若いママから次のような悩みを聞かされることがよくあります。
「子どもを厳しく叱ってしまうことが多いんですが、子どもの成長に取り返しの付かないようなダメージを与えのでは?と心配になってしまう。」
「理想的な親になりたいと子育て本を読めば読むほど、そこに書かれている望ましい母親像とのギャップを自覚し落ち込んでしまう。」
そんなママたちには次のような質問をします。
「あなたは、あなたのお子さんが好きですか?」
その質問には、例外なく、みなさんは、
「もちろん、好きです。わが子ですから。」と答えます。
「だったら、問題ないはずですよ。」と私は、彼女たちに伝えます。
ママだって、感情の生き物。思い通りにならない子育てにイライラして、わが子を怒鳴ったり、時には、うっかり手を上げてしまうこともあるでしょう。
親の言うことをまったく聞かず勝手な行動をしたり、
こちらの思いを無視するような反抗的な態度をとったりしても、
聖母のような慈悲深い微笑みを浮かべ、やさしく応じるなどというF難度かG難度の言動は命がけで練習しても不可能です、じっさい。
理想のママにならなければ、と焦ることが、ストレスになってしまいます。
キホン、「この子が好き」という気持ちがあれば、汗が出るほどヒステリックに怒ろうが叫ぼうが、子どもの心に取り返しの付かない傷を残すようなことはないでしょう。(そのときは、「好き」とは思えないとしても~。)
子どもは、親の気持ちに敏感です。
親の気持ちを正確に感じ取っているものです。
だから、今、ママはこんなに鬼みたいな形相で怒り狂っていても、「ふだんは、自分のことは好き」なんだ、とわかっているから、泣いたり暴れたりのてんやわんやの大騒動の後も、仲直りをして、ママがギュッと抱きしめてくれれば、うそのように上機嫌になるのです。
問題は、どこかでわが子を「好き」と思えないママです。
あるいは、今、目の前にいる「ありのままのわが子」を否定しているママです。
そんなママが好きなのは、自分が思い描く理想のわが子なのです。
子どもは、心の奥で自分が否定されていることがわかります。
どんなにママがやさしくニッコリ微笑みかけてくれても、愛が感じられなければ、底なしの不安が生まれます。
ましてや、そんなママから、ひどい言葉を浴びせられたら、一生消えない傷となります。
子どもにとって、この世に生まれた自分の存在を否定されるほど、つらいことはありません。
その子は、社会的に成功したしたとしても、一生重い十字架を背負うことになりかねないのです。
自己否定感に苦しめられ続けるのです。
自分の居場所を求めてさまよい続けることになるかもしれないのです。
なんとなく生きづらさを感じて生きていくことになるのです。
でも、あなたが、お子さんを「好き」であれば、そのような悲しい人を作ることはないはずです。
とはいえ、どんなにカッカと頭に血が上っても、子どもの人格を傷つけるような言動は控えましょうね。
叱るときは、その行為についてピンポイントで叱るように。
感情が心にわき上がってきた、と感じたら、深呼吸をしてみましょう。
鏡がそばにあったら、自分の鬼の形相を見てみましょう。
「叱る」が「怒る」に化学変化する前に、気持ちを鎮められたら合格!
理想のママを目指す必要はないけど、
ガミガミヒステリックママからは、少しずつ卒業していきましょうね。
むだに疲れますもん・・・