欧州債務危機が最も大きな影響を受けるのは、中国だろう。中国は典型的な外需依存型経済であり、最大の貿易相手先は欧州である。それゆえ、欧州諸国の需要が減ると、中国経済は強い打撃を受ける。欧州債務危機のわが国への影響は、欧州から直接来る大波以上に、中国経由で来る大波の方が高くなるだろう。
私は、昨年12月31日、拙稿「中国は神話崩壊の1年」に、次のように書いた。
http://blog.goo.ne.jp/khosogoo_2005/e/43d11406473d98c8d9a99fe507561c97
「昨年は、猛進する中国が大きな壁にぶつかった年となった。内政では、経済成長で壁にぶつかった。インフレの進行と不動産バブルの崩壊開始によって、高度経済成長は終わりを迎えた。外政では、覇権外交で壁にぶつかった。米国のアジア太平洋外交に圧され、中国は東南アジアで孤立化しつつある。シナ系日本人の評論家・石平(せき・へい)氏は、これを『中国神話の崩壊』と呼ぶ。石氏は中国の動向を大局的に把握し、平成23年(2011)を『中国神話の崩壊の年』と位置付ける」と。
石氏は、次のように言う。「今まで中国は通貨(元)の乱発をもって高い投資率を維持し高度成長を牽引してきたが、このようなゆがんだ成長戦略が生んだのはインフレの高進と不動産バブルの膨張だった。そして昨年来、政府はインフレ抑制のために金融引き締め政策を実施してきた結果、全国の中小企業は深刻な経営難に陥ってしまい、企業の『倒産ラッシュ』が起きた。その一方、金融引き締めの中で不動産市場は急速に冷え込み、それが秋頃からの不動産価格の急落につながった」「今後、不動産バブルの本格的崩壊に伴って経済の減速はよりいっそう進むだろうと思われる」と。
中国では欧州向け輸出の伸びは、昨年9月以降、10%以下に減速しており、今年はさらに下がると予想されている。リーマン・ショック後、内需拡大のために打たれた自動車・家電の消費促進策等は昨年終了し、手が尽きている。高速鉄道追突事故の影響で路線建設など国内投資が縮小している。今年は欧州債務危機の影響が本格化し、1〜3月期の経済成長率は7%台に落ち込むとの見方が大勢を占める。ここで経済成長率とは、実質GDPの成長率を言う。
それが7%台に落ち込むことは、中国において重要な意味を持つ。中国共産党は「保八」つまり成長率8%を保つことを至上命題としている。貧富の差が拡大、失業者が増加し、各地で暴動が頻発する中国では、成長率が8%より落ちると、政権は不安定になる。だから、「保八」が政権維持のために必須なのだ。
IMFは、今年の中国の実質GDP成長率を1月段階で8・2%と予測していたが、1月6日、欧州債務危機が深刻化して最悪の事態を迎えた場合、4%台に急降下する懸念があるとの見通しを発表した。4%台となれば、中国では倒産・失業者が増加し、社会不安が激化するだろう。リーマン・ショック後、世界経済を牽引してきた中国経済が急減速すれば、世界的な景気後退が起こり、日本にも大きな影響が出るだろう。欧州債務危機のわが国への影響は、欧州から直接来る大波以上に、中国経由で来る大波の方が高くなるだろうと予想されるのである。
以下は、関連する報道記事。
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●共同通信社 平成24年2月6日
欧州危機でIMF警告、中国、成長率最悪4%台へ
2012年02月06日(月) 21:21
【北京共同】IMFは6日、中国の経済見通しを発表、欧州債務危機が深刻化し最悪の事態を迎えた場合、8%台としている今年の実質国内総生産成長率が4%台に悪化する恐れがあると警告した。中国の昨年の成長率は9・2%。世界経済のけん引役である中国が急減速すれば、世界不況に突入必至。中国国内でも雇用の急激な悪化で暴動などの発生が懸念され、欧州債務危機の早期解決を求める声が強まりそうだ。
(情報提供:共同通信社)
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私は、昨年12月31日、拙稿「中国は神話崩壊の1年」に、次のように書いた。
http://blog.goo.ne.jp/khosogoo_2005/e/43d11406473d98c8d9a99fe507561c97
「昨年は、猛進する中国が大きな壁にぶつかった年となった。内政では、経済成長で壁にぶつかった。インフレの進行と不動産バブルの崩壊開始によって、高度経済成長は終わりを迎えた。外政では、覇権外交で壁にぶつかった。米国のアジア太平洋外交に圧され、中国は東南アジアで孤立化しつつある。シナ系日本人の評論家・石平(せき・へい)氏は、これを『中国神話の崩壊』と呼ぶ。石氏は中国の動向を大局的に把握し、平成23年(2011)を『中国神話の崩壊の年』と位置付ける」と。
石氏は、次のように言う。「今まで中国は通貨(元)の乱発をもって高い投資率を維持し高度成長を牽引してきたが、このようなゆがんだ成長戦略が生んだのはインフレの高進と不動産バブルの膨張だった。そして昨年来、政府はインフレ抑制のために金融引き締め政策を実施してきた結果、全国の中小企業は深刻な経営難に陥ってしまい、企業の『倒産ラッシュ』が起きた。その一方、金融引き締めの中で不動産市場は急速に冷え込み、それが秋頃からの不動産価格の急落につながった」「今後、不動産バブルの本格的崩壊に伴って経済の減速はよりいっそう進むだろうと思われる」と。
中国では欧州向け輸出の伸びは、昨年9月以降、10%以下に減速しており、今年はさらに下がると予想されている。リーマン・ショック後、内需拡大のために打たれた自動車・家電の消費促進策等は昨年終了し、手が尽きている。高速鉄道追突事故の影響で路線建設など国内投資が縮小している。今年は欧州債務危機の影響が本格化し、1〜3月期の経済成長率は7%台に落ち込むとの見方が大勢を占める。ここで経済成長率とは、実質GDPの成長率を言う。
それが7%台に落ち込むことは、中国において重要な意味を持つ。中国共産党は「保八」つまり成長率8%を保つことを至上命題としている。貧富の差が拡大、失業者が増加し、各地で暴動が頻発する中国では、成長率が8%より落ちると、政権は不安定になる。だから、「保八」が政権維持のために必須なのだ。
IMFは、今年の中国の実質GDP成長率を1月段階で8・2%と予測していたが、1月6日、欧州債務危機が深刻化して最悪の事態を迎えた場合、4%台に急降下する懸念があるとの見通しを発表した。4%台となれば、中国では倒産・失業者が増加し、社会不安が激化するだろう。リーマン・ショック後、世界経済を牽引してきた中国経済が急減速すれば、世界的な景気後退が起こり、日本にも大きな影響が出るだろう。欧州債務危機のわが国への影響は、欧州から直接来る大波以上に、中国経由で来る大波の方が高くなるだろうと予想されるのである。
以下は、関連する報道記事。
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●共同通信社 平成24年2月6日
欧州危機でIMF警告、中国、成長率最悪4%台へ
2012年02月06日(月) 21:21
【北京共同】IMFは6日、中国の経済見通しを発表、欧州債務危機が深刻化し最悪の事態を迎えた場合、8%台としている今年の実質国内総生産成長率が4%台に悪化する恐れがあると警告した。中国の昨年の成長率は9・2%。世界経済のけん引役である中国が急減速すれば、世界不況に突入必至。中国国内でも雇用の急激な悪化で暴動などの発生が懸念され、欧州債務危機の早期解決を求める声が強まりそうだ。
(情報提供:共同通信社)
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