最後の日に

2011-04-29 18:15:38 | 鳥(Birds)


オオソリハシシギ(Limosa lapponica baueri) Bar-tailed Godwit


オーストラリア13日目。
そうは言っても午前中の、しかもほんの少しの間だけの鳥見になる。

マングローブ林では白黒ツートンカラーのマングローブヒタキが「ヒー、フー」と哀愁漂う優しい声で鳴いていたり、控えめな青色のナンヨウショウビン(T.c.colcloughi)が暗がりにとまっていたりした。
干潟にいたオオソリハシシギ達は、潮が満ちて干潟の泥地がなくなると、芝生に上がって蟲を探し始めた。
オーストラリアで越冬していたオオソリハシシギ達は、これから繁殖地である夏の北極圏に向けて旅立つ。きっと途中に中国や、日本にも立ち寄っていく事だろう。
波打ち際に佇むこの雄の眼からは、渡りという大移動にこれから望むのだという強い覚悟が伺える。






この2週間は本当に楽しかった。
何もかもスケールの大きなオーストラリアという地に初めて訪れて、日本とはほとんど違う、初めて見る生き物達に出逢ったこと。
他に生き物を探している人なんてめったに会わないから、この広い大自然をほぼ1人(2人)占めに出来たこと。
あっと言う間に熱中症になりそうなほどの暑さ、突然のスコール、襲い来る吸血昆虫。
何度思い出しても何もかも皆、懐かしくて愛おしくて、私のように何を見てもすぐに感動してしまう人間からしたらこんなに刺激的で楽しいことは無かった。

海外に生き物を見に来て、帰る時に必ず胸に浮かぶのはたくさんの“帰りたくない”という気持ち。
いつかまた必ず、来るのだ!そう胸に誓って、私は空港エントランスのドアをくぐった。
最後に見た鳥は、晴れ渡る空を気持ち良さそうに飛ぶ、モリツバメだった―。







【2010/03/15/オーストラリア Cairns,Australia;Mar. 2010】


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