天上の島のノディ

2011-04-03 17:10:35 | 鳥(Birds)


クロアジサシ(Anous stolidus pileatus) Brown Noddy


オーストラリア9日目。
白い砂浜、降り注ぐ太陽の光。ここは、グレートバリアリーフに出来た砂洲(Michaelmas Cay)。

出航前、港に停泊している船に乗って待っているだけでカンムリミサゴが大きな魚を運んで飛んで行ったりソデグロバトがマングローブ林から飛び立ったりと忙しいもので、目移りが止まらない。さらに船が発進すれば、パリーナや誘導灯のような障害物という障害物にカツオドリやオオアジサシがとまっているものだから首を左右に振りすぎて筋肉痛になるかと思った。さらに沖では、はるか洋上を格好いいコグンカンドリの雄が波間を滑るように飛んで行ったのを確かに見た。

皆さんは、自分が一定数以上の野鳥に取り囲まれた時にどうなってしまうか、自ら予想がつくだろうか。私はもちろん平静で淡々と鳥を探し続けられるなどと考えていたのだけれど、そんなことは到底無理だった。
仮にも繁殖地の端っこに踏み入ろうと言うのだから、私もイメージしてみなかったわけではない。けれど、実際にこの砂洲に放り込まれてみるとどうだろう。私はおびただしい数のクロアジサシに取り囲まれるという状況の中で完全に思考停止してしまい、ただ口をぼんやりと開けたまま一歩も動かず、かなりの間立ち尽くしていた。まるで時を忘れてしまったかのように。
人に対しておよそ警戒心というものが皆無のクロアジサシ達が手を伸ばせば明らかに届く程の距離に所狭しと並び、クゥーワクワと口々につぶやいている。
この島は、天国か何かなのだろうか。














【2010/03/11/オーストラリア Cairns,Australia;Mar. 2010】


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