黄金色の花びらも鮮やかに…山吹の実のひとつだに…
学院の新事務所のブロック塀から、山吹の花が咲き誇っていました。
「七重八重、花は咲けども山吹の、実のひとつだになきぞ悲しき」
落語「道灌(どうかん)」の中で知った歌です。
太田道灌が雨に降られて困り、ある民家に立ち寄って、「蓑(みの)を貸してくれないか…」と頼むと、その家の娘は、山吹の枝を一輪差し出します。
失礼な娘だ…と道灌は思ったに違いありません。
道灌は城に帰って、さっそくその話をします。
するとある部下が、「それは後拾遺和歌集の兼明親王の歌で、『七重八重、花は咲けども山吹の、実のひとつだになきぞ悲しき』と言うのです。
「実のひとつ と 蓑ひとつを掛け、蓑の一枚もないのだと言いたかったのでございましょう」と述べた。
だいたいこんな内容だったと思います。
写真は「一重の山吹」で実がなります。ですから道灌に出てくる山吹とは違います。
実のならないのは「八重の山吹」で、お話に出てくる山吹はこちらのようです。
春を待ちかねて弾ける花々
花びらの色は、黄色とオレンジの中間色。…黄金色とでも言いましょうか。
時代劇などで、小判の事を、「山吹色の…」と表現するのがわかるような気がします。
春を待ちかねた花々が一斉に弾けていくこの頃です。
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