けろっぴぃの日記

最近、政治のことをはじめとして目を覆いたくなるような現状が多々あります。小さな力ですが、意見を発信しようと思います。

ウクライナ問題に対するまとめ(個人的なメモとして・・・)

2014-03-03 23:51:56 | 政治
ここ数日の最大の興味の対象はウクライナ問題である。素人には良く分からないので色々調べてみたが、結局良く分からない。しかし、折角なので何となくわかったところまでを個人的なメモがてら整理してみたい。以下、論点を絞りながら考えてみる。

(1)ウクライナ問題の本質
テレビのニュースでは面白おかしく、ウクライナがEUとロシアの綱引きに翻弄された被害者であるかの様な扱いが多いが、実際にはウクライナの自業自得的な面が否めない。当初の私の認識は、ヤヌコビッチ前大統領がEU寄りの方針を覆し、一方的にロシア寄りに舵を切ろうとしたところで民衆の反発を食らい、それに対抗してロシアへの帰属を強行しようとしてデモ隊と衝突し、これを弾圧しようとして多数の死者を出して墓穴を掘ったと思っていたのだが、事情は少々異なるようである。ウクライナという国は1人当たりのGDPで見ても世界で100位ぐらいで、基本的に貧しい国であるという。その様な国にありがちなのだが、ウクライナの政治には汚職・腐敗が長年付きまとっており、ヤヌコビッチ政権はその最たるものらしい。ヤヌコビッチ大統領が政権についてから僅か1、2年で大統領の息子が急に国内の大富豪に仲間入りするなど、相当強引な汚職が行われていて、その影響もあってか世界的格付けが急落してしまった。そんな状況を改善するためにEUからの支援を受けるための交渉をヤヌコビッチ大統領が行っていたが、その背景には支援を名目にそこで何らかの不正を行おうとしていたのだが、それが上手くいかなくなりそうになったので、急遽、ロシア側にすり寄って、ロシアがらみで不正を働こうとしたのだという。民衆が蜂起したのはEUかロシアかの2者択一で政府の判断に反対したというよりも、政府の腐敗が余りに酷くて強硬なデモが発生し、その様な背景を察してEUもデモ隊を支援したという経緯があるという。ウクライナの国民が被害者であるのは間違いないが、EUとロシアの綱引きの結果として(国家としての)ウクライナが被害者ということではないらしい。

(2)クリミア自治共和国へのロシアの侵攻の本質
世界的な評価では、プーチン大統領のクリミア自治共和国へのロシア軍の侵攻をケチョンケチョンに貶している。実際、国際法上の扱いでは明らかにロシアに分が悪い。自治共和国という、ある程度の独立性が保証されたクリミア自治共和国ではあるが、ウクライナという国の一部であることは間違いないので、ウクライナの了承なしにウクライナ国内に軍事侵攻することは国際法上はNGであるのは間違いない。しかし、歴史的に見ればクリミア自治共和国は元々、ロシアの一部であったという事実がある。クリミア自治共和国がウクライナに帰属することになった背景は、ソ連時代のフルシチョフ書記長が自身がウクライナ出身という背景もあり、1954年にロシアからウクライナに割譲したという歴史がある。したがって、元々はロシア寄りの人が多く、実際に5年ほど前に行われた世論調査では、クリミア自治共和国国内では1/3程度がウクライナからの離脱とロシアへの帰属を求めているという。人口比率的にはロシア系は6割を超えており、したがって、平和的な国民投票の実施によりクリミア自治共和国の住民が、直接的に自分たちの運命を自分達で決めるという道を選んだとすると、その結果はどの様に転ぶかは分からない。その様なリスクを恐れ、現在のウクライナ政府はクリミア自治共和国の国民投票を認めておらず、クリミア自治共和国とウクライナとの間の溝は深まっている。面白いと言っては失礼だが、プーチン大統領の抜け目のないところは、その様な事情を察してか、ロシア兵であることを隠して電光石火の如くクリミア自治共和国へロシア軍を速やかに侵攻させてしまった。この「侵攻」という言葉も微妙だが、この侵攻には軍事的な強権の行使は行われておらず、1発の弾丸も使わず、無血でクリミア自治共和国を制圧してしまった訳である。概ね親ロシア系が多いから、住民もロシア兵と分かりながら何の違和感もなく共存している状況で、オバマ大統領やEU諸国が声高に非難をしても、クリミア自治共和国の住民のスタンスからすればそれほど極悪非道ということではなく、容認されている状況である。更についでに言えば、少なくともアメリカも欧州も、自らの手を汚す形でロシア軍との軍事衝突を望んでいないために、軍事的にはこの状態がダラダラと継続する可能性が高い。ただし、ウクライナの中でも過激な右派勢力はロシア軍との衝突も辞さない態度を示しているから、何処かで暴発する可能性は否定できない。

(3)ウクライナ問題に対する中国の立場について
この問題が大きくなったところで、私が最も興味があったのは中国のスタンスがどの様な物であるかである。ウクライナ問題が起きるまでは、北方領土問題の進展などの期待もあり、安倍総理とプーチン大統領は何度も会談を繰り返しており、対中国という視点からも、戦略的に日本とロシアの結びつきを強めることは有益であったはずである。しかし、この問題が起きたことで、中国に楔を打とうとしていたロシアと日本との間の結びつきには冷や水が浴びせられ、その結果として中国がほくそ笑むというシナリオが頭に浮かんだ。国連の安全保障理事会での決議などでは、当然、ロシアは自国への非難決議に拒否権を発動するが、そこに中国が同調してロシアに貸をつくるということを考えた。中国は、対日本の歴史カードを考えるうえで、連合国仲間のロシアを巻き込んで、例えば来年の第2次世界大戦終結70周年記念などのイベントを行うことを考えているのだろうが、そこへのロシアの参加を条件にロシア側に付くという可能性が考えられたが、実際にはその様にはならなさそうな感じである。実際、中国は談話として「中国は一貫して内政不干渉の原則を堅持し、ウクライナの独立と主権、領土保全を尊重している」、「国際法と国際関係の原則尊重を基礎に、対話と協議による政治的解決を追求し、地域の平和と安定を守る」と発表している。これは最もな話で、新疆ウイグルのテロとの噂の無差別殺人が起きたばかりの中国では、ウクライナからクリミア自治共和国が独立を図ろうとしていることは、ウイグルやチベットなどの独立運動に直結する「絶対に許容できない問題」であるため、否定的な立場を示さざるを得ない。アメリカがロシアの拒否権を承知の上で国連決議の採択を強行しても、中国としてはこれに反対することは公にはし難い。結局、欧米と中国は1枚岩では決してないが、ロシア側に付くわけではないのでそれ程中国の動きを警戒する必要はなさそうである。

(4)ロシアからウクライナへの経済制裁
過去にも、ウクライナでオレンジ革命が発生し、親欧米派の政権が出来たことに対するウクライナに対しての制裁として、天然ガスのパイプラインの蛇口を占めて供給を停止したという話が合った。であれば、今回も同様の制裁をしてウクライナに打撃を与えることが出来るのかとも思ったのだが、実際にはその可能性は低そうである。というのも、西欧諸国への天然ガスの供給に際しては、このウクライナ経由のパイプラインを利用せざるを得ないため、ウクライナへの供給の停止は西欧諸国への供給停止を意味する。シェール革命以降、ロシアでは天然ガスはだぶつき気味であることから、更に自らの首を絞めるような制裁は考え難い。ウクライナのデフォルト危機に対する経済援助という札束をチラつかせることも効果がなく、天然ガスを利用した経済制裁も出来ず、結果的に軍事的な侵攻に繋がったということなのかも知れない。

(5)日本にとっての選択肢は?
少なくとも、法の下の支配を前面に押し出す安倍政権としては、国際法に照らし合わせて違法な軍事侵攻を行うロシアに対して毅然とした態度を取らざるを得ない。間違っても、安倍総理とプーチン大統領の個人的な関係や北方領土問題での譲歩を期待して、日本だけが欧米から外れた行動を取ることは有り得ない。それは、日米同盟を基軸とする日本としては取り得ない選択肢である。オバマ大統領からすれば、シリア問題で顔に泥を塗られた上に、今回のクリミア自治共和国への軍事侵攻でもメンツを潰されており、上げた拳を降ろす術を失った状況である。しかし、確実に言えるのはアメリカはロシアとの軍事衝突の様なお金がかかることは絶対にできない事情があり、アメリカにも着地点が見いだせない状況である。仕方なしにG8からのロシアの追放などの措置を考えているようだが、新たな冷戦体制にも繋がりかねないために、本音では何処かで落としどころを調整してくれる仲裁者を求めているはずである。ウクライナが元々はEUとの綱引きの中で拗れたことを考えれば、G7メンバーでロシアとの仲裁者になれる資格があるのは日本とカナダ程度である。この意味では、日本が鍵を握るチャンスは十分にあるのだが、問題は双方が納得できる落としどころを見いだせるかであり、現実は相当悲観的だと言わざるを得ない。

以上、私の調べた限りでのまとめである。所々間違っているかも知れないし、時間がないので出典も示さなかったが、あくまでもご参考までにということで・・・。

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