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釈迦を超えた、日蓮の仏教

2006年01月06日 | Weblog
「末法思想」というものがある。

釈尊の没後1000年・1500年あるいは2000年を経過すると,仏説のとおりに修行し悟る者がなくなり,それから1万年の間,教法のみが残るという。(誠信書房「新・佛教辞典」)

釈迦(紀元前463〜383)が亡くなって、あまりにも長い期間が経過してしまうと、釈迦の教えにも効力が無くなってしまうのではないか?
という危惧から、末法思想が生じた。
末法思想がはじめて文献に登場したのは、北斉慧思(515〜577)からであり、釈迦自身が末法思想を述べたわけではないと考えられる。

不安な時代が続くと、「世の中はこれでおしまいになってしまうのではないか?」という終末観があらわれる。
末法思想も、この終末観の一つのあらわれだろう。

唐の道綽・禅導は、末法に相応する教えは浄土教のみと主張し、日本の源信・法然も、これを受けて浄土教を広めた。
これに対し、日蓮(※)は、末法では、南無妙法蓮華経と唱えることによってのみ、救われると説いた。

「南無妙法蓮華経」という文句は、法華経の中にすら、見出すことはできない。
仏法僧の三宝のうち、「法宝」に帰依するという意味で、日本天台宗で唱えられたのである。
これを、日蓮はピックアップした。

創価学会では、釈迦の説いた本来の仏教を「釈迦仏法」。
日蓮の説いた思想を「日蓮仏法」(※)として、立て分け、末法においては、日蓮仏法のみに効力があると主張している。

いまから約三千年前、インドに出現した釈尊は、五十年の間、華厳・阿含・方等・般若・法華と多くの経々を説かれたが、最後の八年間に説かれた法華経が最高唯一の法であると説き示されたのである。
しかも、釈尊は、法華経において一切の大衆に皆仏道を成就させたが、釈尊入滅後二千年以後の末法の時代になると「白法隠没」して釈迦仏教はすべて功力を失ってしまうと説いた。白法とは釈迦仏法のことで、これに対して日蓮大聖人の仏法を大白法という。そこで末法の初めには上行菩薩が出現して、本因妙の教主として、末法万年の一切衆生を救う三大秘法の南無妙法蓮華経を建立すると予言した。(「折伏教典」昭和43年版)

あらかじめ確認しておくが、釈迦自身は、経典を一つも残していない。
経典というのは、釈迦が入滅してから、長い長い歴史の中で、仏教の、それぞれの派閥の中において作成されたものである。
ゆえに、どの経典をとっても、釈迦の思想を純粋に記録していると、保証できるものはない。

ただし、常識的に考えられるのは、釈迦の生きた時代から、あまりにも後に成立した経典ほど、信憑性が少なくなる。
逆に、釈迦の生きた時代に、比較的近い経典が、釈迦の思想を反映している可能性が高い。

だから、近代の仏教文献学においては、資料の比較作業の中から、各経典の成立年代を推測する。
その結果、大乗仏典と言われる経典群よりも、原始仏典と言われる経典群のほうが、総じて成立が古く、中でも、「スッタ・ニパータ」「ダンマ・パダ」という散文経典の成立が古いというのが有力な説である。

「釈迦仏教」の内容はいかなるものかと言えば、「スッタ・ニパータ」「ダンマ・パダ」にそれを見出す方法が、最も適切な方法であろうと考えられる。
「スッタ・ニパータ」「ダンマ・パダ」の両方に通じて流れている思想は何か、という問題はここでは触れないが、ともかく、その「釈迦仏教」が、釈迦滅後二千年以上経った末法においては、効力が無いと、日蓮は言う。

この「折伏教典」では、末法や、南無妙法蓮華経の建立を、釈迦自身が予言していたかのように書かれているが、そのようなことが書かれている経典は存在しない。
創価学会は、存在しないものを、存在しているかのように語っている。

また、釈迦が最後の八年間に法華経を説いたという論拠は存在せず、そもそも、法華経自体を釈迦が説いたというのは、仏教文献学に照らせば、極めて無理のある考えである。


※日蓮: (1222〜1282)他宗派を否定して、ただ法華経への帰依を説いた鎌倉時代の僧侶。最高の敬称をつけて、創価学会では「日蓮大聖人」と呼ぶ。

※日蓮仏法:末法においては、釈迦の説いた思想では、もはや衆生を救えず、日蓮の説いた教えでなければならぬ、という思想から、「釈迦仏法」に対し、「日蓮仏法」(日蓮大聖人の仏法」)と創価学会では呼称する。 
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妙法蓮華経 1500年 1000年
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