ごっとさんのブログ

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ガン細胞狙い薬運ぶ技術を開発

2016-12-28 10:58:47 | 健康・医療
岡山大学と製薬会社の研究グループは、ガン細胞だけを破壊する「テロメライシン」を標的に効率よく運ぶ技術を開発したと発表しました。

このテロメライシンというのはウイルス製剤ということで、現在臨床研究が進んでいるものです。これはいわば生きたウイルスで、名前の由来であるテロメラーゼという酵素が大量にあるガン細胞の中でのみ増殖するということから興味を持っていました。

このウイルスは5型のアデノウイルスという仲間で、もともと軽い風邪の原因ウイルスとして知られています。これをどんなふうに遺伝子を変異させたか分かりませんが、ガン細胞で特異的に増殖するウイルスを作り出しました。これはもう10年以上前に開発されたのですが、実用化までにずいぶん時間がかかってしまいました。

こういったウイルスを使ってガン細胞を破壊するというのは、新しい試みですので早く進まないかと思っていたのですが、やっと臨床試験まで行ったようです。

これは私の推測ですが、ウイルスであるため人間に投与するとすぐに抗体ができ、ガン細胞に到達する前に排除されてしまうのかもしれません。実際の臨床試験は、ガンの部位に直接注入するという局所投与法で行われているようです。今回はこの薬物搬送システムの開発です。

企業が開発したガン細胞に選択的に入り込む、「ホゾティ」という細胞にこのウイルスを搭載させました。このホゾティはへその緒の血液である臍帯血から見出したもので、免疫反応を抑える制御性T細胞の一種です。これがなんでガン細胞に選択性を持っているのかはわかりませんが、正常細胞に入り込むことは無く、特異的にガン細胞を識別するようです。

ウイルスを搭載させたホゾティを作り、ガン細胞の塊や腹腔内にガンを散らしたマウスの実験では、ガン細胞のみに入り込んでウイルスを拡散し、ガン細胞を死滅させることが確認できました。ただヒトに投与するためには、他人の臍帯血に由来する細胞ですので、拒絶反応を抑える必要などまだまだ課題は多いようです。

研究グループは、この課題がクリアできれば、進行したガン患者の生存率を改善できる可能性があるとしています。現在進行している臨床試験で、ウイルスによるガン細胞の破壊という新しい治療法の有効性が分かりますし、ガン細胞の直接投与するという難しい投与法が改善できれば、今後のガン治療の新しい道が開けるような気もします。
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