ほそかわ・かずひこの BLOG

<オピニオン・サイト>を主催している、細川一彦です。
この日本をどのように立て直すか、ともに考えて参りましょう。

韓国大統領選は「左偏向教育」の結果~西岡力氏

2017-05-20 08:51:07 | 国際関係
 私は昨年11月25日に「韓国・朴大統領退陣で親北左派政権誕生の恐れ」と題した文章をブログに書いた。
http://blog.goo.ne.jp/khosogoo_2005/e/b2e179f27657cd161fb5c1e7ac06f7ea
 その文章で、現在麗澤大学客員教授となっている西岡力氏が、11月23日の産経新聞「正論」に書いた記事を紹介した。要所を再度抜粋する。
 「韓国の自由民主主義体制が揺れている。親北左派政権が誕生し、韓米同盟が解消されて米軍が撤退し、半島全体が中国共産党と北朝鮮世襲独裁政権の影響下に入る可能性もゼロではない」
 「大規模なデモを主催している勢力が過激な親北反体制派であることがほとんど伝えられていない」「2015年11月に、過激な反体制運動を行ってきた労組である全国民主労働組合総連盟や、農民団体など50以上が集まって民衆総決起闘争本部が結成された。国家保安法に基づき利敵団体と規定された北朝鮮とつながる3つの極左団体(略)が含まれている」。闘争本部は「運動方針が北朝鮮の煽動とほぼ一致している」
 「今後は憲法秩序の下で、特別検事の捜査と国会での弾劾審議が進むだろう。その間に保守陣営が、朴槿恵大統領の崔順実被告との非正常な関係は批判するが、政権の保守的政策は維持発展させるという立場を整理できるかが勝負だ。それができれば、落ち着きを取り戻した国民に親北左派か自由民主主義派かという選択を示して次期大統領選挙で勝てる可能性も十分ある。焦点は親北左派が政権を握ることを韓国の保守が阻止できるかだ」

 結果としては、韓国の保守派は、親北左派が政権を握ることを阻止できなかった。5月9日に行われた韓国大統領選挙の前、西岡氏は、文氏が勝利した場合の危険性を最も明確に警告した。曰く「親日派を総入れ替えするだろう。彼の歴史観は大韓民国の否定であり、北朝鮮主導による朝鮮半島統一を目論む」と。だが、事前の大方の予想通り、親北左派、反日反米の文在寅氏が当選した。
 選挙後、西岡氏は、「私が心配するのは韓国の反共自由民主主義体制の弱体化である。それが進めば韓米同盟が崩れ、日本の安保にも悪影響を与えるからだ。」と5月12日の産経新聞の記事に書いた。その記事の中で、韓国のある保守派のりーダーが今回の選挙を「世代間の争い」だとして語ったことを掲載している。「今回の大統領選挙は若年層の反乱という意味がある。彼らは全教組などから大韓民国の現代史の成功の基盤である自由民主主義や法治、市場経済を否定する左偏向教育を受けた。今回の結果は80年の光州事件以後、継続している37年間の左偏向教育の結果だ。新政権は各界に布陣した左派運動勢力の指令塔になるかもしれない」と。西岡氏によると、1980年代「韓国の学生運動活動家らは左傾民族主義を媒介にして急速に北朝鮮に近づいていった。いわゆる主体思想派が韓国の左派運動の中核になるのがこの頃だ。彼らは韓国の現代史を徹底的に否定する『反韓史観』に心酔している」。
 文在寅新大統領は、朴槿恵前大統領の大スキャンダルへの憤りの勢いだけで誕生した指導者ではない。40年近く続けられてきた左傾偏向教育が背景にあり、彼の主な支持層を生み出してきている。これに新たに加わったのが、韓国の現状に絶望している若い世代である。韓国の若者たちは、自国を「ヘル朝鮮」と呼ぶ。ヘルは地獄を意味する英単語であり、「地獄朝鮮」を意味する。1昨年から社会にて着している。財閥10社と中小企業との間に中間層の無い極端な2極分化。財閥系企業に入るための過酷な受験競争。一流大学を出ても、親のコネがなければ、財閥企業には就職出来ず負け組になるコネ社会。負け組になった若者たちの将来展望の喪失。OECD(経済協力開発機構)加盟の先進国でワースト1位となっている自殺率(10万人あたり29・1人、日本は18・7人)。これらの現象などの社会の現状を表す言葉が「ヘル朝鮮」である。
 文大統領は、こうした韓国の社会を改革するために、公務員を81万人増加することを公約の一つにしている。確かにそれによって雇用は増えるが、彼らの給与は税金で支払われる。一度職員を雇えば、数十年の雇用を保障しなければならない。財政負担を重くし、ギリシャのような事態を招きかねない。文氏はまた最低賃金時給を1万ウォン(約1000円)に引き上げることも公約している。これは労働組合の要求を取り入れたものだが、韓国企業の99%は中小企業であり、そこで働く者が全労働者の88%を占める。現在7000ウォンの賃金を約1.5倍にふやすならば、中小企業への負担は甚大であり、多くの企業が労働者を解雇するか、倒産するだろう。その結果として予想されるのは、現在の経済危機のさらなる深刻化である。
 文政権のもと、「ヘル朝鮮」に出口を見出すことは、難しい。
 以下は、西岡氏の記事の全文。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
●産経新聞 平成29年5月12日

http://www.sankei.com/column/news/170512/clm1705120004-n1.html
2017.5.12 10:00更新
【正論】
韓国大統領選は「左偏向教育」の結果 「自由主義」後退が心配だ モラロジー研究所教授、麗澤大学客員教授・西岡力

 韓国の新大統領に文在寅氏が当選した。日本では、日韓関係の悪化を心配する声が高まっている。しかし、私が心配するのは韓国の反共自由民主主義体制の弱体化である。それが進めば韓米同盟が崩れ、日本の安保にも悪影響を与えるからだ。

≪新政権は左派運動勢力の指令塔に≫
 次点となった「自由韓国党」の洪準杓候補は選挙最終日、ソウル徳寿宮前で「今回の選挙は韓国の自由民主主義体制を守るための内戦だ」と声をからして叫び、支持者らは韓国国旗である太極旗と米国国旗の星条旗を激しく振って賛同の声を上げた。車道を埋め尽くしたのは年長者ばかりだった。
 洪候補の絶叫を聞く前、私は徒歩5分の距離にある光化門広場で文在寅陣営の演説を聞いた。聴衆は、幼い子供を連れた夫婦など、若い層がかなり多い。元警察庁長官や退役将軍らが「文候補は従北左派ではない。自分たちが保証する。いまだに相手候補をアカ呼ばわりする洪陣営は時代錯誤だ」という演説を続けた。文候補はテレビ討論で北朝鮮を「主敵」と規定することを最後まで拒否したが、支持率は下がらなかった。
前回、朴槿恵大統領当選の原動力になったのは50歳以上の高齢層の圧倒的な支持だった。ところが今回、文候補は50歳代でも得票率1位だった。洪候補が1位だったのは60歳以上だけだ。1980年代に大学に入学した世代が今50歳代中盤となったことがその理由だ。ある保守派リーダーは今回の選挙を「世代間の争い」だとして次のように語った。
 「今回の大統領選挙は若年層の反乱という意味がある。彼らは全教組などから大韓民国の現代史の成功の基盤である自由民主主義や法治、市場経済を否定する左偏向教育を受けた。今回の結果は80年の光州事件以後、継続している37年間の左偏向教育の結果だ。新政権は各界に布陣した左派運動勢力の指令塔になるかもしれない」

≪親日勢力を指弾していた文氏≫
 80年代、韓国の学生運動活動家らは左傾民族主義を媒介にして急速に北朝鮮に近づいていった。いわゆる主体思想派が韓国の左派運動の中核になるのがこの頃だ。彼らは韓国の現代史を徹底的に否定する「反韓史観」に心酔している。ソウル大学の李栄薫教授はその歴史観を次のように要約する。
「日本の植民地時代に民族の解放のために犠牲になった独立運動家たちが建国の主体になることができず、あろうことか日本と結託して私腹を肥やした親日勢力が、アメリカと手を結んで国を建てた。そのせいで民族の正気がかすんだのだ。民族の分断も親日勢力のせいだ。解放後、行き場のない親日勢力がアメリカにすり寄り、民族の分断を煽(あお)った」
 文在寅氏は今年1月に出した対談本(『大韓民国が聞く』)で次のように語っている。
 「親日勢力が解放後にも依然として権力を握り、独裁勢力と安保を口実にしたニセ保守勢力は民主化以後も私たちの社会を支配し続け、そのときそのとき化粧だけを変えたのです。親日から反共にまたは産業化勢力に、地域主義を利用して保守という名に、これが本当に偽善的な虚偽勢力です。
 (親日勢力清算の)もう1回の機会を逃したのは1987年6月抗争(大規模な街頭デモにより大統領直選制が実現)のときでした。それ以後、すぐに民主政府が樹立していればそのときまでの独裁やそれに追随した集団をしっかりと審判して軍部政権に抵抗して民主化のために努力した人々に名誉回復や補償をしたはずであり、常識的で健康な国になっていたはずです。しかし、盧泰愚政権ができて機会をまた逃したのです。私が前回の大統領選挙で国民成長ビジョンを提示して腐敗大掃除という表現を使ったではないですか。腐敗大掃除をしてその次に経済交代、世代交代、過去の古い秩序や体制、勢力に対する歴史交代をしなければならないのです」(翻訳・傍点筆者)
「すぐに民主政府が樹立していれば」という表現に注目したい。現行の韓国憲法下で最初に行われた大統領選挙の結果生まれたのが盧泰愚政権だが、今年1月の時点で文在寅氏はその政権を「民主政府」とは思っていなかった。

≪左派大統領しか認めない危うさ≫
 文在寅氏は5月9日夜、党関係者に対して「自信を持って第3期民主政府を力いっぱい、推し進めていく」と語った。文在寅氏は現行憲法下で誕生した7人目の大統領だが、自分は3番目だと言うのだ。その言葉を生放送で聞きながら私は、新大統領は金大中氏、盧武鉉氏だけが民主政府で、韓国の主流勢力を代表する盧泰愚、金泳三、李明博、朴槿恵各氏は違うと言いたいのではないかという疑問を抑えることができなかった。
 以上のような分析は的外れで、新大統領の本心を見誤っているのであれば大変うれしい。大統領就任後、現実政治に直面して選挙戦での主張をやわらげたり撤回したりすることもよくある。韓国現代史の成功の延長線上で文在寅政権が成功することを祈っている。(モラロジー研究所教授、麗澤大学客員教授・西岡力 にしおかつとむ)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ジャンル:
ウェブログ
コメント   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« ユダヤ51~ユダヤ資本がア... | トップ | ユダヤ52~アメリカ=ユダ... »
最近の画像もっと見る

コメントを投稿


コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。

あわせて読む

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL