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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

『キャスターという仕事』 国谷裕子著 23年の歩みから報道のあり方を問う

2017-04-05 12:55:57 | 政治・社会問題について
『キャスターという仕事』 国谷裕子著
23年の歩みから報道のあり方を問う


くにや・ひろこ 1993年~2016年 NHK「クローズアップ現代」キャスター

キャスターという仕事1
キャスターという仕事1 posted by (C)きんちゃん

キャスターという仕事2
キャスターという仕事2 posted by (C)きんちゃん

キャスターという仕事3
キャスターという仕事3 posted by (C)きんちゃん

「しんぶん赤旗」の書評を読んで買った。

テレビ番組には春と秋に番組改編がある。出演者を変えることが最も手っ取り早い番組の衣替えであり、多くの場合女性出演者がその対象となる。報道番組といえども例外ではない。そうしたテレビ業界の中で23年にわたり、フリーランスの女性キャスターである著者が一人で番組を担当し続けた。本書はその歩みを振り返り、報道のあり方を問う内容となっている。
著者が携わった「クローズアップ現代」が長年視聴者に支持されたのは、“真正面から社会の関心事に取り組み、掘り下げる”という番組の姿勢がぶれなかったことであろう。志の高いスタッフに恵まれ、帰国子女で日本語に不安すら感じていたという著者が、毎日行われるスタッフとの議論やゲストとの真剣勝負を通して、自身の役割を模索し成長していく過程を描く。
一方、英語圏で育ち、NHK職員ではない著者には、「個」としての強い自覚がある。組織内の縦割りや綱引きが時に番組内容に影響することもある。組織人としてではなく個のキャスターとして発言した著者の存在は報道組織にとっても貴重である。平易な言葉でキャスターの役割、テレビ報道の課題を考え続ける著者の真摯な姿勢は、現役のキャスターも一読に値する。
それだけ真正面からキャスターの仕事に心血を注いできた著者でありながら、女性の労働や貧困問題に対して長い間目が向かなかったのは、圧倒的男性社会の中で、自らもその価値観と長時間労働に順応してきたからだと省み、組織外の人々とつながることの重要性に触れる。画一的価値観に陥る可能性がある組織報道に重要な示唆であろう。

評者 谷岡理香 東海大学教授・元テレビ高知アナウンサー

岩波新書・840円

「しんぶん赤旗」日刊紙 2017年4月2日付掲載


目次を紹介…

キャスターという仕事 目次1
キャスターという仕事 目次1 posted by (C)きんちゃん

キャスターという仕事 目次2
キャスターという仕事 目次2 posted by (C)きんちゃん

キャスターという仕事 目次3
キャスターという仕事 目次3 posted by (C)きんちゃん

国谷さんがキャスターになるまでの経歴。キャスターになってからも順風満帆ではなかったこと。番組を製作する人々の熱い思いに突き動かされながら、様々な問いを出し続けたこと。
言葉の力を信じて、キャスターと言う仕事とは何かを模索してきた旅の記録…。

読み応えがあります。

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