きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

ストップ生活保護改悪 私たちの声を聞いて④ どん底で大切さ知った

2013-03-08 21:07:07 | 予算・税金・消費税・社会保障など
ストップ生活保護改悪 私たちの声を聞いて④ どん底で大切さ知った

東京・立川市の福島元さん(63)が、ホームレスの人など生活困窮者を支援する「立川なんでも相談村」(13団体、以下、相談村)のメンバーに声をかけられたのは2011年の10月。市内の河川敷で暮らしていたときです。
福島さんは、08年のリーマン・ショックのころから自営の家業が傾き、家を売って事業を整理。家族とも争いが絶えず絶望して家を出、死に場所を求めて北海道、東北を転々としました。
その間2度自殺を図り、3度目は立川市の橋の下で。頭から袋をかぶり意識を失っているところを居合わせたホームレスに助けられました。



「生活保護で命を救われた。生活再建になくてはならない制度を切り下げないで」と語る小野さん(手前)と福島さん=立川市

いてもいいんだ
命は助かったものの寒い季節になり、最高血圧が200を超えて朝目覚めても立てない状態に。「河川敷訪問」にきた相談村のメンバーに説得され病院に連れて行かれました。「いつ死んでもいい」。そんな気持ちが変わったのは、メンバーがかけてくれた「もう少しこの社会にいてもいいんじゃない」との言葉だったといいます。
気持ちを切り替えた福島さんは生活保護を申請。アパートで生活を始め、治療を受けて体調も落ち着きました。仕事を紹介してもらい、いまは毎朝4時起きで、清掃の仕事を中心に週6日、1日平均4、5時間働いています。収入は月10万円くらいで、1万5千円ほどの保護費を受けています。
「体が動くうちは働きつづけたい」と福島さん。「生活保護がなかったら死んでいました。受けて初めて、もう一度やれるかなと思えた。命の絆です。保護費の削減はきつい。とくに子どもがいる人は大変です」と話します

ヘルパーめざし
同市の小野誠さん(50)は、新聞販売店で14年働いていました。拡販の過酷なノルマや客からの苦情処理に追われ、過労でうつ状態に。自殺を図ったこともあります。そんなときバイクの免許更新を忘れて事故を起こし、解雇されました。親族とのつながりも切れたままです。ネットカフェで寝泊まりして仕事をした時期もありましたが、血圧が200を超え、手足がむくんで働けなくなりホームレスに。昨年8月、「夜回りにきた相談村の人に拾われた」といいます。
いまは生活保護を受け、無料低額宿泊所で暮らしています。週5日、清掃などの仕事をして収入は月8万円ほど。保護費を加えて9万円の施設費(食費や部屋代など)を払うと手元に残るのはわずかです。「保護費を削られたら、昼飯を食べないでしのぐしかない」と話します。
小野さんには以前から関心をもっていた介護ヘルパーになるという目標があります。仕事の後、図書館で資格取得をめざして勉強をつづけています。
「思ってもみなかったどん底まで落ちて初めて、生活保護の大切さを知りました。自分が先に進むためになくてはならないものです。生活に困ったとき、必要な人がみな利用できて生活を再建できる制度であってほしい」と話します。
(文中いずれも仮名)(おわり)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2013年3月4日付掲載



いつもだったら自分には関係ないと思っている「生活保護」の制度。だけど、正社員と思って働いていてもいつ解雇されるかわかりません。非正規でも繰り返し更新されていても、それが継続すると安心できないのが今日の雇用実態。
それが許されることではないのですが、このようなグレーゾーンの方々をも救うのが「生活保護」の制度です。
しっかり監視して、維持していかないといけませんね。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする