ほそかわ・かずひこの BLOG

<オピニオン・サイト>を主催している、細川一彦です。
この日本をどのように立て直すか、ともに考えて参りましょう。

慰安婦問題の虚偽1~朝鮮人強制連行が根底に

2007-06-14 10:15:31 | 歴史
 戦前のわが国は、政府または軍が直接的かつ書式的に慰安婦を強制連行してはおらず、また性奴隷にもしていない。戦後処理は政府間ですべて終了しており、国家として個人補償すべきものではない。しかし、慰安婦を巡る問題が、我が国の教育をゆるがし、青少年の心を傷つけ、さらに国際社会での我が国の名誉を貶めている。
 この問題に決着をつけるために、旧日本軍の慰安婦は、どのようにして問題化され、また海外にまで誤解が広がったのか。その経緯をたどってみたい。10回以上になる予定。

●「従軍慰安婦」という用語は不適切

 「従軍慰安婦」という言葉は、あたかも軍が慰安婦を直接集め、慰安所を直営していたかのように錯覚させる言葉である。千田夏光氏が著書『従軍慰安婦』(双葉社、昭和48年、1973)で使ったのが初めだった。
 実際は、旧日本軍の慰安婦は、軍に所属していたのではなく、「従軍」慰安婦といえるものは存在しなかった。「従軍看護婦」とか「従軍記者」のようなものとして、「従軍慰安婦」という呼び方はなかったのである。

 しかし、「従軍慰安婦」には、インパクトがあった。いつしか多用されるようになり、平成8年からは、すべての中学教科書にまで「従軍慰安婦」に関する記述が掲載された。これには、激しい論争が起こった。事実と違うことが確認され、中学の教科書からは消滅した。だが、高校の歴史教科書には、依然として掲載されている。韓国は、国定教科書に掲載している。歴史家の中にも、秦郁彦氏らのように「従軍慰安婦」という用語を使っている人がいる。混乱を招くので、早急に訂正を求めたい。
 「軍慰安婦」あるいは「戦場慰安婦」と言うべきという意見がある。私は、これもややこしいので、旧日本軍の慰安婦、軍慰安所の慰安婦などと呼ぶことにしたい。

●朝鮮人強制連行説が根底に

 旧日本軍の慰安婦は、最初は強制連行として、問題にされた。「慰安婦の強制連行」という虚説は、在日韓国人・朝鮮人の強制連行という虚偽の上に作られたものである。
 在日韓国人・朝鮮人を、まとめて在日コリアンと呼ぶことにする。在日コリアンは強制連行によって日本に連れてこられたという主張がある。この説は、朴慶植著『朝鮮人強制連行』(未来社)に始まる。昭和40年(1965)に出た本だ。朴氏は、約60万人の在日コリアンは、日本統治下の朝鮮半島から奴隷狩りのようにして日本列島に連行されてきたか、またはその子孫だという説を唱えた。
 この説は間違っている。わが国では、昭和14年(1939)に国民徴用令が発令された。大東亜戦争の末期には、朝鮮にも適用されるようになった。朝鮮半島から日本に徴用された者がいた。彼らも日本国民だった。だから、法令に基づく徴用を、強制連行という言葉で表現するのは、間違いである。また徴用で来た朝鮮系日本人以外に、戦前、日本本土で生活をしていた朝鮮人は、よりよい仕事、豊かな生活を求めて、貧しい朝鮮から渡来した人たちが、ほとんどだった。
 この一方、朝鮮人で志願して日本軍の軍人になった者も多くいた。希望者が多く、何十倍もの応募があった。志願して特攻で散華した朝鮮人もいた。朝鮮名のまま陸軍中将になった洪思翔という朝鮮人もいた。戦後、韓国大統領となった朴正煕も朝鮮名の帝国軍人だった。「創氏改名」が強制でなかった証拠でもある。

 敗戦後、マッカーサーは、朝鮮人を半島に帰らせるために、無料で船を出した。当時、日本には約240万人の朝鮮人が居住していた。翌年3月までに約175万人が帰国した。ところが、その時、日本に残った者がいた。在日コリアンの多くは、そういう人たちだ。
 だから、在日1世は、強制連行などとは言わなかった。日本で生活することを自分の意思で選択したからである。しかし、その子供の世代が強制連行という虚説を唱えるようになった。子供だから自分たちが実際に経験したわけではないことを書いた。そこに思想やイデオロギーが込められた。
 強制連行説は、鄭大均氏の『在日・強制連行の神話』(文春新書)によって論破されている。しかし、強制連行という虚説は、旧日本軍の慰安婦の存在と結びついたことによって、生き延びている。むしろ政治的な効果を強め、反日運動の手段に使われている。

●「従軍慰安婦」と強制連行説が結びつく

 慰安婦について、千田夏光氏が『従軍慰安婦』(双葉社)を出したのは、昭和48年(1973)だった。千田氏の本は、三一書房の新書に入って読みつがれ、講談社の文庫にもなった。
 千田氏は、著書に、関東軍参謀・故原善四郎の証言を書いた。しかし、後年、自分が原参謀に面会していなのに、別の書物を元にあたかも自分が面会したかのようなうそを書いたと認めた。もとの書物にも、原自身の証言は出ていない。つくり話だったことが明らかになっている。こういういい加減な本が、人々の歴史認識を捻じ曲げることになった。

 昭和51年(1976)には、慰安婦に関し、世界に多大な誤解を与える本が出た。金一勉著『天皇の軍隊と朝鮮人慰安婦』(三一書房)である。
 この本は、日本が「朝鮮民族抹殺政策」を取り、「朝鮮民族の早期滅亡を企図」して、「梅毒政策・阿片吸引助長政策・遊郭発展政策」を行ったと主張した。実際は、日本が朝鮮を統治した時代に、朝鮮の経済は飛躍的に発展し、人口は2倍に増えたのだから、噴飯ものの主張である。トンでも本といったほうがよいだろう。しかし、こういう本が世界に誤解を広げている。国連人権委員会のラディカ・クマラスワミ女史(スリランカの活動家)による報告書には、この本の内容が反映しているからである。

 千田氏や金氏の本は、旧日本軍の慰安婦について誤解を与える内容ではあったが、刊行当時は、それらを読んで影響を受けた人は、ごく一部だった。しかし、昭和50年代になると、朝鮮人強制連行説が広がり、事実関係が調査・確認されないまま、在日コリアンは、戦前日本に強制連行されてきた被害者だというイメージが普及した。1980年代には、教科書にまで「朝鮮人の強制連行」が歴史的事実であるかのように書き込まれるようになった。そして、朝鮮人強制連行説を基盤に、「従軍慰安婦」も「強制連行」されたという説が唱えられるようになった。

 「従軍慰安婦」なるものは存在しない。朝鮮人の「強制連行」もなかった。だから、「従軍慰安婦の強制連行」は、虚構の上に虚構を重ねたものだったのである。

 次回に続く。

関連掲示
・拙稿「旧日本軍の慰安婦問題~対日非難決議案を阻止すべし」
http://homepage2.nifty.com/khosokawa/opinion12e.htm

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2 コメント

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在日米国大使館の偏見 (一般人)
2007-08-07 06:25:07
在日米国大使館のホームページを見ていただきたい。
日本の人身売買・朝鮮人など外国人の差別について過大に取り上げれ又児童ポルノなど海外の買春行為について非難が盛り込まれている。
これは慰安婦問題を発端にどのような資料を基に作られたのかどうか分からないがかなり捏造と偏見で作られたものである。
まるで左翼グループのホームページを見ているようなものだ。
この米国大使館の動きは一体何を目指すものか?
自民党つぶしではないのか?
原爆については近年最大の戦争を利用した一般日本人に対する大量虐殺であり慰安婦問題を現代の人権問題として評論するならこの核実験ともいえる原爆投下について謝罪と賠償を米国政府はしなければならない。
しかも驚いたことに日本以外の人権問題については韓国が昔日本で問題になった海外での買春ツアーなどで問題になったり児童ポルノサイトの最大の顧客である韓国人については全くコメントが無い。
現在3000人を超える韓国売春婦の流入問題については日本でもかなり問題視されているが日本のユニセフ協会と在日米国大使館があくまでも韓国が被害者で日本が加害者と言う一歩的決め付けの理論で物事を展開すれば、この韓国売春婦の問題も買春する側が一方的に非難され日本政府の管理責任が問われることとなる。
現在日本で公然と行なわれている韓国人によるあかすりマーサージ・エステ店などで行なわれている性感マーサージ売春行為を徹底的に取り締まると共に不法滞在・偽装結婚などを徹底的に取り締まる必要がある。
すべてが彼ら違法滞在側には問題が無く日本の管理体制がすべて問題視されるのである。
>一般人さん (ほそかわ)
2007-08-08 10:12:52
ご案内のサイトを見させていただきます。

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