです　今回はフロントハブの分解整備から始まり
かなり多くの写真を使いました　これで最後の作業になります　今までの記事が
皆さんのお役にたっていれば幸いです






ホイールのリアハブ　回転部分はすでに整備が終わり
フリーホイールの組付けだけが残っています






フリーホイールのラチェット部　ここに爪とスプリングを
組み込みます




今回は使用するグリスに最初から悩みました
摩擦係数の低さ　部品の耐久性を伸ばす意味では
Microlon マイクロロンのルブリカントを選べば良いの
ですが　このグリスの弱点は　水に弱い・・

リアハブとフリーホイールはどうしても水の入り易い部品
カンパグリス LB-100 と迷いましたが　気配りをしながら
ホイールを使う条件で　マイクロロンに決定します






フリーボディのラチェット部　後でグリスの塗布が
難しい部分には先にグリスを入れておきましょう




ここに爪が入ります　爪は 3個　この爪にも製造時の
傷が有ったり　今回のカンパは私にすれば　何か変！
と感じる事が多く有ります






3ヶ所に爪を納めました　グリスも多目に塗っています
他の粘度の高いグリスは　量が多いと手応えや音の悪い
仕上がりになってしまいますが　マイクロロンの場合は
この位は大丈夫です






これが今回使うスプリングですが　細い線状の物で
片方の端は曲手（かねて＝直角）に曲がっています






スプリングは本体の溝へ入れますが　先端の曲がった
部分はこの本体に開いた丸い穴へ引っ掛けます






穴の所からスタートです　知恵の輪の様にスプリングの
先を引っ掛けますが　細いバネですからあまり無理を
してはいけません




スプリングが爪を押さえながら一周すると　閉じていた
爪が全て開きます　問題なく開閉するか確認をしておき
ましょう

しかしこのフリーボディ　切削加工後のバリがいたる所に
残っていますが　これは何なんでしょう・・　少し酷い




ハブ本体側のラチェットのスプラインにもグリスを塗布




このフリーボディにも　白い防水シールが使われています
ここは防水の要　ここにはカンパグリスを使っておきます




シャフトのこの 2ヶ所の部分は　フリー内部の
シールドベアリングが接触する部分です　ここも
水の浸入経路になるので　カンパグリスを塗布




ハブシャフトにフリー本体を差込ます
シャフトの内部側が真円では無く　造形してあります
フリー本体の入り口も同じ形をしていますので　それを
合せて装着します






アルミのスリーブを入れ　ロックナットを装着します
※ このロックナットは逆ネジです




これで全てのパーツの装着が終わりました　






最後にロックナットを締め込みます　中空シャフトの
フリー側の穴に 5mm のアーレンキーを使います
ロックナットにはモンキーレンチを




アーレンキーでシャフトを保持し　ロックナットを
目一杯締め込みます　※ ここは逆ネジです




今回のフリーホイール組付けに使った工具と
油脂類です





フリーホイールハブ　このフリー部の防水処理がやや甘く感じ使う油脂にも気を使いました

昔のボスフリーなどは　防水処理などしていなくて水は入り放題　しかし隙間も多いので
入った水もいずれは乾燥しますが　今回の構造ではもし水が入れば蒸発する事も無く内部は
濡れっ放しでしょう　水が回った回転部はどうなると思います？　コンコン　コンコン音が
出るのも一つの症状です

今回の一連の作業　フロントホイールから始め何度かに記事が分かれましたが　最後まで
お付き合いを有り難うございました　これから整備をされる方のお役に立てば幸いです

Kinoの独り言
40年以上前から使っている Campagnolo カンパニョーロの製品　これはもう芸術品と呼べる
レベルでした　眺めているだけでその容姿に酔ってしまいます　今回のホイールの整備をし
そんなカンパは何処に行ってしまったのでしょう　もう一手間、二手間を掛け最高の物を
作ってやるぞ！　そんな気概を全く感じる事が出来ませんでした　残念です

前回の作業　【 カンパニョーロ シャマル メガ G3　フリーハブのグリスアップ 】