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珠洲原発の用地取得に関与した5社、森善朗元首相側に献金

2010年03月10日 | 原子力ムラ・天下り
朝日新聞・2000年05月19日付

珠洲原発用地取得に関与の5社、森首相側に献金 
清水建設など4年で約800万円 

森喜朗首相の地元、石川県で計画されている関西電力珠洲原子力発電所(珠洲市)の用地買収にかかわった企業5社が、首相の資金管理団体「春風会」と首相が支部長を務める自民党石川県第二選挙区支部に、1995年から98年までの4年間で計784万8000円を献金していたことが政治資金収支報告書などから分かった。

珠洲原発の予定地周辺の土地をめぐっては、関電から依頼された清水建設が地元の建設会社などを使って秘密裏に買収を進めていたことが分かっているが、これらの会社の一部が売買時期の前後に献金していた。
なかには暴力団組長と親しい関係にあった会社や、社長が国税当局の強制調査(査察)を受けた会社も含まれ、選挙区支部の幹部の関係会社が用地買収に関与していたことも新たに判明した。

献金していたのは、清水建設のほか、金沢市の建設会社「伊藤組」と同「丸石建設」、福井市の建設会社「森下組」、石川県小松市の建設会社「加賀工建」の計5社。
政治資金収支報告書によると、清水建設と伊藤組は「春風会」に4年間でそれぞれ計144万円、森下組は選挙区支部に96年に100万円、丸石建設は「春風会」と選挙区支部に4年間で計248万円、加賀工建は「春風会」に4年間で148万8000円を献金していた。
関係者の証言などによると、関電は89年ごろ、周辺土地を秘密裏に取得する方針を決め、清水建設に協力を依頼。清水建設は、土地を先行取得していた伊藤組などを使って、計約18万平方メートルを買収した。
伊藤組の前社長(故人)は、一連の土地取得やトラブル解決の実務を、親しい関係にあった石川県の暴力団組長に任せていたという。組長は94年ごろ、土地取りまとめに力を貸した見返りとして約30億円を支払うよう、関電と清水建設に要求していた。

森下組の森下長栄社長は94年、大地主で反対派とみられていた神奈川県の医師=所得税法違反(脱税)の罪で公判中=の土地約8500平方メートルを不動産ブローカーを介して買収。清水建設が用地取得のために設立した会社の関係者に97年に転売し、約1200万円の利益を得た。森下社長は、医師の脱税事件に関与したとして、98年9月に東京国税局の査察を受けている。

一方、丸石建設は、同選挙区支部で支部長代行を務める中川石雄・石川県議(自民)が設立した。同社は85年、予定地周辺の土地約1100平方メートルを買収し、90年にホテル会社に転売した。翌91年、土地の所有権は加賀工建に移され、同社は92年、清水建設の関係会社に転売している。
森首相は、こうした用地買収が進められていた時期に、建設相や原発立地政策を所管する通産相を歴任。地元をはじめ、電力、建設業界に絶大な影響力を持っているとされる。92年には関電会長らが発起人となり、関電秘書部を窓口にした会費制の「囲む会」が企画されたこともあった。

首相側への献金に対し、伊藤組と加賀工建は「コメントできない」。森下組の森下社長は「首相は隣県の政治家でもあり、尊敬しているので献金した。珠洲市の土地は、譲ってほしいという人がいたので譲ったまで。献金と土地売買とは何の関係もない」と言う。
現在も丸石建設の大株主である中川県議は「原発が立地されたときにプラスになるんじゃないかというのもあって買い取ったと思う。しかし、だれに売ったかは知らない」と話している。

◆秘密取得の関与ない――森喜朗事務所の話
いずれの政治献金も政治資金規正法にのっとっての政治献金であり、適正に処理、報告している。原発用地の秘密裏取得などへの関与の事実は一切ない。

◆原発問題とは無関係――清水建設広報部の話
献金と珠洲原発の用地問題とは無関係だ。森首相以外の政治家へも同じように献金している。


2 コメント

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ありがとうございます (696)
2011-07-06 22:02:49
原発問題について論文でまとめるという課題を学校で出されたのですが、テレビを見るだけでは理解しきれない点も、記事を見させて頂けると分かりやすく、まとめやすくなります!!
 参考にさせてください!
696さんへ (ブログ管理人)
2011-07-07 00:22:43
こちらこそ、当ブログを参考にしていただきありがとうございます!情報拡散をお願いいたします。
それから、脱原発を決めたドイツやベルギーの中高校生が学校で国語教材として読んでいる、青少年向け原発事故小説「みえない雲」(小学館文庫)も是非ご一読ください。