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ガン細胞バンク大阪に設立

2016-11-07 10:24:55 | その他
大阪府成人病センターが来年4月から、患者からとったガン細胞を保存する「ガン細胞バンク(仮称)」の運営を始めると発表しました。

ガン細胞を培養する技術を使い、抗ガン剤の開発や患者それぞれに適した治療法の選択に生かすということです。

これは実は私はずいぶん分前から、こういった多くのガン細胞を集める必要性を感じていました。これはガン関連のブログで書いたこともありますが、ガンは染色体が傷ついて起こる細胞の病気です。この時ガン化するような染色体異常は非常に多く、またもとが患者さん自身の細胞ですので、個人差がかなりあるものです。

従って例えば肺ガンといっても、患者さんが違えば異なる性質の肺ガン細胞の可能性が高くなるわけです。このあたりがどんなに優れた抗ガン剤でも、3分の1程度の患者さんにしか有効とならない理由と考えています。抗ガン剤の開発にはなるべく多くのタイプのガン細胞があることが望ましいのですが、実際には非常に難しいこととなっていました。

一つにはガン細胞は繁殖力も強く、培養しやすそうな感じですが、細胞培養系では簡単に死滅してしまうようです。色々な種類がありますので、培養可能なガン細胞もありますが、ほとんどが長期間の培養に堪えないようです。

我々が抗ガン剤の試験に使用するガン細胞にHeLa細胞というのがありますが、これは継体培養も可能で世界中で使われているガン細胞です。このHeLa細胞は、もう半世紀以上前に子宮頸ガンの患者から取り出したものです。

このガンはパピローマウイルス感染によってガン化すると言われていますが、このガン細胞中の染色体には、このウイルスの遺伝子の一部が組み込まれることによって不死化し、細胞培養が可能となったとされています。抗ガン剤を研究しているどこの研究室にもこの細胞があり、活性を調べていますが、逆に言えばこの細胞しか扱いやすいものがないというのが現状です。

今回の研究グループはガン細胞を『生きたまま』培養する技術を2011年に開発し、これを使って患者から取り出したガン細胞をマウスの体内で増やした後凍結乾燥し保存する技術です。これまでに大腸ガン50種類、肺ガン30種類の細胞を保存しているようです。ここで集めたガン細胞は製薬会社や他の研究機関も使えるようになるということですので、新しい抗がん剤の開発や、既存の抗ガン剤の新しい組み合わせに使ったりできそうです。

とくに現在開発が進んでいる患者の遺伝子による、最も適した抗ガン剤などが分かるようになるかもしれません。
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