コーラス・インフィニ☆

国立音楽大学附属高等学校合唱部のOGを中心に構成された女声合唱団です!

♪Mūsų sakurosのご報告♪

2017-05-05 12:22:48 | 日記

初めに

3月18日から26日の間に日本、リトアニアのカウナスとヴィリニュスで開催された「Mūsų sakuros-私たちの桜-リトアニア・杉原記念館修繕のためのチャリティージョイントコンサート」は大盛況のうちに無事全公演を終了することが出来ました。所沢での公演の収益、お預かりした募金、先のインフィニ☆クリスマスチャリティーコンサートの収益と合わせて3,220€(402,467円)を杉原記念館の修繕費として寄付。リトアニア公演では杉原財団の募金箱を設置し、ご協力いただきました。日本とリトアニアの両国でこのようなたくさんの温かいご支援を頂けましたことを心よりお礼申し上げます。

公演からあっという間にひと月以上が過ぎました。コンサートのシンボルである桜は東京ではすっかり散ってしまいましたが、リトアニアはまだ少し肌寒さが残っていて、ヴィリニュスにある杉原千畝桜公園はちょうど見頃を迎えているそうです。リトアニアの桜もどれほど美しく咲くのだろうかと想像すると、ふと今回の一連のコンサートのことが昨日のことのように蘇ります。



 

3つのMūsų sakuros(ムースーサクロス)



コーラス・インフィニ☆の母体である国立音楽大学附属高等学校合唱部はこれまでに2度演奏旅行でリトアニアを訪れています。その際に、戦時中のリトアニアで約6000人ものユダヤ人を救ったといわれる外交官・杉原千畝氏の存在、また、そのことを伝える杉原記念館の窮状を知り、2009年には国内とリトアニアにてチャリティーコンサートを行ないました。その当時現役部員として、また卒業生として旅行に参加したインフィニ☆団員が多くおり、偉大な功績に感銘を受けるとともに、貴重な記念館の窮状に心が痛み、何かできないかと考えるようになりました。

そうして始まった杉原記念館修繕のためのチャリティーコンサートの名前に、「Mūsų sakuros (私たちの桜)」というタイトルをつけました。日本とリトアニアに咲く桜。国は違っても共通に咲く桜のように気持ちは繋がっている、という願いが込められています。日本で始まったこのタイトルでしたが、リトアニアのコンサートでもシリーズ化していただき、3月24日のカウナス、3月26日のヴィリニュス共にこのタイトルの下、全3回の公演となりました。各公演ジョイントという形で行ったコンサート、日本とリトアニア合わせて総勢9団体(ミサも含む)の共演が実現し、たくさんの合唱団との出会いがあったこと、そして合唱を通じて交流を持てたことを心から嬉しく思っています。


3月18日はコーラス・インフィニ☆、国立音楽大学附属高等学校合唱部、上智大学グリークラブ、混声合唱団 漣の4合唱団による公演初日でした。多くのお客様にご賛同いただき、演奏旅行につなげるいいスタートを切ることができました。

また、このコンサートの実現のために協力をして下さったのは合唱関係者だけではありませんでした。駐日リトアニア大使館、NPO杉原千畝命のビザの皆様、ポーランドにあるアウシュヴィッツや命のビザについて独自に取材している写真家の寿福滋さんによる作品の提供など、あらゆる方々のご協力があってこそ実現できた公演だったのだと改めて実感しています。


 

初のリトアニア演奏旅行

出発は4日後の22日から。フィンランドで飛行機を乗り継ぎ、合計約12時間のフライトで辿り着けるのがバルト三国の南に位置するリトアニア共和国です。

慣れない長旅を経てホテルに到着すると、以前から交流のある作曲家のユリユス・カルツァス先生と、滞在中ずっと通訳とガイドを務めて下さった岸田麻里亜さんに出迎えられました。何か月にも渡って旅行計画を支えてもらったお2人を囲んでの食事会は楽しく、とてもホッとするひとときでした。




旅行中、コンサートや練習がない時間は観光を楽しみました。ヴィリニュスは首都らしく現代的な建物も多く見られ、観光者向けのお店も豊富です。しかしよく見てみると旧市街の街並みや路地のちょっとした建物も大事にされてきた街の歴史が見て取れ、ビルやマンションがかえって浮いているような印象も受けました。ヴィリニュスの次に大きな街カウナスはさらに古い街並みが残っています。この2つの街はお互いにライバル意識を持っているそうですがこちらとしては甲乙つけがたく(笑)どちらも画になる素敵な町でした。

ヴィリニュスで訪れたのは3つの十字架の丘、大聖堂、夜明けの門、国立フィルハーモニーホールに聖ペテロ・パウロ教会等々。




カウナスでは最初に杉原記念館を訪問し、日本でのコンサートの報告や館長さんのお話を伺ったりして交流しました。




観光ではチュルリョーニス美術館、民族楽器博物館等を見学しました。自由時間に観光スポットを離れてみるとゆっくり街歩きができてのどかな空気を感じられました。




海外旅行の楽しみは観光をはじめいろいろありますが、滞在中の食事はまさにそのひとつではないでしょうか。頂いたものはどれも日本人の口に合い美味しかったので全部をご紹介したいところですが、挙げるならやはりこれ! リトアニアを代表するジャガイモと豚肉料理「ツェペリナイ」です。ドイツの飛行船ツェッペリン号の形に由来している名前のこのお料理はかなりのモチモチ食感で腹持ちは抜群、リトアニアの味を堪能できました。




日本とヴィリニュスとの時差は7時間あるので慣れる時間が必要ですが、次の公演は目前。最初の本番は23日、日本大使公邸にて行われた東日本大震災復興のイベントでした。日本から遠く離れたこのリトアニアでも毎年「3.11」に思いを馳せ、復興状況を発信しています。大変意義あるこの会で日本の合唱団として演奏できたことを光栄に思います。

 

Mūsų sakuros in Lithuania 共演した合唱団たち

今回の旅では、チャリティーコンサート実現のために力を貸して下さった5つの合唱団と共演し、たくさんの音楽仲間を作ることができました。

少年合唱団から、私たちと年代も近い女声合唱団、混声合唱団…年代も構成も幅広く、リトアニアの合唱のヴァリエーションを一気に聞かせてもらったような贅沢な旅でした。

 

一昨年来日した少年合唱団「Varpelis(ヴァルペリス)」は、日本でいうと小学校~高校生くらいまでの年代で構成されています。24日のカウナスの公演ではまっすぐで澄んだ歌声に迎えられ、バッハの楽曲も見事に歌いこなしておりました。

 

同公演で出会った室内混声合唱団「Cantate Domino(カンターテ・ドミノ)」は、素晴らしいハーモニーと会場に広がる響きに胸を打たれました。ソロと合唱のかけあいも美しく調和しており、完成度の高さに衝撃を受けました。

 

26日には聖カジミエラス協会のミサで歌わせていただきました。「Kurantas(クランタス)」は、イエズス会の少年少女合唱団。カジミエラス教会の隣の建物で日々練習しているそうです。教会の響きと歌い方を完全にマスターしており、透き通る歌声は教会の上から降ってくるようで本当に美しかったです。

 

そして女声合唱団2団体とは特に濃密な交流ができました。同じ女声として同じ曲を共に歌い、たくさんの勉強をさせてもらいました。

まずカウナス、ヴィリニュスと2公演共演した「Chorus Viva(コーラス・ヴィヴァ)」はインフィニ☆より少しお姉さんたちです。旅行中に誕生日を迎えたメンバーをリトアニアのバースデーソングで祝って下さる歓迎ぶり。最初は歌う事も喋る事も緊張していたメンバーですが、交流を重ねていくうちにだんだんと打ち解けていきました。最初の合同練習では力強くピタリと合った歌声に圧倒され、女声合唱はこんなにも色々なことができるのだ、という可能性を感じ、ヴィリヤ・マジンタイテさんの鮮やかな指揮にメンバーも刺激を受けました。




Vivaには日本に行きたいという気持ちの強いメンバーも多くいて、“次は日本でまた一緒に歌おうね!” “もっと日本語の曲教えてね!”という会話もありました。インフィニ☆メンバーもVivaのパワーに負けないように練習を重ね、リトアニアから仲間が来るのを楽しみに待ちたいと思います。

 

「Liepos(リエポス)」は、上品で素敵なマダムの皆様。26日のヴィリニュスで共演しました。初対面だった合同練習では「夏の思い出」を演奏して迎えて下さり、インフィニ☆一同感動!私たちにも優しく話かけてくれたので、打ち解けるのも早く安心して歌う事ができました。日本語の合同曲「瑠璃色の地球」を練習する時は “ここの発音はこれでいいの?” “ここが難しいのよねー!”というようにすごく熱心に取り組んでいました。大人の女性の声は深みがあり、柔らく温もりある歌声に胸が温かくなるようで、合同で歌った「Canon Solus」は声が溶け合っていくような感覚を感じました。





演奏会の最後には、これを見る度に私たちLieposを思い出してね。と、メンバー一人ひとりにドライフラワーをプレゼントしてくれました。またいつか一緒に歌う時に、私達も優しくて温もりのある歌声で歌えるように、心と声を鍛えたいと思います。



最後のコンサートの後のパーティーではインフィニ☆、Viva、Liepos、そしてカルツァス先生と一緒にビンゴ大会をしました。景品は、インフィニ☆メンバーが日本から持って行った和柄の雑貨やキャラクター雑貨、カップうどんなど…。すでに仲良くなっていた私たちはこのビンゴ大会でさらに大盛り上がり(笑)。終わる頃には司会2人は喉がガラガラでしたが、とても楽しい思い出になりました。






タイプの違う2つの女声合唱団との出会い。

いずれも日本とは全く違うリトアニアの豊かな響きと、そして女声合唱が持つ様々な声の美しさを、女性として存分に表現していました。その姿勢は私たちにとってとても新鮮で、まだまだ表現の幅はたくさんあるのだと視野が広がりました。

 

リトアニアのホールなど

今回コンサートでお世話になった会場は、カウナス、ヴィリニュス共に街の中心に位置し、市民が集会を行うような場所や旧市庁舎など多目的に使われている歴史ある建物でした。ヴィリニュス公演の日の午前中はチェスの大会をしており、白熱のバトルだったのでしょうか試合が長引きなかなか会場に入れない事態が発生しました(笑)。

(↑ヴィリニュス公演の会場)

そんな様々な用途に使われている会場ですが、音響はとてもよかったです。客席数はいずれも300程度の会場で、天井の角が丸みのある構造になっており、音を四方から包み込んでくれるような響きでした。カウナスのピアノは80歳のスタインウェイで、渋みのある重厚な響きは日本でなかなか聞ける音ではありませんでした。


 (↑カウナス公演)


(↑ヴィリニュス公演)


ミサに参加させて頂いた「聖カジミエラス」教会は、国を象徴するリトアニアの守護聖人の名前がつけられています。見た目は可愛らしく美しい教会ですが、中も本当に素晴らしく、祭壇の奥には大きなイエスさまとマリアさまの美しい絵が飾られています。天井の先を見るのが困難なほど高さのある空間。残響が3秒くらい残るほどの場所で、教会作品を歌わせて頂けるというのは本当に貴重な体験でした。国も宗教も違う私たちがミサにまで参加させて頂き歌わせてもらえるなんて思ってもみませんでしたし、受け入れて下さった教会関係者の方々、参列者の方々の寛容な心に深く感動しました。そしてヨーロッパで生まれる宗教音楽は、こんな素晴らしい教会での祈りの為に生み出されるものなのだと、身をもって体感しました。



私たちが憧れをもって歌っている西洋の教会作品。本場の教会で歌ったこの体験は、私たちの身体にしっかりと刻まれています。リトアニアには歴史ある建物、教会、そういった環境で歌っているからこそ生まれる合唱の響きがあるのだと感じました。

 

終わりに

杉原記念館修繕という一つの目的の為に始まった“Mūsų sakuros”は日本からリトアニアへと広がり、想像以上の沢山の人達や合唱団との出会い、協力がありました。これまでもずっと行ってきたチャリティー活動は、インフィニ☆としてこれからも大切にしていきたいと思っています。

そして、リトアニアと歌を通じて交流できたことはこれからのインフィニ☆の活動へと繋がる素晴らしい経験となりました。次また会った時にもっと良い演奏ができるように団員一同頑張って行きたいと思います。

 

5月5日

コーラス・インフィニ☆

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