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マルハナバチ足の臭いで餌探し

2017-03-20 10:43:33 | 自然
このところ昆虫の話題を取り上げていますが、今回はハチの臭いの研究の話です。

この研究を発表したのはイギリスの大学の研究グループですが、マルハナバチの微小な足跡に残る臭いは非常に強く、数時間後にやってきた他のハチもその匂いに気づくほどだということです。

このマルハナバチは植物の受粉を媒介する「送粉者」として重要な役割を果たしているハチです。このハチは自分の足の臭いと他のハチのにおいを嗅ぎ分けることが実験で示されました。このようにマルハナバチが個体によって足の臭いが異なり、それを区別できることを示したのは、今回の研究が初めてのようです。

この記事では足の臭いという表現を使っていますが、足から出る分泌物質でいわば情報伝達物質が出るようですが、こういった化学物質の組成が個々で違っているというのも面白い事実といえます。

臭いというのはもちろん単一の化学物質にもありますが、通常はかなり多くの化学物質の混合物を一つの臭いとして認識します。このハチが哺乳類などの嗅覚レセプターと同じような器官があるのかはわかりませんし、今回の研究ではその認識メカニズムには触れていません。それでもハチには非常に優れた認識能力があるようです。

今回の研究ではプラスチック製の実験用造花に蜂が来るように訓練し、花蜜が出るものと水だけが出るものを準備しました。実験では花蜜の出る造花には常にハチと同じ群れの臭いをつけ、水しか出ない花には自分自身の臭いが残るように訓練しました。

この結果ハチは花蜜が出ると学習した造花から蜜を取ろうとし、臭いをかぎ分けられることを示しました。研究グループによると、野生のマルハナバチはこの能力を利用して、自分より先にどのような種類のハチが来たか、どれくらいの時間滞在したか、またその後どのくらいの時間が経過したかなどを感知しているとしています。

マルハナバチの学習能力については、この研究以外にもボールを転がしてゴールに入れる訓練なども最近発表されています。ハチは予想以上に複雑な学習能力を持つようですが、今回は優れた嗅覚を持つことも実証されたことになります。

今回はその優れた嗅覚がわかり、以前から指摘されていた「嗅覚探知ハチ」として活用できる可能性を示したようです。研究グループはハチの嗅覚がイヌより優れているかは分からないが、その可能性は十分にあるとしています。

このように様々な昆虫も優れた能力を持っているようで、うまく利用すれば天然の高性能機器として利用できるのかもしれません。


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