きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

グローバル経済の迷宮 海外工場の事件簿② 潜入調査 学生が見た地獄

2017-06-22 14:49:02 | 経済・産業・中小企業対策など
グローバル経済の迷宮 海外工場の事件簿② 潜入調査 学生が見た地獄

ユニクロは長い間、海外工場のありかを隠し、労働者の境遇を隠してきました。固く閉ざされた秘密の扉をこじ開けたのは、学生たちでした。中国の工場に労働者として雇われ、潜入調査したのです。
調査を組織したのは、香港に本拠を置くNGO「SACOM」でした。香港の学生たちが2005年に結成した団体です。多くの学者が支援しています。SACOMは「企業の不正行為に反対する学生・研究者グループ」の頭文字です。
現在、SACOMで衣料品産業を担当する香港在住のキキ・ユェンさん(32)は言います。
「私がSACOMに入った理由は、もっと公正な世界をつくるのに貢献したいから。巨大ブランドの陰に隠された現実を多くの人に知らせたいからです」
調査には日本と中国の団体も加わりました。日本のNGOヒューマンライツ・ナウ(HRN)は、調査員を派遣し、工場の外で聞き取り調査を行いました。中国で労働者の権利の確保に取り組む「中国労働透視」(LAC)も協力しました。
国境を超えた市民団体の共同で初めて、ユニクロの下請け工場の内幕が体系的に明らかにされたのです。



SACOMの常駐スタッフで衣料品産業キャンペーンを担当するキキ・ユェンさん

低賃金で重労働
潜入調査は3回行われています。最初の調査は14年。対象は、パシフィック・テキスタイル社の素材工場(パ社、中国広東省)とトンカン・トンウェル・ガーメント社の縫製工場(ト社、同)でした。15年1月にSACOMとHRNが発表すると、報告書はすぐさま国際的な注目を浴びました。HRNの伊藤和子事務局長は話します。
「概要をインターネットで紹介したところ、一晩で膨大なアクセス数がありました。会見には報道各社が詰めかけ、驚きました」
波紋を広げたのは次のような惨状でした。
両社の基本給は、所在地である広州市と東莞(とうかん)市の平均月給の3分の1でした。パ社は月1550元(2万4800円)。ト社は1310元(2万960円)。両市の最低賃金でした。
労働者は基本給では暮らせず、長い残業を強いられます。それでも、賃金は低水準でした。
「多くの教育費用を支払わなくてはいけないため、この給料では不十分だ」(染色部門の男性労働者)時間外労働は月112~134時間に及びました。
月36時間を上限とする中国の労働法に違反し、日本の過労死ライン月80時間を大幅に超えていたのです。パ社では、1日に平均11時間働き、休日は月に1~2日でした。
「早朝から夜10時まで働いています。夜11時まで働くこともあります」「ときに日曜日も働くんですよ」(ト社のアイロンがけ労働者)
09年には、パ社で労働者がストライキを行いました。雇用側は暴力団を雇い、暴行を加えて鎮圧を図ったと、労働者は証言しました。

「夢・希望」の裏側
「まるで地獄だ」
パ社の織物工場にはエアコンがなく、夏の気温は38度に達しました。労働者は話しました。「あまりの暑さに失神するものもいる」
染色部門の床には排水があふれ、作業場は化学物質の刺激臭で満たされていました。
ト社の縫製部門には大量の綿ぼこりが舞い、鼻がほこりまみれになる状況でした。
ユニクロを傘下に持つファーストリテイリング社は毎年、「CSR(企業の社会的責任)リポート」を公表しています。13年リポートでは、柳井正会長兼社長が「労働環境改善」の努力を誇っていました。「夢や・希望が実現する社会をつくるためにグローバル企業として責任を果たす」と。
ふたを開けてみれば、ユニクロ工場の労働者が置かれているのは、夢や希望からかけ離れた労働環境だったのです。労働者は活動時間の大半を、過酷で危険な低賃金労働に費やしていました。(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2017年6月14日付掲載


残業しないと、休日出勤しないと暮らしていけないユニクロの低賃金。日本の派遣労働者も同じこと。他人事ではありませんね。
ジャンル:
経済
コメント   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« グローバル経済の迷宮 海外... | トップ | グローバル経済の迷宮 海外... »
最近の画像もっと見る

コメントを投稿


コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。

あわせて読む

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL
  • 送信元の記事内容が半角英数のみのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • ※ブログ管理者のみ、編集画面で設定の変更が可能です。