目の中のリンゴ

息子と観に行った米津玄師「空想」よかった!!

「ナイロビの蜂」 宣伝、間違ってない?

2006年04月28日 | 映画タイトル た・な行
試写会に行ってきました。
レイチェル・ワイズアカデミー 助演女優賞を受賞した作品です。

監督は、フェルナンド・メイレレス。
ブラジルのスラム街を描いた「シティ・オブ・ゴッド」
絶賛された監督さんですが、私はまだ観ていません・・・。
主演は レイフ・ファインズです。

行動力あふれ、情熱的なテッサ(レイチェル・ワイズ)と、
イギリス外交官ジャスティン(レイフ・ファインズ)は
お互いを尊重する夫婦。ジャスティンの赴任地、ケニアでも
精力的に医療や救援活動に関わっていくテッサだったが、
ある日、無残な死を遂げる。 
愛する妻を失ってはじめて、ジャスティンは 
今まで知らなかった彼女の姿を追い求め、
多国籍企業の陰謀にまきこまれていく・・・。

原題は「The Constant Gardener」 
ジャスティンは、ガーデニングが趣味の、
事なかれ主義でおとなしいマジメな外交官。
庭のことは一生懸命見ていても、妻の姿は見ていなかったということか・・・・。

それが、なんで「ナイロビの蜂」かというのは
映画を観れば納得。
ジョン・ル・カレの原作の翻訳も「ナイロビの蜂」。

この映画、またもや宣伝、間違ってませんか?
”愛の奇跡”とか”真実の愛”とか・・・
レイフ・ファインズとアフリカというイメージから、
壮大なメロドラマ「イングリッシュ・ペイシェント」
連想してしまいます。(↑大好き)

しかしっ! この映画は、もっとサスペンスフルで社会派です。
医療会社の実態、アフリカの貧困の現状といったことが描かれて
それに夫婦愛もからませる、という盛りだくさんな内容でした。
泣ける恋愛もの、と思って見るとちょっと違うかも。

たしかに、愛するがこそ巻き込みたくない、という思いは
わかるけど、それで自分が死んでしまうことは 
相手(ダンナ)にとってどうなの?!
テッサにとっては、自分の主義や正義が 愛よりも重かったのか?と
思えてしまうのでした・・・。

だから、逆になんとしても妻の無念を晴らしたい、
命をかけて取り組んだ仕事を引き継ぎたい という
遺されたジャスティンの姿に 同情してしまいます。
レイフ・ファインズ、いつもなんだか悲しげですね。

アカデミー賞を獲った レイチェル・ワイズは、
パワフルで大きな愛に満ちた姿が 貫禄あってよかったです。
3月のアカデミー賞の時、妊娠中のお腹が大きくて、
5ヶ月か6ヶ月だと言ってたと思うんだけど。
映画の中でもかなり大きかった・・・あれはホンモノじゃないのかな??
でも、実際に妊娠中ではあったようなので、
そう思って観るからか、母性というか、
輝くような 満ち足りた美しさがありましたよ。

ビル・ナイの出番がもっとあればよかったのになぁ。

メイレレス監督の持ち味なのか、ハンディカメラっぽい、
ライブ感あふれるドキュメンタリータッチの映像で
コダワリも感じられました。
(私は、ちょっと見づらいと感じる部分もありましたが)

世の中には 隠されている真実がたくさんあるのですね。
で、私としてはどうだったかというと、
”思ったよりムズカシかったなぁ・・・。” って感じです。
ラブストーリーかサスペンスか、どっちかに絞ってほしかった。

それにしても、この2人、出会ってすぐに???
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32 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
早っ;;; (Kim)
2006-04-29 14:19:42
と思ったら、試写会だったのですね。いいなぁ~!

私も楽しみにしているのですが、やっぱ、難しいのね;;;

「シティ・オブ・ゴッド」は、一応観ているのですが、ショッキングで難しくて痛い映画でした。社会派な監督さんなんですね。

で、ビル・ナイも出演しているの?知らなかった!

ビル・ナイ探しも楽しみかも^^。

本当は社会派映画ですね。 (nomad)
2006-04-29 15:22:46
そーなんですよ。これね、中途半端な宣伝のおかげで、ラブ・ストーリーっぽくなってるけど、本当は、製薬会社の人体実験を問題にした映画なんですよ!

へなちょこ旦那・・というかレイフ演じる庭いじりしか興味ない(典型的な英国人?)に、渇を入れる映画?

真実の愛にめざめる・・というラブ・ストーリーの方はサブ的に描かれていて、本当は、製薬会社の問題の方がメインなんでサスペンス映画なんです。

その辺で、甘くなって、当初アカデミー賞作品賞候補に絡んできそうだったのに、レイチェルの助演女優賞しか取れなかった残念な作品です。

ビルナイおじさん、完全な悪役は初めてでは?
やっぱりですか。 (チェブ)
2006-04-29 19:56:46
あらすじとか読むと「えっ?ラブ??」とは

思っていたのですが、また宣伝ミスなんですね。

どっちかというと、社会派の方が好きなんで楽しみです。



私も試写会に応募してるんですけど、

確か今日が締め切り。当たるといいなぁ~。



硬派です! (kino)
2006-04-30 00:43:03
>Kimさん

久しぶりの試写会でしたー。

前半、あれ?これ誰??ってとこもちょっとありましたが

ハラハラドキドキしましたよ。

ビル・ナイは もっと出てもよかったのになーという感じです。



>nomadさん

そうですよねー!この中途半端な宣伝は・・・。

もったいないですね。

レイチェル・ワイズはキレイでした。

ビル・ナイって なんだかコメディのイメージが(笑)



>チェブさん

なんでも”愛””泣ける”と宣伝するのは

いいかげんにやめてほしいですね!

試写会、もっと行けるといいんだけど

会社を休まないと時間的に無理(涙)



試写会に行って来ました (悠雅)
2006-05-11 09:35:26
試写会など滅多にない地域なのだけれど、珍しくあって運良く当選したので行って観て来ました。

TVのCMも、「奇蹟を感じてください」って言ってるけれど、奇蹟って別に起こらないわけだし…

大衆にとって、「泣ける」というキーワードがどれだけ重要なことなんだろうって思います。

ただ、内容、っていうか、

レイフ・ファインズがとっても素敵。

この人を命がけで守りたいと思った妻の気持ちがわかる気がします。
夫婦の愛 (kino)
2006-05-12 22:37:47
>悠雅さん

かなり大々的に宣伝してるけど、ちょっと違うんじゃない??と

思いますね・・・。

今思い返してみると、2人の愛の深さが印象に残ってるんですが

どっちかというと 社会派映画だろうに・・・。

レイフ・ファインズ、気品があって、そして

誠実。素敵ですね。
私は堪能。。 (Cartouche)
2006-05-13 22:44:54
これは最初からハマってしまいました。テッサがまだ微塵も出てこないうちに妻の死を告げられたジャスティンが”こんな辛いことを知らせてくれてありがとう”って。なんていい人なんだろう。。そして物語が展開していくうち、妻を失ってから彼は再度恋におちた。。と感じました。事実としてこんな癒着もありそうだし、すっごくおもしろかったです。
Unknown (わてが丁稚の定吉だす)
2006-05-14 10:01:05
トラックバックさせて頂きました。

宣伝はラブストーリーと社会派と2種類あっても良かったかもしれませんが、現在の宣伝でも間違ってはいないと思いました。

心からは理解出来なかった死んだ相手を理解して再会する、そんな奇跡の起きるロードムービーとして癒されました。

ハッピーエンドと受け取るか、アンハッピーエンドと受け取るか、観方によって分かれる作品ですね。
そうそう・・・ (MAY)
2006-05-14 20:00:15
かなり社会派映画ですよね。それにカメラワークも

激しくて字幕追いつつ理解するのが少し大変だったり^^;;

でも私も最初と最期の場面でやられました。レイフ・ファインズの

あの悲しげな瞳は!レイチェル・ワイズのお腹は

びっくりしましたけど、本物かなぁ。。

TBさせてくださいね♪
それぞれだと思います (kino)
2006-05-15 00:20:29
>Cartoucheさん

相変わらずの美しく深いレビュー、

同じ映画を観たとは思えません・・・(恥)

ワタシが夫婦愛をよくわかってないからですかねぇ・・・。



>わてが丁稚の定吉だすさん

TBありがとうございました。

”宣伝間違ってない?”ってのは

ワタシの個人的な意見でしかないですが・・・。

ジャスティンとしてはハッピーエンドで

満たされた思いがあったかもしれないけれど、

それを望まなかったテッサは辛いだろうな・・・。



>MAYちゃん

ドキュメンタリータッチで、”愛の奇跡”を

期待してると最後までもたないかも・・・。

もし自分だったら?と考えると 共感できない部分があって

ちょっと入り込めなかったのかな・・・

第一、テッサのように、命をかけて他者のために

尽力するような仕事はとてもとてもできない・・・。

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