FUNAGENノート

私の考えたことや、読書から学んだことを伝えます。
私の脳は書いたり読んだりすることで研ぎ澄まされると思っています。

「見える存在」と「見えない存在」の狭間

2017-03-21 15:05:30 | コラム
  「見えない存在」は、いつの世も科学の対象となってきた。しかし、なかなか見えない時は、その存在を神のしわざとすることとしてきた。また、科学の力で、「見えない存在」が見えてくると、その存在を災いのもととして退けようとする動きが出てくることもある。三平方の定理として有名なピタゴラスたちは、無理数の存在を知りながら、それを悪魔の数として、徹底して隠していた。ガリレオは、実験や観察(天体望遠鏡を使って)を駆使して、見えない世界の解明に取り組み、天動説に到達したが、神の世界を司るキリスト教で、裁判にかけられた。有名な「それでも地球は動いている。」という言葉はよく知られている。その後も科学は、どんどん存在を広げていった。ニュートンの万有引力、アインシュタインの相対性理論などなど。その広がりは今でも続いている。
 「見えない存在」は、時として魔物がつけ込むこととなる。見えないことをいいことに、だまそうとする人間が出てくる。
 「見えない存在」を、見えるようにするために、科学は確かに力を発揮するのだが、その科学を司るのは人間だから、手心を加えたり、都合のよい我田引水になったりして、始末が悪い。また、科学は万能だという科学者の傲りも見え隠れする。そこで安全神話がまかり通る。
 その典型が、原子力発電だ。あの原発事故は、科学の安全神話を覆してしまった典型的な例である。「見えない存在」の典型として、放射能がある。そこでも、科学の安全神話がまかり通る。
 始末に困るのは、どの程度の放射線量まで人体に影響を及ぼすのかは学者によって考えが分かれていることである。また、避難地域解除にしても、放射線はいくら除去しても、放射線は空間を移動するだろうし、周りの山野すべてを除去したわけではないだろう。だからそこの土地は大丈夫と言われても、納得はいかないこととなる。とにかく相手は「見えない存在」なのである。
 ところで、私たちの住んでいる地下は、どうなっているのか、どういう土地の上に私たちの家は建っているのか、私たちは考えたことがあるだろうか。実は、今話題の豊洲市場や森友学園は、この普段は見えない地下の存在の問題がきっかけとなっている。
 この土地の地下にある汚染物質や、ゴミのあることが両方に共通している。汚染物やゴミの存在が土地の代金の駆け引きの材料となり、手心を加えたのかどうかが問われている。われわれの税金の無駄遣いが行われたことも共通している。わたしたちに見えないことをいいことに。
 昔からよくあることに、土木事業の手抜きがあったり、建売住宅の屋根裏に古材が使われていてだまされた人もいる。最近では杭打ちの手抜き、耐震構造のごまかしも問題になった。とにかく、見えない世界は騙しの宝庫である。
 宅地造成にしても、あの東日本大震災で、自分の建てた家が、土地の液状化現象でかたむいた人もいたことも、建築学という科学の世界では、盲点を突かれた結果となっている。彼らは言うだろう、「予想していなかった事態が起きた。」と、原発事故と同じように。
 見えない存在は、わたしたちの組織(行政、企業、関係機関など)内にもある。そして、少しでも見えて風向きがあやしくなると、公的機関や第三者機関、学識経験者に検証を委ねることがよくある。しかし、それがまたくせ者なのだ。いつの世も御用学者と称される面々が存在していて、だいたいは当事者が結論らしきものを持っていて、なんとかこの線で手を打ってほしいということで、お茶を濁すことがままあるのだ。すべてではないが・・・。何々審議会などで、私も経験したことがある。
 いえることは、いつの世も「見えない存在」は悪の温床であることにかわりがないということだ。これからも、科学は「見えない存在」の究明にあたるであろうが、「見えない存在」は決してなくならないだろう。
 そしてその「見えない存在」に対応するのが人間である以上、そこには複雑怪奇な人間模様が描かれることとなる。
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