ぷ~さん日記

最近おなかがぷ~、仕事もぷ~さんの日記 

原価

2009年11月24日 | ホテル旅館
少し詳しい方なら「原価」といっても色々あり、その範囲も業態や経営方針によって大きく違うことはお分かりと思います。
私が言うのだから、まぁ、ホテル旅館、レストランのものとお考えください。
居酒屋は分からないなあ、想像は出来るけど。

物的原価や人的原価、間接的な原価がありますが、有体に言って原価=原材料費と乱暴ですがくくります、ここでは。

ずいぶん昔に、ある会計事務所で働いており、顧問先の経営状況の判断に原材料費の売上に占める比率の意義を習ったことがあります。
当時は零細の製造業=町工場がほとんどでしたが、私が今書くのは上に書いた業界のこと。
で、その当時の資料でしたが(正確には覚えていませんが)旅館を含めた「飲食業」の売上に占める原材料費=原価は、概ね30%です。
薬局を含めた物販業から見たら、結構低いのです。

これには理由があります。
飲食関係は販売、だけではなく、「製造」=調理がありますのでそれにかかる人件費や水道光熱費、施設減価償却費がありますので、実はこれでもかなりゆるい「原価率」です。
ちなみに当館の基準「原価率」は飲み物を含めて23%。
料理だけなら16%です。
分かりやすく言えば、2万円の宿泊なら朝食を含めて材料代は3200円を基準とします。夕食に2700円、朝食に500円かな?
団体ツアー旅館なら、そんな宿泊代は夢物語ですから夕食に10数%では収まりません。無理ですよね。
あんなツアー料金(旅館代はその半分以下と考えて下さい)で、これで10品も出したら単純に考えても1品で140円しか使えないのです。
そんなの、本当に無理です。
だから団体ツアーは儲からず、粗悪な麻薬のように手っ取り早く売上や稼動を確保できますが、忙しい思いをしても結局は利益が出ず支払いが出来ず、そのような旅館ホテルがどんどんつぶれたりしています。

ちなみに「腕のいい旅行代理店の企画マン」なんて番組がまだアナクロ的にありますが、あれはこの業界をつぶす元凶です。
どんだけ、旅館や立ち寄り店を苦しめているか、自分さえ良ければいいのか!!と言いたいです。

閑話休題

この原価率は、月次決算時には中々キープできません。ロス、や値引きがありますから。
販売方針によって上記のように原価を上乗せしなければならない時も有ります。

この他、販売にかかる原価があります。
そんなの「販売費」だろ?なんて経理が分かる方はいいますが、実はこの業界では少し違います。
固定的な費用としての「販売費」は当然そうです。通信・交通や広告宣伝、販売にかかる人件費などなど。
でも、ここで言う「原価」としての販売にかかる費用とは「手数料」です。
旅行代理店や、「じゃらん」「楽天」などのポータルサイトに支払う「手数料」を原価として見なければ大変危険です。
旅行代理店へは概ね13~16%!!(協会費とかインセンティブとかで他に約3%かかります。(だからバブルの頃の大手旅行代理店の方は高い給料を取れたのですが。。。)
ポータルは8%かな。
ちなみにクレジットは、国観連加盟なら3%程度ですが、そうでなければこれも6~8%かかります。
つまり、じゃらんや楽天で申し込んでクレジットで支払えば、もう10数パーセントの手数料が自動的に支出されるわけです。
すべて売上に乗じて変化する経費ですね。
これじゃあたまりません。

けど、私し的にはこれでもいいかな、と思って今までやってきました。
だって、販売人件費と考えれば安いもんじゃないですか。
変動費だし。

たとえばある旅行代理店経由で年間1億円の売上が有ったとしましょう。
上記の割合なら約2000万円の「経費」です。結構太いなぁ。
ホテル旅館で腕のいい営業マンを雇用するのに、給与を含む人件費は今なら年間800万円くらいかな?
チラシやパンフレットなど、全て、とは言いませんが販促材料や交通費などで年間400万円位はかかります。併せて1200万円。
先ほどの率で乗ずれば最低で「手数料」のかからないお客様を6000万円獲得しなければなりません。これで「チャラ」。
経営に貢献するには、やはり8000万から9000万円の獲得売上が必要です。
手数料のかからない「直接」受注をここまで取れる人は絶無です、と言い切れます。
しかも一回雇用したら、売上に応じて給与や経費を下げるわけには行かない。

余談、余談。
長いなぁ。


こんなことを書き出したのは訳があり。
昨日のテレビで「飲み放題」を言ってた方がトンチンカンな事を言っていたから。


疲れちゃったからまたいつか書きますね。



中途半端だなぁ。

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