名無しの教師の日誌

ある公立中学校教師の教育私論と日記です。

事件は会議室で起きてるんじゃ無い!

2017-08-23 23:13:47 | 教育に関する私論
事件は会議室で起きてるんじゃ無い!現場で起きてるんだ!

とある有名な映画の台詞ですね。

他にも、例えば軍隊を題材にした映画とかで、現場の指揮官が、後方の司令部に対して文句を言う……よくあるシーンです。

何が言いたいかというと、現場と、本来現場を支えるべき後方には、軋轢がある場合が多く

教育現場もそれに当てはまると言うことです。

事象を見る視点が違いますし

そもそも教育職として賃金をもらっている者と、事務方として賃金をもらっている者では価値観も大きく違っているように感じます。

どちらが良いとか正しいとかは、私にはわかりませんので、それはここでは議論しません。

教育の場合

現場は学校や学校の教師であり、現場指揮官は校長や教頭、または教務主任

後方は教育委員会や行政(市町村役場の学校を所管する課、呼称は地域による)ですね。

以下は、私の勤務する「現場」であった事象の紹介とそれに対する愚痴です。

あくまで愚痴だと思って読んでください。私はここでは議論を望んでいません。



・プリンターが新しくなったよ!

学校は市町村立の場合が多いです。

よって、学校の建物や、中の備品は、たいてい市町村の予算で買った、市町村の資産です。

逆に言うと、現場の教師には、備品に対する裁量があまりありません。

例えば、黒板とか机とかは、何を使っても一緒なんですけれど

パソコンやプリンター、これが案外やっかいです。

先日、我が職員室のプリンターが新しくなりました。

新しくなったのだから、さぞ勝手がよくなるだろう……みんなそう期待していたら

ただの改悪でしかありませんでした。

なんと、導入されたプリンターは、初期導入コストが安く、印刷コストが高いという代物だったのです。

学校現場は、原始的な職場です。

いろいろな印刷物が発生します。

それが、プリンターが新しくなったことにより、従来と同じペースで印刷をしたら、確実に予算が持たない
(学校に与えられた印刷予算が増えることはありませんでした)

で、「後方」は、要約すると、「現場の工夫と努力でどうにかしろ」としか言ってこない。

勘弁してくださいよ、です。

また、プリンターのメーカーが変わり、使い勝手が激変し

「前のプリンターでできたあの機能、どれでやるの!?」

という悲鳴が夜の職員室に響きます。

導入されて半年、やっとみんな慣れてきた、って感じですが

これも面倒な思いをしました。



・市教委からの連絡

学校には様々な通達が来ます。

県教委、市教委、市役所から、通知から返答を求める調査まで、まぁ色々です。

これらの通達に対する、正規の処理プロセスが、とてもあほらしい

学校の代表メールに、通達が届く
→係の者が、それを開く
→添付ファイルがあれば、それも展開する
→印刷する
→教務主任、教頭、校長に回覧する
→必要に応じて、他の職員にも回覧する

印刷コストの高いプリンターを与えて、無駄なプリントが出ないように節約しろと言っているくせに

印刷回覧が正規のプロセスですからね。

困ったものです。

一番あほらしいのが

「重要な案件だから、印刷し、全職員の目に触れさせよ」というたぐいの通知。

県からの通知なら、まぁしょうがないと思うのですけれど

市からの通知でこれはアホだといつも思います。

なぜアホかというと、うちの市には、業務用の電子掲示板があります。

業務連絡を紙の掲示板や口頭連絡だけで行っていては、合理性がないから

基本は電子掲示板で連絡し、特に重要なことだけ口頭で連絡する、というものです。

とても素敵だと私は思っているのですが、パソコンを得意としない年配職員は見ようとしないという問題も存在します。

で、この電子掲示板、校内のみの物と、市内の教職員すべての目に触れる物の2種類があるのです。

だから、「全職員見ろ」という通知なんて

その掲示板に載せれば済む話なのですよ。

電子システムや備品は新しくするのに、仕事のプロセスやオペレーションは昭和のままだから

無駄な手間、コストがかかるのです。
(昔は無駄ではなかったのでしょうけど)



・インターネットの規制

職員室のパソコンは、インターネットにつながっていて、ネットサーフィンができるようになっています。

ネットサーフィンと言っても、たいていはニュースを見たり、教科指導上の調べ物をしたり、天気予報を見たりという使い方です。

市役所経由の、公の回線なので、ふさわしくないサイトには、アクセスできないように設定されています。

一言で言えば、フィルタリング、ってやつです。

しかし、このフィルタリングの設定がすこぶるアホでして

うちの自治体だけなのでしょうか、なら良いんですけど

今まで「そこが規制とかおかしいだろっ!」って思ったのを下に書き紹介します。

「ハローワーク」

就職指導の関係で、ハローワークにアクセスしようと思ったら、フィルタリングに引っかかりアクセス失敗。

うちの市的には、ハローワークは不適切らしいです。

「市の図書館」

もうバカじゃねーの、の一言です。

「研修の申し込み」

何だったか忘れちゃったのですけど

ある研修に行けと言われて、その申し込みは自分でやれと言われて

指定された研修の申し込みフォームのURLを入力したら、フィルターにはじかれました。

「ネットショッピング」

これが案外不便です。

公の回線でネットショッピングなんてするんじゃないよ!って話なんでしょうけど

そんなことするわけないでしょう。

こっちは、価格が見たいのです。

例えば、ある備品や消耗品を買いたいと思った。

そしたら当然、それはいくら位なのだろう?と調べますよね。

それをネットで調べようと思うと、規制対象です。



・教員免許状を確認しろ

この間あったことなのですけれど

行政が、我々の持っている教員免許をデータベース化するらしいです。

で、それを外部の業者に委託する。

そのために、現在行政がが把握している教員免許のデータを紙で配るから、確認して

もし何かの間違いでもっていない免許が記載されていれば朱で消し、足りないものがあれば書き足し、免許状の写しと共に提出しろというものでした。

で、笑えることに、この自治体での勤続年数が10年未満の先生は全員、教員免許が1つも登録されていないという状況でした。

おかしいでしょこれ。

私ももちろんですが、全員、教員採用試験に合格したとき、その時点で持っている教員免許は、免許状の写しと共にすべて提出するはずです。

ところが、それは登録されていないから、もう1回写しを出せという。

そうすると我々は行政のデータシステム上は無免許で教壇に立っていたと言うことですかね?

たまにニュースで、教員免許を偽造して教壇に立っていた者が、バレてクビになった、というニュースを耳にしますよね。

どうしてそんなことが起こるんだ?って思っていましたけど

あ、そりゃ偽造しようと思う奴も出るし、それで教壇に立っちゃう奴も出るわ、と思いました。

教員免許には番号があります。

車の免許にもありますよね。

家に帰り、その免許状を引っ張り出し、番号を書き、書類にまとめ、提出する。

明らかに無駄手間ですし、それを取りまとめさせられた教頭先生も気の毒です。



5分から10分程度で終わる程度で終わるような仕事でも

「この程度の仕事、簡単でしょ?」と軽いノリで何個も降りかかってくれば、それは負担になります。

何度も言いますが、我々教師の本務は、子どもの指導とその準備、そして保護者対応です。

事務仕事では無いはずです。

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