舞い散る栴檀の中で

2012-07-22 15:15:09 | 両爬(Amphibia&Reptiles)


ナミエガエル(Limnonectes namiyei) Namiye's frog


クロイワに遭遇した後。またしばらく歩くと、辺りにフワリと優しい花の香りが立ち込めた。見上げると、淡い紫色をしたセンダンの花がまさに満開だったのだ。地面にも散らばる花の様をライトで照らしてゆくと、突如巨大なカエルの影が浮かび上がった。
ナミエガエルだ。
前回の沖縄では豪雨の中見つけたナミエを何とか撮ろうと近付いたら一瞬で跳んで消えてしまった。しかもついでに体はずぶぬれ、という苦い思い出だった。
このクラスのカエルともなると、俊敏性こそないものの跳躍のパワーは凄まじく、一度跳ばれたら指をくわえて見送るしかなくなってしまう。だからまずこいつの存在に “こちらが初めに気付く” 必要がある。さらに跳ばれぬよう、細心の注意を払って接近し撮影の体勢をとらなければならない。
このナミエガエルの迫力ときたら本当に大したもので、その顔つきはイクチオステガを彷彿とさせるほど。






ナミエガエルと言えば図鑑に載っている写真、瞳孔が小さくなったいわゆる「可愛げのない」イメージがあったけれど、そんなことはなかった。ライトを当てればすぐに可愛くない顔になってしまうけれど、暗がりの中では案外可愛らしい顔をしているものだ。
「実は図鑑で見るよりずっと可愛い」というのはクールガエル属全体に言えることで、これは可愛くないと誤解している人がいたら是非実際に見てみて欲しい。私がボルネオで見たL. kuhliiも、台湾で見たクールガエルも、皆一様に「憎めない」容貌だったのは間違いない。




ヒメアマガエル(Microhyla okinavensis) Ornate narrow-mouthed toad






リュウキュウカジカガエル(Buergeria japonica) Ryukyu Kajika frog




【Okinawa Is.(沖縄本島) Japan/13th April, 2012】


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