ジョルジュの窓

乳がんのこと、食べること、生きること、死ぬこと、
大切なこと、くだらないこと、
いろんなことについて、考えたい。

と、いうわけで(笑)

2005-06-07 | 乳がん
2004年の夏の事。

私の胸が痛んだ。

それは、明け方、突然に。


kkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkk

まだ 大きくならない、アゲラタム。

‘かっこうアザミ’とも言うらしい。

丈夫で綺麗で可愛くて、花期も長くて、
お気に入り。

KKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKK


ふと 目が覚めた その時、
私の術側、左の胸は 急に激しく痛んだ。

身体を左にひねって 上半身を起こし、
右手で 左の胸を強く掴む。

痛い。

あまりにも、痛い。



隣に寝ている亭主を起こそうと思った。

声が出ない!

あまりの痛さで。



こんな時 私は 
「おかしいんじゃないか?」と思うくらい、
冷静になる。

痛むのは、どこだろう。

心臓だろうか。

乳がんだろうか。

心筋梗塞だったら、このまま死ぬのか。



冷静になったら、痛みのある場所がわかった。

心臓ではない。

(そういえば、心臓は そんなに左よりじゃなく、
 真ん中へんじゃないか。)

これは、この痛みは、
右手でつかんでいる おっぱいそのものが痛いんだ。

大丈夫、そんなにすぐには、死なない。



しばらくその姿勢のままで痛みに耐えていると
だんだん収まってきた。

ほら、やっぱり、死なずに済むんだ。

じゃあ、この痛みは いったい、なんなのだろう。



亭主も起こさず、夜明けの薄明かりの仲で
じっと考える。

そのうち 痛みは消えたが、
乳がんに気づいた時に
私は‘その場所’に痛みを感じて 
自然に手をやったのだし、
すごく不安になる。

それに、凄い痛みだったし。



これは、心臓とか 心筋とかでは、ない。

肋骨の内側には、痛みはなかった。

じゃあ、癌か!?

私の乳がんは 手術で取り除いてある。

大きかったけど、温存だったけど、
全部取ることができたと思う、と
がんセンターの主治医が話してくれた。

取り残した癌があるかもしれないから、
だから、
放射線をかけたんだ。

だから、
取り残した癌は、
左の胸には、ないはずだ。

だから、
これは、
癌の痛みでは、ない。

絶対に。



安心して、
目覚ましがなるまでの 
わずかな時間のウトウトを楽しみつつ、
じゃあ、
これから どうするか、と考える。

放っておいていいとは思わない。

あんなに痛かったんだから。

医者へいこう。

じゃあ、どこへ行くか。

ホームドクターのところか。

大きなアノ総合病院か。

内科か。



内科の診察室に入って、
この胸を見せるのか。

乳がんの手術をした患者が
胸の痛みで 来院したら。

医者も少しは戸惑うだろうな。

いや、かなり びっくりするのに違いない。

乳がんを説明するのが、面倒だな。



来月に入ったら 注射のために
がんセンターに行く。

その時 主治医に診てもらおう。

そう決めて、寝返りを打つ。

亭主はグースカ眠っている。



2004年の6月下旬。

誕生日の翌日の朝だった。

12 コメント

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ジョルジュさんの ()
2005-06-08 13:02:37
今を知っているから、安心して読める。だって今大丈夫なジョルジュさんが居るもの。痛みは不安になるけど、痛いが為に、その部分を意識して、身体の異常を見つけられるから良いようにも思うけど、痛いのは辛いよね。でも来月まで待とうと思えるぐらいに、痛みが消えたのですね。



主治医に身体のこと全部見て貰えれると良いけど、診療科目も細かく分けられて、それだけを専門というお医者様が多くなると、その病気に関しては凄く優秀でも、その病気に関連しない体の不調の時、紹介と言うこともあるでしょうが、やはり新たに良さそうな先生を見つけて行く事になりますよね。紹介があってもやはり、経過の説明もしなければ行けない。病歴の説明するの面倒ですね。だから私も暫く行ってなかった。でもこの辺でホームドクターを持ってないと、いざというときに困るなと思い出かけた次第です。

アゲラタム、私は何となく蒸れてダメになってしまう。可愛い花なのに、相性が悪いみたいです。(涙)



今元気でいるから聞かなくても良いかも知れないけど、その凄い痛みの原因は何だったの?





私もでした (ムーミンママ)
2005-06-08 14:48:54
先日は温かいコメントありがとうございました。嬉しいものですね。これからも時々書き込みさせてくださいな。



ジョルジュの窓の皆さんの世界が好きです。風さんはじめなんだかいいです。風と友達も早速覗かせていただきました。いいなあ。ガーデニング仲間なのですね。よろしくお願いします。



お花をさわっているときは無心になれる気がします。昨日偶然アゲラタム植えました。それからイソトマ、松虫草等々。(名前がわかりません)→ど素人ではずかしいです。

リビングから見える忍者状態でないと通れないような細い庭に植えています。

あまり日当たりが良くないのに頑張って咲いて私をなごませてくれます。



痛みに関してですが、私にも同じような経験があります。深夜テレビを観ていたら突然声も出ないくらい背中?胸?がズキーンと痛く苦しくなったのです。一分くらいだったかもしれませんがかなり長く感じました。

1年半くらい前で冬だったと思います。

その時一回だけだったのですが尋常ではない痛みでした。

今思えばあのころ浸潤し始めたのかも。



私が今までと少し違うしこりに気づいたのは二年前の夏。それまでの健診で乳腺症といわれていたのであまり気にしていませんでした。ようやくマンモを受けたのが昨年七月です。そして手術は9月でした。3.5㎝あったので全摘です。だからかかりつけ以外は行きたくない。



またあの痛みが来たらかなり動揺しそうです。

ジョルジュさんは何ともなかったのですね。



転移、再発怖いですよね。



私の場合リンパ節転移も少しあり、しこりも大きかったので4割はあると覚悟しています。



共存していくつもりです。



ホームドクター (ジョルジュ)
2005-06-08 18:36:50
風さん、

ホームドクター、やっぱりちゃんと持っていると安心ですよね。

でも 人間ですから 相性もあるし、

信頼できるまで時間もかかるし、

難しいのも事実です。

記事の更新は ゆっくりになるかもしれませんから、

回答は翌月の受診についての記事を ゆっくりお待ちください。

共存? (ジョルジュ)
2005-06-08 19:39:16
ムーミンママさん、

3・5センチで大きい、なんてエバらないで(笑)。

私もです。

そして リンパは 14個中、2個でした。

考えれば考えるほど くら~くなるし、不安になるし、

だから、考えません! 考えるのは、止めました(笑)。



これは 恵比寿の整体師に言われた事ですが、

「心配して 良くなるんだったら、いいよ。

 でも、そうじゃないんだから、

 心配しても 悪くなる時は 悪くなるし 

 良くなる時は 良くなるんだから、

 心配しても 無駄なんだから、

 そんな心配は おやめなさい。」

その時私は 関節痛がひどくて 辛くて、

痛む部分が だんだん増えていたのでした。

「このまま どんどん 痛みがひどくなっていったら、どうしよう。」

退院して、放射線治療を終えて間もない私がそう言った時の 整体師の言葉です。

それから 素直な(?)私は 心配するのを止めました。

そして がんの再発・転移も、してから考えよう、と思っています。

(だって、考えると怖いし、心配すると すご~く心配なんだもの。)



ヒトは 毎日 何万個ものがん細胞が生まれているとか。

それを 通常は 自然治癒力でやっつけてるわけですよね。

喜びや 希望や 癒しによって 免疫機能が活発になったり

がん抑制遺伝子が元気になったりする事は

「きっと 多分 そうだ。」と言う段階ではなく、

科学的な事実です。(たぶん。)

体中に散らばったがんが 一日で消えてなくなる、なんていう ウソのような話が、時々はあるらしい。

だったら、目に見えないがんなんか、

私のこの楽天的&能天気パワーで、消してしまおう、と。



そうして、再発したら したで その時は その時、

再発しても元気で前向きながんの先輩たちが いっぱいいます。

そんな人たちに 今 すでに 元気付けられている私です。

お手本にしたい人がいる、というのは 嬉しい事です。

ブックマークの‘micann's Website' のところをクリックしてみてください。

だんじり系のmican さんのところです。

‘Living as a breast cancer survivor' のところをクリックすれば ラテン系とおっしゃるRiel さんのところです。

不安は、みんな、持っています。

明るく振舞えない時もあります。

でも、みんな、フツーの人には想像できないくらい、

元気ですよ!



ムーミンママさん、イソトマも マツムシソウ(スカビオサ?)も大好きです。

いろいろ 教えてください。
そうなんです。 (山八屋)
2005-06-08 21:45:17
私は、ジョルジュさんのサイトにめぐり合えてよかったです。



先輩のがん患者が事実を伝えてくれる。

医者より信用できます。

主治医も良い人で私の周りには良い人が沢山いてくれます。



人生なるようにしかならないのですよ。

再発するかしないか分からないから、温存で手術しましたが、再発するとは思っていないので、なったときに考えましょう。って感じです。
ありがとうございました。 (ムーミンママ)
2005-06-08 22:18:13
えばらして~。温存と聞くとうらやましくてついひがみが出てしまうのかもしれません。

少し文が暗かったですかね。絵文字入れたら明るくなるかしら。無理?初めてなもので。ごめんなさいです。







そうですよね、私の友達なら性格知ってるから

驚かないかもしれないけどジョルジュさんは初めてなんでした。自分が前から覗いていたので分かり合えているような気がしていましたよ。おばかさんですね。せっかちでおちょこちょいなもので。優しいジョルジュさんに心配かけてしまいました。



私明るいんですよ。人にも言われます。

ちなみに北斗似です。



どうしても死ぬ気がしないんです。

再発、転移=死とは全く考えてはいません。



ミカンさんやリエルさんのところも

ジョルジュさんにたどりついた時に覗かせて

いただきました。ジョルジュさんとこは、これだ!って嬉しくなったんですよ。何だかほんわかしていて。



患者だからって24時間病気のこと考えている訳じゃないんですものね。

好きなことをして元気で過ごしたいです。



でも調べれば調べるほど私の場合、転移再発は逃れられないことなんだなあと…実は告知されてもあまり動揺しなっかったんですよ。治ると信じていたので。温存も出来ると思いこんでいたのでホント前向きでしたよ。落ち込んだのは温存が難しいとわかった時。



と言っても眠れなかった夜はないアホな私。母親に毎晩眠れていると言ったらかなり安心していました。

母も妹も不眠症気味なのに私は寝付きいいんですよ~。



セカンドオピニオンを受けた病院の帰りに買ったのが『再発後を生きる』だったものでかなり

早くから腹をくくりましたよ。どんと来いって感じです。すると思ってたよって強がりたい。





思うように家も片づかないし恥ずかしくてまだまだあの世に行けません。



遊びは大好きで月曜も休校日の娘とTDSに行ってきたんですよ。さすがにウィッグなのでコースター系はあきらめましたが。ピューっと飛んで行ったら見つかりそうもないですものね。想像すると笑えます。



ガーデニングに関してはこちらが教えて頂きたいです。お花の名前さえまだまだ知りませんから。よろしくです。



それから私もリンパ2個ですよお。(あら、また喜んじゃった。)リンパ転移ないと思われていたのですが開けてみたら転移があったというわけです。

残念っ。
山八屋さん、 (ジョルジュ)
2005-06-09 21:41:24
医者より信用できるかどうか、は・・・。

ウソは、書いてないつもりですが、

癌というヤツは、ほんっとうに! ひとそれぞれ、

顔や指紋と同じように、違うみたいですし。

主治医の先生ほか、いい方々に恵まれてらっしゃるのでしたら、

山八屋さんは、幸せですね!

がん患者が幸せ、って、矛盾しないと思うんですよ!

私は元気ながん患者でいるつもりですし。

「周りに良い人が沢山いてくれる」と感じ取れる山八屋さんの

人柄の素晴らしさを 今 私は 感じています。
ムーミンママさん、それじゃあ、 (ジョルジュ)
2005-06-09 22:01:24
私とおんなじ性格じゃあ御座いませんか!(笑)

リンパ、残念!でしたね。

私もです。(喜んでなんか、いませんよっ

北斗似? あたあたあた~って、あれですか?

ムムムムム・・・(笑)。

びゅ~~っと飛んでったウィッグが ビッグ・サンダー・マウンテンみたいな場所だと、引き上げられた時には 水クラゲ!

止めといた方が無難でしょうか。

温存に関しては、本当に温存でいいのかどうか、

医師によって判断が違うようです。

リンパ節転移など、リスクが決して低くはないので、

全摘&抗がん剤、というのが 多いように思います。

主治医がいいっつったんだから、きっと、いいんでしょう!

高齢のために 温存しても放射線療法をしなかった人には 再発等があったらしいですが。

でも、きっと私は大丈夫です。

残ったがん細胞は 身体の中から 笑い飛ばしてあげます!

温泉に入った時には おっぱいが わずかでも残っていてよかった、

と思いました。

この点に関しては うらんでも ひがんでも いいですよー。

全摘を 納得して より リスクの少ない方を 自ら選択した、と

思っている人たちも 本当はきっと悔しい気持ちがどこかにあるけれど、

「これでよかったんだ」と自分に言い聞かせている部分があるように思います。

温存の人も 温存でよかったのか、全摘の方が リスクが減ったのではないか、と 自分の選択に 不安を感じながら これから生きていくわけで。

やっぱり 私は 私の選択で、これで よかったんだ、

と思いながら 生きて生きたい!

あー、また 長くなっちゃいました。

きのうは、北朝鮮戦が始まっちゃったんですよね。

きょうは、大丈夫。早寝します。
癌の顔 (山八屋)
2005-06-10 13:39:00
私の癌の顔つきがおとなしいので、顔つきの悪い癌より放射線がきかないかも知れないようなことを言われました。

癌の顔ってどんなんだろう。

でも、温泉の話は同感です。

自分が決めたことだからまんぞくしてます。



主治医は色々経験していて患者の気持ちを分かる努力はしてくれているとおもうけど、男には、複雑な女心は分からないと思う。

病状が一人ひとり違うように、感じ方だって人それぞれなわけだし、



ジョルジュさんのような先輩の一言に、救いだったり、安心感だったりを感じ、じたばたせずに、私だけじゃないんだと言う気持ちで、私も明るいがん患者をしています。

信用ってそんな感じの意味。



ムーミンママさん

ネットで時々お邪魔するページは、こっち側の自分が見ているだけなのに、すっかりお友達になった感じって否めませんよね。

私もそうです。

ずーと前からの知り合いのような感じです。

癌の顔? (ジョルジュ)
2005-06-10 15:12:58
どうも あんまし いい顔してないみたい。

カルテに貼ってあった切り取った癌の写真を見ても

可愛くないし。



こういう場所で知り合って お付き合いが続いていく、

というのも、悪くないですよ。

私の窓で 交流が生まれるなんて、嬉しいです。

どんどん ここで おしゃべりしてってくださいね。

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