目指せ!映画批評家

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るろうに剣心 京都大火編 ★★★

2014-08-15 14:04:13 | ★★★
るろうに剣心 京都大火編

そもそも、大友監督は龍馬伝の頃から好きな方でした。ハゲタカとかね。各作品での大仰な演出や過剰な汚しはとても好きです。役者にかなりアクの強い演技させたりするところも含め好きだった。るろうに剣心一作目ではかなり酷評しました。詰め込み過ぎ!と。
まー、一作目で詰め込んだおかげで既にキャラクターや背景の説明は済んでいますので、ここからはスムーズな導入が臨める京都編はしかも前後編でやる時点である程度勝算が見込めるようになってきます。新キャラは多いけど、それを説明できる時間も生まれる。
そもそも、原作者の和月氏が思い切り少年漫画へ舵を切ったのがこの京都編です。既に最強の剣客である、という最近流行りの最強スタート(ONE PIECEのルフィとかね。ちなみにONE PIECEの作者は、るろうに剣心でアシスタントをしてたこともある。)である剣心があまりに強すぎて原作6巻まであまりピンチらしいピンチが描けなかったのが、悩ましかったようですが、(石動雷十太の辺りは特にそう)同じく最強である敵を用意し一度は剣心が窮地に立つことで、再度パワーアップを図ろうとするエピソード群なわけです。6巻あたりは描かれていないため、月岡津南も出てきません。相変わらず複雑な部分もありますがそれも含め原作は面白いんですよね。(それを原作者が解説してたりするのもまた面白い)つまり、京都編は剣心の武器パワーアップと奥義の習得、という2段階パワーアップを図るためのお話であり、そのための舞台装置が志々雄真実と彼が率いる十本刀というわけですね。
斉藤一が既に登場しているおかげで彼の神谷道場への奇襲が不要になった分、より自然に京都編の導入部は描かれるわけですが、この辺りも原作よりも自然な展開に仕上がっています。この映画で残念なのは蒼紫と葵屋の京都御庭番集の扱い、くらい。操とか、本当に必要?という感じもする。オミットしてしまっても良かったかもしれない。あ、あと悠久山安慈と左之助のくだりが無かったところとか、宇水がより雑魚キャラに成り下がりそうなところとか、相違点は挙げればキリは無いのですけどね。月岡津南や赤報隊のくだり、弥彦と雷十太のくだりが無いので相変わらずこの2人はどうも軽いサブキャラになってしまっているのはやや残念です。

蒼紫と翁の葵屋での決戦はこの映画の見どころの一つと言ってよいでしょう。蒼紫を演じる伊勢谷友介は40歳、翁を演じる田中泯は68歳!信じられない肉体美で激しい格闘シーンを見せてくれます。どうやらあまりスタントは使ってなさそうなのでそれも驚き。
また、オープニングの斎藤一と志々雄の対決のくだりもかなり良かったですね。お金のかかってそうなシーンです。
新月村のエピソードは中々よい挟み方でした。尖角が割愛されたのも特に問題無し。逆刃刀の折れるくだりがきちんと入っていたので。それにしても、この宗次郎との抜刀術の撃ち合いで思いましたが、やはり飛天御剣流というのは実写化すると重量感というか重みの無い剣技ですね。ある意味、原作通りなのかもしれませんが。この辺り、原作では筋骨隆々の比古清十郎が福山雅治でどう描かれるのかも楽しみです。

京都に入ってからの刀狩りの張との戦いも中々面白かったですね。原作で言うところの薄刃太刀やアニメでも表現しきれていなかった「龍巻閃・旋」が再現されてはいませんでしたが、張の造形の完成度の高さに拍手喝采でした。めちゃ似てる!!漫画から飛び出てきたかのような姿と目付きでした。

肝心の京都大火への流れですが、少し強引さも感じる反面、原作とはかなり違う展開のためどう繋げるかが楽しみです。(原作では煉獄はあっさり撃沈されてしまうので…)

後編次第で評価も変わりそうですが、楽しみにしてます。


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