対話とモノローグ

        弁証法のゆくえ

スフィンクスの謎と弁証法

2007-06-10 | 案内

 スフィンクスの謎。「朝は四本足、昼になると二本の足となり、夜には三本足となるものとはなにか?」その答え。「人間。人間は赤ん坊のとき這って歩くので四本足、大きくなると立ち上がって二本足、老いては杖をついて三本足で歩く。」これは幼いころから知っていた表現である。オリジナルはどのような表現だったのだろうか。気になって調べてみた。スフィンクスの謎と弁証法が結びつきそうな気がしていたのである。

 「弁証法試論」補論11として、「スフィンクスの謎と弁証法の構造」をまとめた。

 目次は、次のようになっている。

   はじめに  
   1 スフィンクスの謎
   2 弁証法の構造
   3 「4―2―3」という進展の形式
   4 「4―2―3」の例――電磁波の存在
   5 新しいスフィンクスの謎とその答え

 「スフィンクスの謎と弁証法の構造

一つの声をもち、二つ足にしてまた四つ足にしてまた三つ足なるものが
地上にある。
それがもっとも多くの足に支えられて歩くときに、
その肢体の力はもっとも弱く、その速さはもっとも遅い。

おまえがいうのは弁証法、地を這うときは
腹から生まれたばかりの四つの自己表出と指示表出。
時が経ち、二つの混成モメントが立ち上がる。
時が満ちれば、三つ目の「論理的なもの」で身を支え、
重い首をもたげ、老いた背を曲げる。

   参考文献

    ソポクレス・藤沢令夫訳「オイディプス王」 岩波文庫 1967年
    川島重成「『オイディープス王』を読む」講談社学術文庫 1996年


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