ごっとさんのブログ

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老人の考える少子化問題2

2016-04-07 10:41:06 | 時事
前回少子化問題について、過去の経緯など書いていったら、老人のたわごとまで書けなくなりましたので、その続きのようなものです。

この少子化がいつごろから始まったのか、前回は出生数で見ていきましたが、違った観点から考えてみます。私の会社が一般的といえるかやや疑問もありますが、これは私の経験からです。

私が入社した40数年前の女性の平均勤続年数は6年程度でした。これが徐々に長くなっていたのが、一つの傾向です。たぶん1980年代になると、女性も仕事に生きがいを見つけるといった、意識の変革が起こってきたようです。たぶんこの流れを受けて、1985年に雇用機会均等法が成立したと思われます。それまではいろいろな面で、男女格差が存在していましたが、政府が主導してこれをなくそうという動きが、具体化したものがこの法律です。

これによって女性が働きやすくなる代わりに、結婚の時期が遅くなり、その結果として子供の数が減ってくるだろうと予測しました。この予測はある程度あたったのですが、根本的な読み違いをしていました。私はこのように制度も変わり新しい流れになった場合は、一時的に晩婚化と少子化が進むのは当然ですが、制度が定着してくると仕事と家庭の両立という方向に動き、また結婚年齢なども昔の様に戻るだろうと考えていました。

ところがいつまでたっても元に戻るどころか、ひどい状況になっていったのです。一つ要因は日本経済がそれほど伸びていかなかった点にあります。つまり女性が社会に進出し、男性と同じように働きだしたということは、労働人口が急減に増加したことになります。これを吸収できるほど経済が発展せず、当然ですがそのしわ寄せが男性に降りかかってきたわけです。

現在の男性も女性も非正規社員が増加してきたという現状は、この辺りからその下地が出来上がってきたようです。女性が働き甲斐のある職場で、男性と同じように昇進していけば、女性の結婚観が変わってくるのは当然です。たぶん男性である程度の収入がある人は、昔と同じように結婚願望はあるような気がします。しかし女性のほうが結婚したくないということで、晩婚化が生じたのでしょう。

さらに男性の収入が減少することや、不安定な職種が増加したことで、いつまでもたっても改善しないというのが現状ではないでしょうか。やはり子育てというのは大変な仕事で、職場との両立は難しいような気がします。ですから子供ができたらある程度手が離れるまで、数年単位で職場を離れ、その後復帰できるような環境がなければ、現在の少子化問題は解決しないような気がします。

社会で活躍する女性と、専業主婦を望む女性を区別せずに、対策を講じるといった手法は破綻しているような気がします。