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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

経済の迷宮⑨ 国際課税へ協調の一歩

2016-10-19 16:00:05 | 予算・税金・消費税・社会保障など
経済の迷宮⑨ 国際課税へ協調の一歩

国家主権の中核の一つである租税政策をめぐり、「国際競争から国際協調へ」の大転換の一歩を踏み出そうという機運が高まっています。
6月30日、強い日差しの照り付ける京都市に、80以上の国・地域の代表が集いました。
税逃れ対策である「BEPS(税源浸食と利益移転)プロジェクト」を主導してきた経済協力開発機構(OECD)租税委員会の会合が開かれたのです。従来の枠組みを大きく超える出席者を迎え、「包摂的枠組み会合」と名付けられました。
会合にはシンガポール、香港、ジャージーなど、タックスヘイブン(租税回避地)として知られる国・地域の代表も出席。「パナマ文書」流出元の法律事務所モサック・フォンセカの所在地として注目を集めた中米のパナマも代表を送りました。



OECD租税委員会の会合で談笑する浅川雅嗣財務官(左)、麻生太郎財務相(右から2人目)、パスカル・サンタマンOECD租税センター局長(右)=6月30日、京都市内

100カ国・地域が
BEPSプロジェクトの参加国は従来、OECD加盟国と20力国・地域(G20)メンバーを中心とする46力国でした。京都会合を機に、それが一気に84に拡大。さらに20力国・地域が参加を検討しており、来年1月までに結論を出す見通しです。参加は100力国・地域程度にまで膨らむ見込みなのです。
京都会合の冒頭、OECD租税委員会の議長を務める日本の浅川雅嗣財務省財務官は、プロジェクトの参加が大きく増える意義に言及しました。
「租税政策は国家主権の究極の形態の一つであることは周知のことです。しかしわれわれが共に連携・協力して対応していかなければ、各国の経済に打撃を与える税源浸食・利益移転に効果的に対処することはできません。だからこそ、われわれは今日ここにこのようにして集まったわけです」
BEPSプロジェクトの要となる原則は「グローバル企業は価値を創造するところで税金を支払うべきだ」というものです。
多国籍企業は現在、製造・販売などの経済活動を行って価値を創造している国で課税されるのを避け、低税率国の子会社に利益を移しています。価値を創造している国の税源をむしばむことで納税額を減らし、利益を膨らませているわけです。

ルールを再構築
BEPSプロジェクトは、多国籍企業が価値を創造する国できちんと納税するよう、各国が協調して国際課税のルールを再構築する計画なのです。
国際社会のこうした合意に照らせば、タックスヘイブンに地域統括会社をつくり、周辺国のグループ会社が創造した価値を移転して節税を行う手法は、許されない税逃れだということになります。
BEPSプロジェクトが掲げる15項目の行動計画のうち「行動3」は、こうした税逃れの手法に対抗する措置です。「外国子会社合算税制の強化」と呼ばれています。日本のタックスヘイブン対策税制にあたるものです。
「行動3」の要点は、企業の所得を能動的所得と受動的所得に分けて課税することです。
能動的所得とは、商品の製造・販売など、その場所で行う必然性がある経済活動によって生じる所得です。能動的所得に対しては、所得を生んだ子会社の所在地国が課税するルールとします。
受動的所得とは、投資への見返りなど、その場所でなくても得られる所得です。受動的所得には、投資のリスクを最終的に負う親会社の所在地国が課税するルールとします。
こうした到達点から見ると、日本のタックスヘイブン対策税制には致命的な弱点があります。浅川財務官が説明しています。
「(現行制度では)外国子会社の所得の中に受動的所得が含まれていても日本で課税できないケースが生じる。従って日本としては、国際的な潮流を踏まえ、現行制度を抜本的に見直した上で、具体的に制度をどこまで変更するか、検討が必要」
タックスヘイブン対策税制の見直しは2017年度税制「改正」の主要テーマの一つに浮上しています。国際的合意の上に立ち、税逃れの抜け穴をふさぐかどうかが問われます。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2016年10月18日付掲載


税逃れ対策である「BEPS(税源浸食と利益移転)プロジェクト」が、やっと本格化してきました。
税金逃れをしている多国籍企業から政治献金をもらっている政治家でさえも、タックスヘイブンでの税逃れはダメとはっきりと意思表示するっていいですねえ。

ジャンル:
経済
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