ごっとさんのブログ

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ジェネリック医薬品の話

2018-01-07 10:44:02 | 
新薬(先発医薬品)の特許が切れた後に製造販売される、新薬と同一の有効成分を持つ薬で、後発医薬品とも呼ばれるジェネリック医薬品の話です。

これは欧米では、処方箋に薬の成分の一般名(ジェネリック ネーム)で処方されていると、後発医薬品のことを指すためこの名前がついています。

新薬は一般に9~17年の長い年月と約300億円以上の研究開発費がかかるといわれています。それに対してジェネリックは、開発費用が低く抑えられる分、安くなっています。

この辺り私は新薬開発を仕事としてきましたので、ジェネリックには若干偏見を持っています。新薬メーカーが苦労して開発したものの、いいところだけを取って商売するというのがどうも気に食わない感じを持っています。

薬の価格は製造原価とは関係なく、臨床試験で使用した対象薬よりやや高い価格となります。したがって製造価格が低くて済む場合は非常に高い利益率になりますが、作るのが難しくあまり利益がでない場合もある訳です。ジェネリックはこの利益率が高い薬しか作りませんので、相当安くしても利益が出ることになります。

さてジェネリックの製造承認には。1)生物学的同等性(性発医薬品と同等であるかをヒトでの薬物の血中濃度で確かめる試験)、2)溶出試験、3)製造の品質や安定性、などが審査されます。

製造の関する基準は、先発医薬品と同じ規制を受けますので、ジェネリックが安いのは品質的に劣るためではありません。治療薬をジェネリックにすることで、医療の質を落とさず、患者の自己負担を減らすことができるわけです。また日本の社会保証制度が維持できるよう、国民医療費を節約できるメリットがあります。

一般的にジェネリックは、先発医薬品と有効成分は同じですが、添加物や製造方法が若干異なります。むしろ新しい製造技術が研究され、添加物を少なく飲みやすく、光や温度にも安定した品質の付加価値のある製剤開発がなされている物もあります。

またジェネリックの中には、先発メーカーから許可を得たオーソライズド・ジェネリックといって、有効成分、添加物、製造方法まで全く同じものもあります。ジェネリックの調剤を受けるかどうかは、薬剤師から良く説明を聞いたうえで、総合的に判断するのが良いとしています。

私は先に述べたように、あまり科学的でない何となく気に食わないということで、ジェネリックを使ったことは有りませんが、大幅に自己負担が減るようであれば、考えてみても良い気がしています。