真面子の社会観察日記

社会で起きている様々なできごとを真面目に言いたい放題!

大学院でも定員割れ

2008年02月28日 | Weblog
今や日本の大学で定員に割れを起している大学が半数近く有ると言われ、どこの大学も学生集めにやっきになっていることはご承知の通りだ。有名大学、あるいは、いわゆる一流大学と言われている所も、新しい学部を次から次へと開設し、学生募集を行っている。

福田首相も、日本国内への留学生の増員を目指そうと先日発表した。今は誰もが大学全入時代であることを知っているし、学生数が少なくなっているのだからと、こぞって留学生を迎え入れようとしている。

実際、中国からの留学生を受け入れている大学は多く、留学生の割合を見てみても、日本で学ぶ留学生の約4人に3人は中国人という脅威的な割合なのだ。

大学と定員についての話題には事欠かないが、ところが、27日の日経新聞には、2007年に大学院の博士課程でも定員割れを起こしていると報じている。大学院の博士課程までも定員割れとは少し驚いた。

背景には、日本で博士課程を修了者しても就職難で、なかなか就職出来ない事情があるからだ。こういう人達をオーバードクターと呼ぶのだが、特に35歳を過ぎてしまうと就職はより厳しくなるのだ。

そして、博士課程を修了しても就職出来ないならと、大学院後期課程に進学しない人が多くなっている。一方、四年制大学卒業者の就職率は、第一次ベビーブーム世代の定年退職や景気回復などにより、昨年は96.3%の高率を記録している。

文部科学省が学校基本調査などの結果を基にまとめた統計によると、07年度の博士課程の入学定員は約2万3400人だったのに対し、志願者は定員の89%に当たる約2万773人にとどまった。数字上は博士課程に志願すれば誰でも入れる「全入状態」になっている。特に工学系と理学系で志願者数が低迷するなど、理工系を中心に「博士離れ」が進んでいる実態が浮き彫りとなった。

技術立国日本にとって、この現象は将来が少し暗い。確かに博士課程を終えても研究職にも就けず、大学教員にもなれず、企業にも就職出来ないとなれば、自分の将来が不安で研究どころではないだろう。

研究は地道にこつこつと長い間かけなければならないことも多い。ビジネスとは違ってそうすぐには結果は出せないのだが、それでも何かに興味を持ち、一生かけて研究したいと思わせる環境を整える必要があると思う。

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