原子力エネルギー問題に関する情報

杜撰で不経済極まりない原子力政策が、生存権を脅かし環境を汚染し続けていても、原発推進派の議員を選挙で選びますか?

利益相反問題の公開質問状に「原子力ムラ」から倫理のかけらもなき「回答」が届く!

2012年02月11日 | 原子力ムラ・天下り
「福島原発事故緊急会議」からの情報より、
公開質問状と回答を転載する。

公開質問状は、以下の記事の内容について送ったものである。
結局、この国の原子力政策は「倫理」とは無縁のようだ。


原子力業界が安全委24人に寄付 計8500万円(1月1日、朝日新聞より抜粋)
東京電力福島第一原子力発電所の事故時、中立的な立場で国や電力事業者を指導する権限を持つ内閣府原子力安全委員会の安全委員と非常勤の審査委員だった89人のうち、班目(まだらめ)春樹委員長を含む3割近くの24人が2010年度までの5年間に、原子力関連の企業・業界団体から計約8500万円の寄付を受けていた。朝日新聞の調べで分かった。
うち11人は原発メーカーや、審査対象となる電力会社・核燃料製造会社からも受け取っていた。


【原子力業界から原子力安全委員会委員等への「寄付」に関する公開質問状】

   福島原発事故緊急会議 

 別添の2012年1月1日付朝日新聞、1月12日付東京新聞にて報道された、
原子力業界から原子力安全委員会委員等への「寄付」について、以下、質
問致しますので、2月1日(必着)までに文書による回答を求めます。 

 ここで具体名を挙げられた人たちには、非常勤の公務員としての立場に
あった人が含まれており、私たちは、国家公務員倫理規程に抵触するので
はないかという疑いを持っています。 

注)国家公務員倫理規程


 なお、この質問及び、貴職から提出された回答(回答が得られなかった
場合はその事実)は、一般に公開するものとします。

質問1) 朝日新聞、東京新聞で報道された事実を、「倫理審査会会長」と
して、事前に認識していましたか。

質問2) 報道されたような事実について、倫理規程及び規程の理念に照ら
して、問題のないものと考えますか。理由も含めてお答えください。

質問3) 報道された事実とこのような状況について、「倫理審査会会長」
として、倫理規定第15条にもとづく、「確認」や「指導」、「助言」を行
う予定がありますか。また、その結果を公開する予定がありますか。

上記質問への回答は、郵便またはファックスにて、2月1日(水)必着で
以下に文書でお送りください。

<送り先> 福島原発事故緊急会議
(郵便)〒112-0014 東京都文京区関口1-44-3 信生堂ビル2階
    ピープルズ・プラン研究所気付
(FAX)03-6424-5749


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【国家公務員倫理審査会事務局の回答】

福島原発事故緊急会議 御中

 貴会議から2012年1月24日になされた公開質問状について、下記のとお
り回答します。

 国家公務員倫理法及び国家公務員倫理規程は、国家公務員に対する国民
の信頼を確保するため、一般職の国家公務員について、職務上利害関係の
ある事業者等から金品の贈与又は供応接待を受ける等の事業者等との癒着
が疑われる行為を規制するなどを内容とするものであり、国家公務員倫理
審査会は、この法律等に基づき、職員の職務に係る倫理の保持等に関する
業務などを行っています。

 国家公務員倫理法第2条では、「この法律において、『職員』とは、国
家公務員法(昭和22年法律第120号)第2条第2項に規定する一般職に属
する国家公務員(委員、顧問若しくは参与の職にある者又は人事院の指定
するこれらに準ずる職にある者で常勤を要しないもの(同法第81条の5第
1項に規定する短時間勤務の官職を占めるものを除く。)を除く。)をい
う。」とされており、原子力安全委員会の委員は特別職の国家公務員であ
ることから、また、原子力安全委員会の下にある専門審査会の審査委員及
び経済産業省原子力安全・保安院の「発電用原子炉施設の安全性に関する
総合的評価に係る意見聴取会」の委員は非常勤の委員であることから、国
家公務員倫理法及び国家公務員倫理規程の適用はありません。

 したがいまして、国家公務員倫理審査会として本件についてコメントす
る立場にないと考えています。

 平成24年1月30日
               国家公務員倫理審査会事務局


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【東京大学倫理監督者の回答】

                   平成24年2月1日

福島原発事故緊急会議 御中

                東京都文京区本郷7-3-1

                国立大学法人東京大学  

                        倫理監督者  

               回答書


 2012年1月24日付け原子力業界から原子力安全委員会委員等への「寄付」
に関する公開質問状にてご質問の件につきましては、本件について、教職
員倫理規程に抵触するものとは判断しておりません
ことをご回答いたします。

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【日本原子力学会倫理委員会(委員長 北村正晴)の回答】

福島原発事故緊急会議 御中

  案件:1月24日付原子力業界から原子力安全委員会等への
     「寄付」に関する公開質問状について

 委員会の活動に興味をお持ちいただき、ありがとうございます。
 しかしながら、日本原子力学会倫理委員会は、倫理規程の維持およびそ
の基本精神の会員への浸透を目的とした組織です。そのため、会員内外か
らのすべてのお問い合わせ等に対し、学会組織の活動として個別の事案に
関する調査や意見表明を行うことは責務の範囲を超えております。
 よって、本お問い合わせについても個別の対応はいたしかねます。


                               以上

  2012年2月1日
            日本原子力学会倫理委員会 委員長 北村正晴 


…………………………………………………………………………………

【経産省 原子力安全・保安院原子力安全技術基盤課の回答】

福島原発事故緊急会議 御中

         公開質問状への回答について

 1月24日付で提示された公開質問状に対し、以下のとおり回答します。

 発電用原子炉施設の安全性に関する総合的評価に係る意見聴取会の委員
については、委員就任時に利益相反に該当する可能性のある過去3カ年の
活動について自己申告書の提出を頂き、利益相反に該当しないかどうかを
事務局において確認
し、原子力安全・保安院として委員への就任をお願い
しているものである。

 なお、公開質問状において引用された報道内容については、詳細な事実
関係を承知しておらず、同意見聴取会委員は国家公務員倫理法の対象外で
あり、同法に基づく指導等を行う予定はない。


                   平成24年2月1日
                   原子力安全・保安院
                   原子力技術基盤課
                   (担当:田口、林田) 


……………………………………………………………………………

<以下、本文略。あて先と各倫理規程>

◆経済産業省 倫理監督官 様 (←回答は経産省 原子力安全・保安院原子力安全技術基盤課)        
注)国家公務員倫理規程



◆東京大学 倫理監督者 様           
注)東京大学教職員倫理規程


◆日本原子力学会倫理委員会委員長 北村正晴 様    
注)日本原子力学会倫理規程