ほそかわ・かずひこの BLOG

<オピニオン・サイト>を主催している、細川一彦です。
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ヒラリー・クリントンのEメールから浮かび上がった重大事実

2016-11-20 09:39:39 | イスラーム
 米国大統領選挙でドナルド・トランプに敗れたヒラリー・クリントンは、選挙期間中、国務長官時代の私的メールアカウントの使用、クリントン財団への献金を見返りとした口利き、夫ビルの女性問題での相手女性への脅し等の問題が噴出した。とりわけ、意図的に国家の重要機密を外国に流していたのではないかという疑惑は、最も深刻である。11月4日米国の国土安全保障省長官のマイケル・マッコールが、FOX news に「ヒラリー・クリントンは国家反逆罪を犯した。国土安全保障省は反逆罪のヒラリー・クリントンを公式に起訴する」と述べた。
 ヒラリーが今後起訴されるとすれば、理由の核心にベンガジ事件が挙げられるだろう。ベンガジ事件とは、ヒラリーがリビアのカダフィー大佐の殺害を指示し、それを実行したクリス・スティーブンス米リビア大使が報復を受けて惨殺された事件である。
 2011年(平成23年)1月、チュニジアの民衆運動をきっかけに「アラブの春」と呼ばれる民衆の反政府運動が起った。リビアでは同年2月、最高指導者で国家元首であるカダフィー大佐の退陣を求める反政府デモが発生した。カダフィーは武力によって民衆の運動を弾圧しようとしたが、軍の一部が反乱を起こし、10月20日カダフィーは射殺され、42年間続いたカダフィー政権は崩壊した。
 ヒラリー・クリントンは、カダフィーを暗殺指示し、リビアの国家財産200億ドルを奪い、その資金を用いて、いわゆる「イスラーム国」(ISIL)に武器・資金を提供したという疑いが起っている。だが、これら一連の行為は、彼女個人の判断とは思えない。背後関係があるはずである。ヒラリーは、欧米の所有者集団に仕える経営者の一人であり、彼らの意思を実現するための政治・外交をやっていたと思われる。
 起訴によってその背後関係が明らかになる可能性があるので、起訴が取りやめになったり、あるいは起訴理由をごく限定したものにして、責任追及が背後に及ばないようにしたりする可能性があると思う。
 私は、所有者集団はヒラリーを大統領にするシナリオで選挙戦を進めていたが、ヒラリーの重要機密に関わるメールが大問題になり、かばいきれなくなったので、トランプに乗り換え、彼の抱き込みを図ったのではないかと推測している。
   
 ベンガジ事件は、アラブの春、アラブ・アフリカ金本位制度、ドルの防衛等に係る巨大な事件の一端である。戦略リスク・コンサルタントで作家のウイリアム・エングダールが、「ヒラリー電子メール、ディナール金貨と、アラブの春」という記事をオンライン誌“New Eastern Outlook”に寄稿し、その巨大な事件について書いている。和訳がネット上に掲示されている。長文なので、要所を抜粋する。
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2016/…/post-cc58.html

 「今にして思えば、アラブの春のタイミングは、膨大なアラブ中東の石油の流れだけではないものを支配しようとする、アメリカ政府とウオール街の取り組みと緊密に繋がっていたことが益々見えてくる。新たな主権国家資産ファンドに集積された、彼らの何兆ドルものお金を支配することも、同じ位重要な狙いだったのだ。
 ところが、最新の2011年4月2日のクリントン-ブルーメンソール電子メールで、今や確認された通り、ウオール街とシティー・オブ・ロンドンの“お金の神様”に対し、アフリカとアラブ産油国世界から、質的に新たな脅威が出現しつつあったのだ。リビアのカダフィ、チュニジアのベン・アリと、エジプトのムバラクは、アメリカ・ドルから独立した金に裏付けられたイスラム通貨を立ち上げようとしていた。」

 「2009年、当時、アフリカ連合議長だったカダフィは、経済的に窮乏したアフリカ大陸に“ディナール金貨”を採用するよう提案した。(略)ウオール街とシティ・オブ・ロンドンが、2007年-2008年金融危機で、ひどく厄介な状態にあった時に、もしもそういうことが起きていれば、ドルの準備通貨としての役割に対する影響は、深刻というだけでは済まされなかったはずだ。アメリカ金融覇権とドル体制にとって、弔いの鐘となっていたはずだ。」

 「カダフィを破壊するためのヒラリー・クリントンの戦争の最も奇妙な特徴の一つは、石油豊富なリビア東部のベンガジでアメリカが支援した“反政府派”、戦闘のさなか、彼らがカダフィ政権を打倒できるどうかはっきりするずっと前に、“亡命中の”欧米式中央銀行を設立したと宣言した事実だ。(略)
 戦闘の結果が明らかになる前に、金に裏付けされたディナールを発行していたカダフィの主権ある国立銀行におきかわる欧米風中央銀行創設という奇妙な決定について発言して、ロバート・ウェンツェルは、経済政策ジャーナル誌で“民衆蜂起から、わずか数週間で作られた中央銀行など聞いたことがない。これは単なる寄せ集めの反政府派連中が走り回っているだけでなく、かなり高度な影響力が働いていることを示唆している”と言っている。
 今やクリントン-ブルーメンソール電子メールのおかげで、こうした“かなり高度な影響力”は、ウオール街と、シティー・オブ・ロンドンとつながっていたことが明らかになった。」

 「もしカダフィが、エジプトやチュニジアや他のアラブのOPECと、アフリカ連合加盟諸国とともに- ドルではなく、金による石油販売の導入を推進することが許されていれば、世界準備通貨としてのアメリカ・ドルの未来にとってのリスクは、明らかに金融上の津波に匹敵していただろう。
 ドルから自立したアラブ・アフリカ金本位制度というカダフィの夢は、不幸にして彼の死と共に消えた。ヒラリー・クリントンの身勝手な“保護する責任”論によるリビア破壊の後、現在あるのは、部族戦争、経済的混乱、アルカイダやダーイシュやISISテロリストによって引き裂かれた修羅場だ。カダフィの100%国有の国家通貨庁が持っていた通貨主権と、それによるディナール金貨発行はなくなり、ドルに結びつけられた“自立した”中央銀行に置き換えられた。」

 今後の真相解明を待ちたい。

関連掲示
・拙稿「現代世界の支配構造とアメリカの衰退」
http://khosokawa.sakura.ne.jp/opinion09k.htm
・拙稿「イスラームの宗教と文明~その過去・現在・将来」
http://khosokawa.sakura.ne.jp/opinion12-2.htm
 第2部第3章「現在(2011年以降)」
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