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足水



香山桂子です。

夏ってこんなに暑かったかな?と純粋に疑問?
ここ数年の夏の暑さは"いやらしい"感じがします。

上手く言えないけれど
明らかに子供の頃に体験した夏の感覚とは違うような。
気温の上昇だけでなく紫外線による皮膚感覚の不快感もあるかもしれないなと感じています。

WHO(世界保険機構)の発表ですがオゾン層が1%減ると紫外線量は2%アップし、それに伴って活性酸素によるDNAの損傷が3%上昇
皮膚ガンは3~6%増加すると言うことです。怖いことですが現実のようです。

最近は医師の書いた本や健康系雑誌でも、病気の原因の90%は体内の過剰な活性酸素の発生と言われています。

過剰な活性酸素の発生は紫外線量の問題だけではなく、化学的、生物学的、心理学的、社会的ストレスなど多様なストレスの上で起きてくるものだと思いますので、私達、個々がストレスに対する自発的対策が重要ですね。

そこで私の自発的対策、セルフヒーリング・・・

暑さをしのぐためにも
冷房嫌いの私が取り入れている自然療法ですが
足湯ならぬ足水です。

神経のリラックスを促してくれるマグネシウム30%の死海の原水と冷涼感を与えてくれるペパーミントの精油、庭に生えている生命力強靱な日本ハッカ・・・活性酸素を強力に除去してくれるフレッシュハーブをブレンドしての足水。

ひんやりして心地よい皮膚感覚と
精油のやさしい香りで嗅覚が満たされます。

忙しいからできないなんて言い訳せずに
忙しい方ほど積極的にセルフヒーリングしてくださいね。

サムウォーク



香山桂子です。

親指の第一関節を曲げ伸ばししながら芋虫のように這う。
リフレクソロジーでは重要なテクニック、「サムウォーク」。
サムは“親指”、ウォークは“歩く”

これがなかなか難しい・・・。

第一関節を使わず親指が伸びて、第二関節で曲げ伸ばしをしているので、指に負担がかかる悪い例・・・・。

不自然な動きなので、受け手も全然リラックスできません。
それを指摘しているところです。




第二関節に角度をつけて脊柱の反射区を施術していく感覚がつかめたようです。



サムウォーキングをバックする(後ろに進める)応用編。
またまた第一関節が伸びてしまっています。
この状態を続けていたら腱鞘炎になってしまいますね。

腱鞘炎になると半年以上は痛みや可動域に問題が出てくるので
気をつけなければなりません。



人様の身体に触れることって本当に責任重大です。
触れることが当たり前と思ってはいけませんね。
自分の心の有りよう、勉強不足や癖が
指先からみんな伝わってしまうのですから・・・。

本当に怖いことだと思います。安直なものではないんです。
だから学びがい、やりがいがあり、深い歓びがあります。

プロ養成講座



香山桂子です。
「ホリスティックヒーリング フットセラピー プロフェッショナルコース」、7日目になりました。
今日は理論をお休みして受講生の皆さんのテクニックをチェック。自主トレの成果もあり、かなり上達しています。



グラウンディング、センタリング(下に説明)を常に意識しながら施術練習。触れるという行為は行い手が無意識になると単なる作業で終わってしまいます。それが受け手に伝わってしまうある意味怖いコミュニケーションです。

セラピーを受けなれている敏感な上客様ほど厳しい視点をもっていらっしゃるので、単にこった筋肉をもみほぐす・・・では満足いただけません。施術の練習に入る前から、受講生は常に呼吸や瞑想的な立ち居振る舞いを学びます。



ほぐし屋さんで終わらない「ホリスティックヒーリング フットセラピー プロフェッショナルコース」ですから、厳しく多次元的な学びを要求します。プロ養成講座ですから当然です。覚悟してかんばってください。

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グラウンディングは、グラウンド(大地)+ing。
大地に根づくことです。現代の都市生活者の多くは、土を踏むことなく生きます。アタマを使うことは必要とされますが、大地に根づくなんていうことを必要とはされなかったかも知れません。素早く計算すること暗記することテキパキ行動することは教えられても、グラウンディングなんて、誰も教えてくれなかったかも知れません。
でもセラピストには絶対に必要です。禅やヨーガや太極拳にも必要です。弓道、柔道あらゆる武道、華道、茶道、能楽そして水墨画を描くにも書を描くにも必要でした。

現代はアタマ偏重の時代ですから、重心が定まらずフラフラしやすい。フラフラ、ヘニャヘニャ、ガチガチではカラダが安定せず、手も指も安定しません。すると受け手はそれを感じ取り、不安になります。セラピストを信頼できない、つまり心を許せません。するとセラピーはごくごく表面的な浅はかなものになってしまいます。

地球の中心に向かって錨(いかり)をおろす感じで、しっかりと重心を安定させましょう。荘子は足の裏で呼吸すると言いましたが、足の裏に意識を向け、上半身のチカラはゆるめリラックスしましょう。

センタリングはセンター(中心)+ing。
自分の方がセンスがあるとか上達しているとか、ヘタなので落ち込むといったアタマのつくりだす思考や感情のゴタゴタにまきこまれず、自分の中心にチューニングしましょう。そこには静寂と歓びがあります。セラピーをするときには、そこに帰りましょう。そこが私たちの本質です。

サッカラ遺跡の大先輩



エジプトのサッカラ遺跡(紀元前2300年)で発見された医師の墓にあった壁画の復元図。今から4300年も前の大先輩ですね。足や手に施術しているところです。背後に描かれたフクロウは知恵と学問を意味し、三羽の白い鳩は平和・健康・繁栄を意味するという。当時、外科的手術で使用していた道具も描かれている。

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香山桂子です。

大分県の内陸部に移り住んで12年。
田舎ならではの閉塞感や不自由もありますが
どこに行っても100%自分の都合の良い所なんて絶対にない!
「置かれた場所で頑張るしかない」と痛感する毎日です。

豊かな自然環境が与えられ、自然と調和する生き方ができることは、30年続けてきたヒーリングの仕事に大いにプラスになっています。大自然がインスピレーションの絶えまない源となっていることに、深く感謝しなければならないと感じています。

世界各地で古くから行われてきた民間療法・・・レイキヒーリング、マッサージ、ハーブ療法、タラソテラピー、鍼灸、食事療法、入浴療法、温熱療法、呼吸法、瞑想法等は近代以前は医学の領域でした。

近代医学(西洋医学)が発達するにつれて、その様な民間療法の多くは非科学的であると否定されました。

けれども近年、欧米先進国の西洋医学が、非科学的であるはずの伝統医療、自然療法、民間療法を認めて医療の現場に取り入れる大きな潮流が起きています。そのような流れを受け、アジア各国も競うようにして、その国独自の自然療法を国が保護育成し、ヘルスツーリズムに生かすような動きが生まれています。

日本も近いうちにそうなると考え、医療現場やヘルスツーリズムの現場で採用されるほどの人材を育成したいと希望し日々励んでいます。4300年前の大先輩に負けないように。

フットセラピー・トレーニング



香山桂子です。
先月からスタートした「ホリスティックヒーリング フットセラピー」のトレーニング。頭に多くのエネルギーを使ってしまう現代人にグランディングと身体のバランスをもたらすセラピーの勉強です。



アキレス腱を伸ばしたり縮めたりのストレッチ。
運動不足の方にはとても気持ちの良いストレッチになります。



スパイナルツイストというテクニック。
背骨の反射区に適度な刺激を与えて癒しのメッセージを送ります。



鼻、頭部、目、耳に働きかける「トウブギー」というテクニック。
通常は触れることのない指の側面まで意識的に施術します。

むくんでいる状態さえ気づかず
これが自分の足の形態だと思いこんでいる方がほとんど。
「私の指ってこんなにスマートだったんだ!」
「指と指の間にすき間ができている~」

そうなんです。
意識を向ける一つの手段としてセラピーを受けると
体は本当に正直に本来の自然な状態へと応えてくれるんですね。

心は複雑で変更に時間がかかりますが
体の反応は早いなーとフットセラピーをしていて痛感します。

フィトケミカル



私たちが子供のころ、「脂肪・たんぱく・炭水化物」と習いました。
それが三大栄養素でした。
それからビタミン・ミネラルが重視される時代になって
五大栄養素と言われました。

今はその五つに水と植物繊維を加えて七大栄養素とも言われます。
水を入れずに、フィトケミカルを加えて
七大栄養素と言われることもあります。

私はぜんぶをひっくるめて八大栄養素という意見に賛成です。
1.炭水化物(糖質)
2.たんぱく質
3.脂肪(脂質)
4.ビタミン
5.ミネラル
6.水
7.食物繊維
8.フィトケミカル

フィトケミカルは、植物が厳しい環境や紫外線や害虫から身を守るために体内で作り出した物質です。抗菌作用、発がん抑制、老化防止など様々な効能が知られています。近年世界的に注目を浴びていますが、実は原始時代から人類はこれを利用してきました。約六万年まえのネアンデルタール人の墓から発見された八種類の植物花粉のうち、七種類の植物を今日でもハーブ療法家が利用しているという。

この『病気が消える習慣 体を強くするハイパーフィトケミカル』という本は、現代医学のお医者さんが書かれた本で、彼は日本で初めての「ハーブ専門外来医」だそうです。とうとうそんな時代になってきたのだと思いました。原始時代、古代文明の時代から伝承されてきた植物療法(フィトセラピー)が現代医学に取り入れられる時代がです。

ドラゴンフライサマー



久々の晴れでした。
エンジェルファームの菜園は豪雨にめげず
以前に増してたくさんの生き物の姿。
特にこのナツアカネの姿が急に増えていたので歓びました。

トンボは英語でドラゴンフライ。ドラゴンのようなハエですね。この季節にこの姿を見ると、毎年マイケル・フランクスのドラゴンフライサマーを思い出します。





エゾミソハギの花にモンシロチョウ。
エゾミソハギはたくさんの昆虫を呼ぶ蜜源植物です。
庭に一株あればバタフライガーデンにできます。



一文字セセリ。



ツマグロヒョウモンチョウ。

豪雨や台風や地震や津波による災害は、日本の歴史のなかで何度も何度も繰り返され、その都度みんなで協力しあってそれをのりこえてきたのでした。

けれども原発事故で放射能汚染されるというような事態が起きたら、今までのような努力ではのりこえることはできません。今回ここ竹田は豪雨による災害だけですみましたが、これにもし放射能汚染が重なったとしたら、どれだけ絶望し打ちのめされることでしょう。どんな努力をしても虚しいだけです。ここから立ち去るしかありません。福島のひとたちの悲しみや悔しさはいかばかりかと思います。やはり原発はやめるべきだと確信します。

竹田豪雨



早朝ものすごい豪雨&カミナリでした。
エンジェルファームは被害ありませんでしたが
自治会内の立派な石垣が崩壊し
一部、車道にも転がり落ちていました。
人や車にあたらなくてよかった。

昨年から自治会長職を務めているので
市役所に連絡すると総務課にまわされ
災害の連絡がいっぱい入って、てんやわんやの状況であることが伝わりました。今は何もできないので、地域住民で何とか危険のないように応急処置してほしいという返事でした。



そのような返事でしたが結局、市役所から体格のいいお二人がやって来て、車道に落ちた岩を安全なところまで移動してくれました。



実は石垣の前に農業用水路があるんですが
これが岩と土砂で完全に埋まってしまいました。
今は大水のことが心配ですが、じきに梅雨があけて
今度は水の確保が最重要課題になります。
水路が使えないようでは田んぼが干上がります。

農政課に連絡すると夕方、職員が視察にきてくれました。
40万円以上の工事費がかかる被害でなければ
市の補助は得られないとの説明を受けました。
この規模だと40万円かからないそうです。

そして地区の水路組合も、組合費(水利権維持費)を工事費に当てるわけにはいかない。土地の所有者が工事費を負担しなさいという方針。

そうなると、土地所有者が全額この工事費を負担しなくてならない。水路から岩と土砂を除去するのは、15万円くらいですむとして、石垣を組み直すと700万円から1千万円かかるという。石垣をやめてコンクリートで固めるにしても、そうとうな大金になるらしい。

ところがこの土地はもともと個人の所有地ではなく、古い石仏を祀っていた共有地でした。時代の変化でみんなが抜けていき、残った二人が共有しているかたちになっている。個人の家とか庭みたいな所有ではないんです。だからそんな大きな負担をするぐらいだったら、この際、共有地のメンバーであることをやめたいと言われました。

さあそうなると誰が岩を撤去するのか、誰があの崩落面をコンクリートで固める工事をするのか?



エンジェルファームは少し高台にあって洪水の影響は全く受けないのでわからなかったのですが、少しドライブしてみると近くを流れる稲葉川は危険水域に達していました(このときはすでに水位は落ちていますが)。朝9時ぐらいに雨がやんでくれたおかげで助かりました。雨が止まなかったら悲惨な事態になっていたでしょう。写真の右の岸を拡大したのが下です。



いたるところが崖崩れをおこし道路が寸断されていました。

エコ派台所用洗剤



エンジェルファームで約10年使ってきた暁石鹸株式会社の「オリブ キッチンソープ」。台所用石鹸だけでも、ありとあらゆる石鹸を試しましたが、これは優れものですね。油モノにも強いし、けっして合成洗剤に劣っていないと思います。

「石鹸で台所の食器洗いができるの?」と思われるかたこそ
お試しください。
http://www.live-science.com/honkan/beginner/starter.html



状況に応じて昔からある液体の「ヤシノミ洗剤」も利用します。
環境のことを考えての選択ですが、化学物質過敏症の桂子の選択肢としても合成洗剤は却下でした。



上記に加えて重曹(炭酸水素ナトリウム)も利用します。



お湯+重曹を霧吹きに入れ常備しています。
台所以外、住まいのあらゆる汚れに活用します。
意外なことに重曹少量でも汚れが落ちます。



台所の電子レンジの油汚れです。



上記のスプレーをシュッ。



布巾で拭き取ると簡単にきれいになります。
けっして不便なことはありません。

甘い真珠



香山桂子です。
地元竹田市菅生(すごう)の佐藤さん(七ツ森農業)から待ちに待ったトウモロコシが届きました。糖度17度というフルーツ並みの甘さ・・・。

繊細で努力家の佐藤さんが自然界との共同作業によりできた芸術作品です。その名も「ハニースノー」と「ピュアホワイト」。



美食家の父に育てられた私は何を食べてもそう感動しない。
食に関して生意気な所があるのですが、愛情や努力を惜しまない佐藤さんの「ハニースノー」と「ピュアホワイト」は宝石のような実がつまっていて感動もの!! 大切にいただきたいです・・・。佐藤さんと自然界に感謝しながら。

セリ



エンジェルファームの中庭のセリの花にとまるベニシジミ。

今頃になるとセリの葉はかたくなって、私たちの食用には向きませんが、花が咲いて昆虫類の蜜源になります。その昆虫たちが植物の受粉を助けてくれます。

みなさんはご存知でしょうか?
実はセリはそうとうな、つわものです。
春さきにスーパーで売られているセリは
温室水耕栽培の可愛い人ですが
生育適地であるやや湿り気のある土で育つと
猛々しく繁殖する怪物です。

せりあうように育つ様子から「セリ」という名になったといいますから、本来温室育ちのひ弱なタイプではないんです。日本人が縄文時代~弥生時代から利用してきたこういう野性味のある野菜・ハーブにもっと脚光があびるようになってほしいと思います。健康のためにです。温度管理、光量管理、水管理をコンピュータに任せ、サプリメントみたいな肥料だけで育つようなセリは、縄文人や弥生人が食べたものとは別物と考えるべきです。日本食文化史とともにあったセリとは別物です・・・

感謝



香山桂子です。
大雨が続いたので菜園の状態が心配でしたが
いくつかの野菜が倒れていたものの
ほとんどの野菜はしっかりと大地に根を張って
花や実をつけていました。

農薬や化学肥料を一切与えていないピーマン。
悪天候にもめげず、カメムシもつかず
本当に色つや良く香り良く成長しています。

竹田の直売所で買えば一袋\100程度のピーマンですが
意識を向け愛情を注いだ野菜は
成長のプロセスを知っているだけに
料理する際も感謝の気持ちでいっぱいになります。

そのプロセスゆえに感謝が生まれ口に運んだお料理は
体にすばらしい生命エネルギーを根付かせてくれると感じています。

自然を観察し探求し洞察し、実践する・・・
そのことによる自然界の恵みが私たちの健康の源だと思います。



ふかしておいたジャガイモ(エンジェルファーム産)と
生のピーマンをオリーブのエキストラヴァージンオイルでさっと炒め、雑穀米入り(米・胚芽押麦・もち玄米・発芽玄米・もち麦・
もちきび・黒大豆・ハトムギ・もちあわ)の塩麹であえます。火を止める直前に刻んだバジルの葉を和え・・・
これで出来上がり。

素材の味を生かしたさわやかでヘルシーな夏野菜のレシピです。
黄色い花はエンジェルファームの前庭のナスタチューム。

セルフヒール



エンジェルファームの前庭で雑草化しているセルフヒール。
その花にとまるモンシロチョウのメス。



モンシロチョウのオス。
羽の外側がやや黄色いのが特徴。



ちょうど1ヶ月まえ、6月6日、咲き始めのセルフヒール。

17世紀イギリスの高名なハーバリストでありアストロロジャーであったカルペパーは、けがをした時に自分で癒すことができるからセルフヒール“自己治癒”という名前がついたと説明しています↓



10数年まえ、「セルフヒール」という名前にひかれて、種を取り寄せて大切に育ててみました。花が咲いたとき、この同じ花が近くの山道や久住高原に自生しているのを発見して驚きました。日本ではウツボグサと呼ばれ、西洋種のセルフヒールはセイヨウウツボグサと呼ばれます。厳密にはほんの少し違いがあるようです。今エンジェルファームの前庭に雑草化しているのは日本種のウツボグサです。梅雨が終わったら刈り取って乾燥させる予定です。生葉は傷薬として使われてきました。

タラソテラピー (2)



『海水効用論 付 海浜療法』・・・
自然療法を研究する私たちの領域です。

エンジェルファームの自然療法では、死海(イスラエルの湖・デッドシー)の原水、塩、海泥を活用します。

そういうこともあって日本のタラソセラピー(海洋療法)を知るため
これを読みたい。アマゾンで買おう! と思ったら無いです。
無理もありません、明治13年(1881)の著作です。

著者の後藤新平は当時、愛知県病院長だったそうです。
愛知県常滑市に治療目的の海水浴場を開いたのが1881年。
浴衣姿で海水に漬かるだけで泳いだりはしなかった。
つまり温泉湯治するのと同じだったんです。
「塩湯治」と言われた。

司馬遼太郎の「坂の上の雲」の時代です。
著者・後藤新平は医師出身ですが、台湾総督府民政長官。満鉄初代総裁。逓信大臣、内務大臣、外務大臣。東京市第7代市長、ボーイスカウト日本連盟初代総長。東京放送局(のちの日本放送協会)初代総裁。拓殖大学第3代学長を務めた、あの時代らしい怪物です。

『海水効用論 付 海浜療法』は後藤新平の若い医師時代の著作です。
ネットに目次がありました。

海水浴及ビ海浜療法
 波動
 温度
 化機的成分
 空気
 海水浴ノ直達作用
 海水浴ノ治療上一般ノ功用
 海水浴ノ応用症ヲ論ス
 海水浴ノ禁忌
 海水浴ノ用法
 海浴
 温浴
 灌漑法
 膣内注入法
 灌腸法
 内用法
 浜砂浴
公私衛生上ノ注意
 浴場ノ選択
 浴ヲ行フニ適セル季候
 浴地ニ赴ク旅中ノ注意
 飲食摂生及ヒ浴場医士
 運動遊戯
 浴場及ビ療養地ニ係ル衛生警察的主催ノ権限及ビ「モール」氏ノ所説

何としても読みたいです。
明治維新後の日本の海水浴はこうして西洋医学の医療として始まったんです。 何か「膣内注入法」とか「浣腸法」という内容もあります。

この時代の医療としての海水浴についてWikipediaが列記しています。

1880年 - 沙美海岸(岡山県倉敷市玉島)に医師=坂田侍園の薦めで、海水浴による療養施設の為の仮小屋が建設される。
1881年 - 兵庫県須磨海岸にオランダ人医師W・ハイデンによって医療目的の海水浴場が設置される。
1881年 - 医師だった後藤新平が愛知県常滑市大野海岸 千鳥ヶ浜に海水浴場を開く。
1882年 - 沙美海岸に本格的な海浜病院を建て、村営海水浴場開設。
1882年10月9日 - 三重県伊勢市二見町の立石浜、オランダ人の医師ポンペからオランダ医学を学んだ初代軍医総監の松本順によって日本最古の海水浴場として国に指定。
1884年 - 三重県二見の旧二見館前に海水浴場が移設され、二見館に海水温浴設備が設けられる。
1885年 - 内務省初代衛生局長=長与専齋のすすめにより鎌倉由比ヶ浜の三橋旅館が海水浴場を開設したことを東京横浜毎日新聞で広告。
1885年 - 軍医総監の松本順が、健康法の一つとして神奈川県の大磯海岸照ヶ崎海岸を海水浴場に認定。当時は「湯治」のように、ただ海水につかったりあがったりを繰り返すだけだったようだ。しかし、まもなくレジャーとして発展し、1898年に発表された『鐵道唱歌』には、「海水浴に名を得たる、大磯見えて波涼し」の歌詞が見られる。

明治維新後、医療として始まった海水浴がレジャーになっていき
塩湯治は医療でなくなるわけですね。
それはおしいことだと思います。
医療として復活させましょう。

タラソテラピー (1)



左、フランスのサイクリスト、ルイゾン・ボベ(1925~1983)。

100年以上の歴史を持つ自転車レース「ツール・ド・フランス」の
歴代優勝者を見てください。
http://www.d4.dion.ne.jp/~warapon/archives/sports/cycle_france.htm

ルイゾン・ボベは、1953年54年55年と
三年連続優勝をとげています。
当時大変な賞賛を浴び、栄光に輝いた・・・


ツール・ド・フランス1954年

ところが1960年、自動車事故をおこし大腿骨を骨折。
治療は長引き、医者は見放したという。

栄光から絶望へと転落したとき、タラソテラピー(海洋療法)に出会い、これを試みたことによって傷を癒した彼はよみがえり、栄光の自転車レーサーはタラソテラピーの普及活動に専念するようになります。そのことによって、彼は実業家として大成功をおさめたのでした。
↓1969年の映像です。
http://www.youtube.com/watch?v=5IOjA8ivNE4&feature=player_embedded


「ツール・ド・フランス」三連続優勝の栄光に輝いたこのルイゾン・ボベこそがタラソテラピーが世界に普及するきっかけをつくった人物なんです。

ですから「ツール・ド・フランス」の影響で生まれた「ツール・ド・国東」の国東半島がタラソテラピーを採用するストーリーは、すでにできています。美しい海を、優れた医療として活用しましょう。
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