
タイの国技ムエタイの技術を映画に取り込み、壮絶なリアル・アクションの数々が話題を集めた『マッハ!』の監督と主演コンビによる最新作。国際マフィアに盗まれた象の奪還に立ち上がる青年に、スタントマン出身のトニー・ジャーがふんし、鍛え上げられた肉体から繰り出される神業的なムエタイ・アクションを披露する。運河を舞台にしたボートチェイスや、 4分間長回しのワンショット・アクションなど、迫力ある映像の連続に圧倒される。[もっと詳しく]
アドレナリン出まくりの、タイアクションムービー。
「ねぇ、なんかさ、元気の出る映画ないかなあ」と訊かれたら、僕が紹介する映画は決まっている。タイの一連の格闘映画である。
2003年、「マッハ」登場!彗星のごとく現れたトニー・ジャーという肉体に、僕たちは唖然とした。
CGなし、ワイヤーなし、スタントなし、このナイナイづくしに、嘘だろ!と思いながら、はじまるやいなや、画面に釘付けになった。
1976年生まれ、もともとはスタントマン出身のトニー・ジャー、さほど2枚目とも思えない風貌だが、そのアクションには圧倒される。
あ、これは、最初にブルース・リーを見たときの感動に近いな、とも思う。
撮影は、元気と無茶が取り柄の頃の香港映画を彷彿とさせる。
「とにかくやっちゃえ」とばかり、無謀とも思える演出で一気に撮影する。
勢いがある。熱くなる。スカッとする。すごい。



翌年には、「ダブル・マックス」。
今度は、トニー・ジャーの本格アクションはゲストの位置。全編、主役を張るのは、奇妙な巡査を演じるベットターイ・ウォンカムラオ。タイでは、コメディ巡業一座出身で、国民的人気のコメディアンだ。
ガンさばきは本格的だが、どこまで、真面目なのか、わからない。
奇妙な脱力系芸人であり、全裸で町を走り回るシーンなど腹をかかえて笑える。
このベットターイが主演・脚本・監督だ。僕は、この人、大好きだね。
そのあとは、「七人のマッハ!!!!!!!」。
トニー・ジャーの後継者を育てるつもりか、新人ダン・チューボンを起用。
タイのスポーツ界のナショナルチャンピオンたちが訪れた村が、テロリストに占拠される。このテロリストたちが、村人を人質に取り、政府を脅かすのだが、とにかく悪逆のかぎりをつくす。
こうなると、黒澤の「七人の侍」よろしく、オリンピック選手たちが立ち上がるのだ。器械体操、女子体操、ラクビー、セバタクロー、バスケット、テコンドー、サッカー、テロリスト(ゲリラ)相手に、それぞれの競技の特質を活かした格闘が、これでもか、これでもか、と続く。最高に面白い。
そして、シリーズの真打のように登場したのが「トム・ヤム・クン」である。
「マッハ」シリーズのスタッフ&キャストを総動員。今回は、世界市場向けを意識したのだろう。お金も、かかっている。
タイ東部の平和な村。代々、王に献上するための象を育てている。
王を護るムエタイ兵士の末裔たちである。
息子のカーム(トニー・ジャー)も、象とともに育てられた。そして、ソンクラーン(水掛祭り)の日に、雄象ポーヤイと子象コーンは、チャイニーズ・マフィア率いる国際密輸組織に攫われてしまう。
マダム・ローズ(チン・シン)がオーナーである「トム・ヤム・クン」というレストランが、悪の牙城だとつきとめるのだが・・・。
もちろん、格闘シーンはサービス満点だ。映画館でも、思わず、拍手だ。
カポエイラVS古式ムエタイ対決。
殺人剣術VSタイ式剣術対決。
2m12cmの大巨人との身長差40cm対決。
4分間長廻しワンカットの階段を利用しての格闘撮影。
極めつけは、トニーの49人連続骨折り関節決め。ギシッ、ボキッ、バキッ、グシャ・・・阿鼻叫喚の山である。
痛快だ。おまけに、ボートや、インライン・スケート、モトクロス、四輪バイクも登場。
次から次へのアクションだ。
007なんか、飛んでけー!である。
もちろん。CGなし、ワイヤーなし、スタントなしである。
相手役にも、遜色ナシの格闘家をふんだんに用意している。
ことに、マダム・ローズ役のチン・シン。9歳で士官学校に入り、ロシアン・バレエ、古典中国舞踏、アクロバット、モダンダンスなどを習得した後、26歳で中国政府の許可の下、性転換をした異才である。
妖しい魅力を振りまくところが、魅力。
この作品では、タイでは敬愛される象との交流シーンも含め、叙情的なカットもさりげなく、押さえられている。
しかしながら、なんといっても、「マッハ」に始まるこのシリーズの魅力は、アクションシーンがノンストップのように、これでもかこれでもかと長廻しされること、そして、そのアクション・シーンの背景に流れる打楽器を中心としたロック調の延々と小気味のよいタイ音楽のフレーズが繰り返されることであろう。
この音楽とアクションが一体となって、僕たちは、脳内物質が刺激されるのか、アドレナリンが出まくり、我を忘れて、陶酔してしまうのだ。
畏るべしタイ・アクションムービー。
アクションに続いて、オカルト・ホラーの分野でも、タイ映画の水準はあがってきている。
あとは、いつも、お茶目な女性しか描けないという難点を克服するような、心理劇に、役者やスタッフの技量があがっていけば、楽しみなアジアン・ムービーの潮流ができるかもしれない。
ともあれ、タイ・アクション映画。
落ち込んでいるときでも、何もかも忘れて、元気になること、請け合いである。













音はもちろん嘘でしょうが、
実際に打撲、捻挫、擦過傷、切り傷、は言うに及ばず、
骨折者続出だったことと思います。
この後見た「MAX!!!鳥人死闘篇」の格闘シーンが、
迫力なさげに見えてしまいました。
トニー・ジャーのインタビューを見ると、一人の骨折者も出さなかったようですよ(笑)杞憂でしたね。
フォローありがとうございます。
DVDを買いたくなりました。
体の続く限り、トニー・ジャーにはがんばってもらいたいもんです。
この人、アクションスだけなら、世界最高だと思うのですが、
役者として、もっと進化して欲しいです。
う〜ん、、、タイホラーねぇ、、、何本か見たケド、、、
あはは、、、
この映画も「マッハ!」に続き凄かった!
いったいどんなメカを身体に埋め込んだらあんな動きが?!
あ、生身でしたね。
しかし、いったいどんな燃料を入れたらあんな瞬発力と馬力が?!
あ、生身でしたね。
でも、とても同じ人間とは思えないんだよなー。
TBありがとうございました。
アクション本当に半端じゃないですよね〜。面白かったです。テンション上がりまくりでした。
タイ映画熱くていいですよね!ホラーはあまり得意じゃないので見てないんですけど、「アタック・ナンバーハーフ」も好きでした!
またお邪魔しますね。では!
ブルース・リーのように、麻薬に蝕まれませんように。
>猫姫さん
そうですね。役者として、もうちょっと、感情表現ができればいいんですけどね。
>こっちゃんさん
早回しも禁止だからなあ。あの動きは、ほんまものですね。
>微妙さん
ニューハーフシリーズは、ちょっと、おかしなブームになったことがありますね。これからは、やっぱ、女優がもっと育って欲しいですね。
面白いストーリーにあの激しいアクションに大興奮でした。
「ダブルマックス」も見ましたよ。あちらはとにかく大笑いさせられました。
このところのタイ映画の勢いはすごいですよね。
心なしかホラーが多いような気がするのがちょっと残念なんですが・・・
また遊びに来ますね。
まあ、ホラー映画も、まだまだですけどね。
「マッハ」チームが刺激を与えて、いろんなタイプの役者やスタッフを育てて欲しいですね。
詳細なウラ情報恐れ入ります。そうですか、マダム・ローズは元男ですか。最後の跳び蹴り、女性に対してえげつない!と思っていたのですが納得いきました。
ところで質問なのですが、オーストラリアの空港に着いたときにニアミスする若い頃のジャッキ・ーチェン(に似た人?)って??
うーん、空港でね、僕はあまり覚えてません。
この映画、見た人が、それぞれ、「あの人に似た」よいう形容をしますね。
タイ映画の珍しさもあるけど、タイ人の名前って、覚えにくいのが、多いじゃないですか。
マーク巡査だって、舌咬みそう。だから、たとえば、南伸坊そっくりな、とかね。
さて、ジャッキーに似た人は、トニー・ジャーのお父さんらしいよ。
DVDの発売元であるジェネオンの薀蓄を毎月掲載している愉快なページがありまして、そこに書かれています。
それにしても、タイ映画は勢いがあるなぁ。
個人的にはシュールでバイオレンスで乙女チックな「怪盗ブラックタイガー」も好きなんだよね。
そうだ、あったね。見ましたよ。
なんか、タイ風のハチャメチャ西部劇みたいなのじゃなかったかな。たしか2001年のカンヌ映画祭に出品していたな。そうか、マッハの前に、タイ風ウェスタンがあったんだね。
いつの日か本当にジャッキーが共演(競演)してくれたりしないかなぁ。
この映画のタイトルには、ちょいと抵抗がありましたが、中身は実に面白い作品でした。
ストーリーというより、格闘アクションは凄いですね。
たしかに、予告編で「トム・ヤム・クン」なんて見たときには、ずっこけましたよ。まして、映画を見ると、さして必然性のないシドニーを舞台に、そこのタイストリートに、華僑の店があり、それが謎の「トム・ヤム・クン」!
まるで、漫画ですが、難しいことはいわず、アクションに酔いしれました。
『カポエイラ VS ムエタイ』の動きにウットリでした。
あの美しすぎる筋肉、私も欲しい・・・。
ちょっと、総合格闘技系の筋肉とは違いますね。やはり、ムエタイ系というか。でも、日々、猛烈に、訓練しているようですね。
今作は、お金かかってましたね。
格闘技好きの私としましては
長い尺のアクションシーンは
楽しめました。
それにしても、素晴らしい身体能力。
「マッハ」で想定外の興行収入を得たんでしょうね。それを、どーんと突っ込んで、脚色的には破綻するも怖れずに、シドニーあたりに繰り出して、とにかく、面白ければ、と思いつくこと、驚かせること、全部やっちゃえ、と。この「宵越しの金はもたねぇ!」という江戸っ子気質のようなものがあったとしたら、拍手を贈りたいですね。
TBありがとうございます。
タイ映画、あなどれませんよねー!数年前から注目してます。
トニー・ジャー君、いつまでも謙虚さと素直さをもって
怪我せずにがんばってほしい・・・
トニー・ジャーと並ぶスターが、数人出てきて欲しいところですね。
今頃になってのコメントで失礼します。
ボキボキ音は生理的に苦手なのですが、
アクションは本当に素晴らしかったです。
トニー・ジャーは、相変わらず垢抜けていなくて、
それほど演技も上達していなかったですね。
それが、かえって田舎から出てきた兄ちゃん
そのままって感じで良かった気がします。
トニー・ジャーは、しばらくはこの路線を踏襲するんでしょうね。ちょっと、2枚目もコメディも路線としてはとりにくいですからね。
kimion20002000さんの、タイ映画の水準としての視点...全く同意見です!
僕もタイ映画のコメディやホラー、最近のはチェックしてますが...。
T・ジャーの敬愛するジャッキー映画との決定的違いはユーモアがないことだと思いますね。
そうですね。でも、トニー・ジャーがあの顔で、コントをやっても似合いませんしね。
ユーモアの領域は、ベットターイ・ウォンカムラオに任せておけば、いいんじゃないでしょうかね。
ps エコールご覧になられたんですね。私も興味有りです☆
ちょっとピクニックatハンギングロックを連想させられます。
タイ映画は、どこまでホットになるのか、ちょっと、楽しみですね。
ピクニックatハンギングロックは、ピ−ターウィラーでしたっけ、
森の中で戯れる白い服の少女たちという意味では似ていますね。エコールより、もう少し、年代が上の少女たちのような記憶がありますが・・・。
でも、将来的には、もう一つプラスαが無いと
辛そうです
飽きられますからね。
そのあたりは、上手に進化していくだろうと思いますね。
古色蒼然の勧善懲悪映画ですし、観ていて笑いたくなるくらいアクションがすさまじい。アクションそのものは寧ろジャッキー・チェンですけどね。
「七人のマッハ!!!!!!!」はお話はともかく、同じアクションを標準スピードと高速度撮影(スロー)の二段構えで一々繰り返すのがくどくて嫌になってしまいましたが、さすがにご本家ピンケーオはスローを使う意味を良く知っているという印象はあります。映画文法の「てにをは」はまだまだですけどね。
「てにおは」をちゃんとやってほしいという気持と、洗練されてきて、本来のメチャクチャ性が失われていくのが怖いのと・・・・複雑です(笑)
まさか海外へ、しかも都会のシドニーまで行くとは思いませんでした。
なんか、シドニーの空港のシーンを見て、
ちょっと恥ずかしいなーーーー・・
と思ってたら、ジャッキー似の人に出くわしたり・・。
ほんとうにね、田舎でのさえない兄ちゃんなんですね。
香港イケメンアクションスターとは大きな開きが・・・。
でも、いったん怒りを振り向けるや、このイモ兄ちゃん最高のヒーローに変身しちゃうんですね。
TBありがとうございました。
TBがはじかれてしまったので、コメントで失礼させて頂きます。
人身売買、麻薬取引などを行う犯罪組織に単身乗り込むトニー・ジャー!
でも彼が叫ぶのは「象はどこだ!?」
この一貫した感じが素晴らしいです!
象の名演技で思わず泣いてしまいました(涙)
トニー・ジャーほとんど笑わないですからね。
タイでは象は神聖な動物。
これはやはり、ナショナリズムをくすぐる作品でもあるんでしょうね。