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ライバルは外国人 大学、国際人材輩出競う

2014-02-10 10:34:00 | 高等教育

2014/02/10日経新聞より

 

ライバルは外国人 大学、国際人材輩出競う

 

 1月29日、東京・有明の「東京ビッグサイト」。イオングループの2015年の新卒者向け説明会には1000人以上の学生が集まった。

 

 新卒の3分の1

 グループ19社が出展する中、にぎわったのは中国本社(北京)とアセアン本社(クアラルンプール)のブース。学生は英語で現地社員の話を聞いていた。「日本で働きたいけど海外赴任になりそう」。国学院大3年の日本人の男子学生(23)はグローバル化の勢いを感じていた。

 

 同グループには今年、過去最高の3900人の新卒が入社する。3分の1は外国人。これまでは海外のグループ会社に入社していたが、今年は日本の本社にも中国人4人とベトナム人1人が入る。「アジアの人はひるまずに話すのですぐに日本語を身につける。日本で勤めるのに日本人であることはアドバンテージにはならない」。グループ人事最高責任者の石塚幸男氏はこう話す。

 

 海外のインフラ事業を伸ばす日立製作所。日本の本社は主に日本の学生を採用してきたが、12年度から1割を外国人枠にした。インドネシアやシンガポール、韓国などでも本社の人材を募る。

 

 成長を海外市場に求める日本企業。海外法人を持つ日本企業を対象にした経済産業省の海外事業活動基本調査では、海外の従業員数は11年度までに520万人を超え、10年で6割以上増えた。

 

 各国・地域に広がった従業員を管理するには外国人と対等に渡り合える経営幹部が必要。企業はグローバルに通用する学生を採用して幹部候補を確保しようとしている。大学ではふさわしい人材を輩出することをうたった新勢力が台頭している。

 

留学実績に期待

 「G(グローバル)5」と名乗る5つの大学がある。外国人留学生と英語で授業を進め、海外への留学制度が充実している点で共通。グローバル人材を求める企業の期待も高まる。

 

 立命館アジア太平洋大学(大分県別府市)はその一つ。卒業生の就職率は9割を超える。5月までの半年間に受け入れる就職説明会は約450社と、昨シーズンを1割以上上回る。例年12月に説明会を受け入れている早稲田大学の国際教養学部(東京・新宿)も「昨年は約20社の枠を3割ほど上回る申し込みがあった」(就職支援担当)。

 

 G5には以前から留学制度が充実していた上智大学(東京・千代田)と国際基督教大学(東京都三鷹市)も名を連ねる。G5を名乗ろうと音頭を取ったのは、04年に開学した秋田市の国際教養大学だ。

 

 国際教養大の授業は15人前後の少人数制。28カ国からの留学生と日本人の学生が英語で議論する。海外の157の大学と提携し、1年間の海外留学を義務づけている。

 

 年170人程度の卒業生に対し、今年は1月中旬から3月までに175社が秋田のキャンパスで就職説明会を開く。「ここの卒業生は入社後すぐに英語で仕事ができる。応募者は即採用したい」。2月に説明会を開く大手電機メーカーの人事担当者はこう話す。

 

 就職に有利に働くことが支持され、国際教養大の13年の一般入試の倍率は18.8倍と全国の大学の中で突出する。学歴を重視してきた日本の企業の新卒採用。企業のグローバル化は、日本の大学の競争にも変化をもたらそうとしている。

 

 杉本晶子、相模真記、後藤宏光が担当しました。


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