何気ない風景とひとり言

寺社&石仏巡り、小さな旅、散策...ふと目に留まった何気ない風景...切り取って大切な想い出に!

日本民家園-(5) (川崎)

2017年05月16日 | 史跡探訪-日本編

【神奈川・川崎市】『旧岩澤家住宅』から狭い園内道を上って西門に進むと、三重県の志摩半島の船越という漁村の神社境内にあった歌舞伎舞台の『船越の舞台』に着く。 漁村の歌舞伎舞台としては大きな造りで、直経三間の廻り舞台、奈落、せり上がりのある花道等がある。 案内に従って廻り舞台下にもぐると薄暗い石垣積みの奈落があり、汗にまみれて必死に廻り舞台を動かす青年達の姿を想像してみた。
『船越の舞台』からいっきに園内道を戻って石仏が佇む傍にある『船頭小屋』に。 「招き屋根」で正面が片引き障子の簡素な小さな建物。 多摩川の「菅の渡し場」にあった移動式の建物で、船頭が客待ち・休憩・川の見張りなどに使っていた。
『船頭小屋』から古民家2棟がある「東北の村」に進むと、L字型造りの『旧工藤家住宅』(農家(名主の家))が現れる。 主屋の前隅に馬屋を突出させた造りで、旧南部藩領内で多くみられ「南部の曲り屋」として有名らしい。 シッカリした造りの馬屋のようだが、江戸時代中期に盛んだった南部駒の飼育の名残か。 土間に入ると台所に火棚が設けられた囲炉裏があり、珍しい形の自在鉤が下がっている。
『旧工藤家住宅』から最後となる肝煎の家の『旧菅原家住宅』に向かう。 『旧菅原家住宅』は山形の古民家だが、東北では庄屋(名主)のことを「肝煎」と称した。 屋根に特徴がある建物で、千木が並べられた「クシグラ」と呼ばれる棟、そして養蚕の採光のための高窓や切上窓があり、特に妻面二階の切上窓は豪雪時の出入口になった。 土間に入ると板壁に「ショイ梯子」が下がる。
『旧菅原家住宅』の周りに鎮座する石仏・石祠に、楽しく見学できたことに感謝しながら正門に急いだ。

■船越の舞台(漁村の歌舞伎舞台)(国重民)■ 正面入母屋造桟瓦葺、背面切妻造桟瓦葺..安政四年(1857)建築..旧所在地は三重県志摩市
  
舞台左脇の張り出し部の千鳥破風の「出語り」(下手-花座)..手前に花道がある/舞台の奥正面/舞台右脇の張り出し部の唐破風の「出語り」(上手-太夫座)
 
正面屋根棟の鬼瓦..「若」の字は舞台設立や運営にあたった若者組という伝統的な青年組織の存在を表す/直経三間(5.4m)の回り舞台下の石垣積みの奈落

■菅の船頭小屋(県重歴)■ 切妻造杉皮葺..昭和四年(1929)建築..旧所在地は神奈川県川崎市
  
「招き屋根」で正面は片引き障子の二枚だて/一間四方の前半分が土間で囲炉裏を置き、後半分は床張り畳敷き/船頭小屋傍に立つ2基の道標..菅の渡しで結ばれる多摩川両岸の地域を表示

多摩川の「菅の渡し場」に在ったもの..四方に鉄の輪取り付けられていて担いで移動できる

■旧工藤家住宅(国重文)-農家(名主の家)■ 寄棟造茅葺(左の南面突出は寄棟造茅葺の馬屋)..宝暦年間(1751~1764)建築..旧所在地は岩手県紫波郡

L字型の造りは旧南部藩領(岩手県北半分)内に多く「南部の曲り屋」として有名
 
台所の火棚が吊り下げられた囲炉裏..囲炉裏に下がる自在鉤は鍋や茶釜などを吊るすもの

下座敷前の軒下から眺めた馬屋(奥の南面突出部)

南面に突出した馬小屋

馬屋の南側に建つ寄棟造茅葺の外便所..旧工藤家のものを新しい材料で再現したもの
  
江戸時代中期に南部駒の飼育が盛んだった/馬屋前の左隅に設けられた小便所/外便所の板を敷いた便器

■旧菅原家住宅(県重文)-農家(肝煎の家)■ 寄棟造茅葺(一部二階)で妻入り..18世紀末期建築..旧所在地は山形県鶴岡市
  
採光のため屋根に設けられた平面の高窓/千木が並べられた「グシグラ」と呼ばれる特徴ある屋根棟/兜造りのような妻面屋根の二階の切上窓..豪雪時はここから出入りしたようだ
  
火棚が吊り下がるオメイの囲炉裏/デイにある囲炉裏とはた織機/板壁に下げられた「ショイ梯子」

園内道に咲くツツジ越しに眺めた旧菅原家住宅

園内道の木立の間から眺めた旧菅原家住宅
  
旧菅原住宅傍の園内道脇に鎮座する石仏・石祠..天保五年(1834)造立の駒形馬頭観音/弁才天坐像/石祠
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