風来雑記帳

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●米韓FTA締結~南朝鮮消滅への一里塚

2007-04-03 16:56:31 | 世界やぶにらみ(国際問題あれこれ)
◆070403:朝日新聞社説/米韓FTA―さあ、次は日本の番だ
http://www.asahi.com/paper/editorial.html#syasetu2
韓国と米国が自由貿易協定(FTA)を結ぶ交渉が合意に達した。韓国で抵抗が強いコメの市場開放は棚上げしたが、難航した交渉がまとまったことは、内向きの姿勢が目立つ日本の通商戦略を揺さぶるだろう。(中略)両国の指導者を突き動かしたのは、異なる国や地域との経済統合が成長をもたらすという、世界の大きな潮流だった。ひるがえって、我が国はどうか。韓国とのFTA交渉は2年半にわたって中断している。(中略)さらに小泉前首相の靖国神社参拝も重なって、けんか別れとなった。対米交渉をまとめ、「次は日本と」という意欲が韓国側に生まれるだろう。交渉再開のまたとないチャンスだ。(中略)日本は、お隣の韓国や中国との経済連携に消極的な代わりに、東南アジア諸国連合(ASEAN)を中心に交渉を急いできた。APECにも前向きだ。しかし北東アジアの足元を固めてこそ、アジア全体への戦略が生きてくる。農産物の貿易自由化をしぶっているあいだに、日本はアジアでの統合交渉に後れをとったのではないか。周りの動きにあたふたするだけでは、通商国家・日本の名が泣く。

ま、朝日新聞がお茶目なお馬鹿さんなのは今に始まった話ではない。それにしても南朝鮮が米国流のグローバリズムに呑み込まれようとしている事への脳天気な肯定は、いくらスポンサー筋の意向を受けた提灯社説とはいえおバカに過ぎる。

米国が南朝鮮とFTAを結ぶのは、自国の農産物を売り込み、金融サービスで南朝鮮市場を徹底的に絞り上げるためではない。そんな事はとっくに実現している。10年前の金融危機以降、南朝鮮の金融はほとんどが米国のハゲタカたちによって食い散らかされ、輸出主導で必死になって稼いだ南朝鮮の富をせっせと「配当・利子」という形で吸い上げられている。世界に冠たるサムスンもヒョンデも、結局ハゲタカたちに貢ぐ「装置」でしかない。

米国が南朝鮮とFTAを結んだのは政治的なバランスの結果に過ぎない。
南朝鮮は金融危機以来経済はほとんど米国依存になり金融を握られてしまったのも関わらず、政治的には先代そして現大統領と左巻きのお花畑が続いた事によって、米国離れが進行してしまった。こうした政治と経済のねじれ現象によって、国家としてのバランスは著しく安定を欠く事態になった。それが北朝鮮へのスリ寄りであり中国への事大となって、このままでは米国としても南朝鮮を政治的に見放す他はない。その前に、しっかりと米国経済の枠組みに押し込め、継続的にこの先も朝貢させようと言う意図である。
経済的にしっかりと踏みつけている限り、南朝鮮が何処へ漂流しようとも構わない。いざとなれば何時でも潰せるのである。それが今回のFTAの米国側の意図であろう。

南朝鮮にとって米国とのFTAは経済的なメリットは無い。民族左翼政権による政治的な軋轢によって「このままでは米国から見捨てられる」という焦燥感に駆られた南朝鮮経済界の強い意向が働いたのは間違いない。外需頼みの南朝鮮にとって最大市場である米国とのつながりを強化して経済的に安定させようと言う「弱小国家」ゆえの事情も理解出来る。政治的に北朝鮮や中国に取り込まれようとしている南朝鮮にとって、米国経済との結びつきを強化することは、弱小国家としての世渡りではあろうが、果たしてそのような虫の良い「いいとこ取り」が許されるだろうか。

今回の米韓FTA締結が実際に議会で批准され発効されるまでにはまだまだ紆余曲折がある。南朝鮮政府自体、果たして実際にFTAが動き出す数年先にどうなっているのか、流動的で不安定な挑戦半島情勢を考えても確かな事を言える者は一人もいないはず。実際にFTAが発効されて「こんなはずじゃなかった」と怨嗟の声が出るのは間違いない。
少なくとも現在FTAのメリットとして南朝鮮側で上げられている、米国への輸出の増加や国内への外国投資の増加などは、期待外れに終わるだろう。結局FTAはより強大で生産性の高い経済が相手を呑み込む事になる。南朝鮮経済は米国経済にしっかりと組み込まれるだけの事である。

南朝鮮としては米国とだけでなく同時に日本とのFTAも結ぶのが望ましい。米国との二国間関係では圧倒的に力の差を見せつけられるのが、日本を巻き込む事によって牽制出来る。さらには中国ともFTAを締結して、日米中の強大経済圏と一体となって甘い汁を吸おう、という実に千年属国の歴史を繰り返してきた朝鮮らしい国家生き残り戦略である。
朝日新聞社説子はどうやら日本と南朝鮮とのFTAに乗り気なようだが、何も日本が南朝鮮のこうした魂胆に迎合する必要は少しも無い。朝鮮半島の地政学的意味合いが大きく動いている現在、わざわざ消えてしまうかも知れない南朝鮮政府相手に10年先の成果を目論んで動くのはバカである。南朝鮮とのFTAは日本側が譲歩してまで締結する必要は全く無い。

日本がASEANや豪州との連携を重視し、さらにはインドやロシアとの経済関係強化に力を入れようとしているのは、中国を視野に入れた国家戦略である。日本の安全平和を脅かすのは当面中国であり、それに一味して反日民族主義を掲げる南朝鮮と北朝鮮である。そうした「敵性国家」を封じ込めるのは、軍事的方策を持てない日本としては経済的に彼らを牽制するしかない。
国境を接する敵国を叩くには遠国の友好国との絆を深める事が有効なのは戦国時代も今も何ら変わらない、戦略の基本である。

そう考えると中韓とのFTAなどもってのほかだと言う事が理解出来る。
もちろん日本の経済力が相手を圧倒出来るパワーを持っていればFTAは大きな武器になるのだが、どうもそのあたり交渉に当たる日本の政治家がみすみす相手に譲歩しそうで心許ないのである。それならばFTAによる経済の一体化など愚の骨頂と言わざるを得ない。朝日新聞社説子がいみじくも言うように、「周りの動きにあたふたするだけでは、通商国家・日本の名が泣く」のだから日本は中韓の敵性国家とのFTA締結はより一層慎重になるべきなのである。

しかし南朝鮮の焦り具合がなんとも可笑しい。反米反日を掲げた政権がなりふり構わずすり寄る姿は、嘲笑を通り越して悲哀を感じるのは、果たして僕だけであろうか。本当に気の毒な国家である。