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自己免疫疾患の仕組み解明

2017-06-16 10:42:24 | 健康・医療
沖縄科学技術大学院大学(OIST)の研究グループは、細胞が関節リウマチ、多発性硬化症などの自己免疫疾患を発症させるメカニズムを発見したと発表しました。

この内容の前にOISTという大学をあまりよく知りませんでしたが、沖縄の恩納村に15年ほど前行ったときに構想があるということを聞いたような気がします。

この大学院大学は学部学生はおらず、大学院の博士課程だけの大学の様で非常にユニークなところがあるようです。まず教員も学生も半分以上が外国人で、すべての講義が英語で行われているようです。また教員一人に学生が二人程度と、かなり綿密な指導が行われています。こういった研究機関であれば、面白い成果が出てくるのではないかと期待されます。

今回の発表は、免疫の中心的な存在となるヘルパーT細胞(Th細胞)のうち最近発見されたTh17と名付けられた細胞に関するものです。この細胞が悪性になると自己免疫疾患を誘発するとしています。

研究グループはこのTh17細胞に多い、DNAに結合して細胞の性質を決める転写因子283個に着目しました。各転写因子の悪性Th17細胞への関わりを一つずつ調べていった結果、「JunB」という転写因子が見つかりました。

このJunBが少ないと悪性Th細胞ができない一方、良性Th細胞への影響はないことが分かりました。このJunBを欠損させたマウスを作成すると、このマウスは多発性硬化症と腸炎を発症しないことを確かめることができました。

つまりこういった自己免疫疾患は、こういった転写因子によって制御されていることが分かったわけです。現在自己免疫疾患の治療は、免疫システム全体を制御するという方法が中心ですが、これですと免疫自体の病気と闘う力も低下させるなど副作用も大きくなっています。

今回の発見に基づき、この転写因子JunBの働きだけを抑えれば、副作用の少ない治療が可能になるとしています。しかし実際は免疫細胞間の情報伝達に用いられるタンパク質である、サイトカインもこの転写因子の機能変換に関与しているようです。

サイトカインのうちIL-23が存在すると悪性Th17細胞が誘導されていることも知られています。研究グループは、IL-23の働きでJunBが機能変換すると考えられるようです。

このJunBを減らすだけでも発症を抑えられるが、このIL-23との関連の仕組みを解明できれば、治療の標的をさらに特定して、副作用をもっと減らす治療法が開発できるだろうとしています。

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