けろっぴぃの日記

最近、政治のことをはじめとして目を覆いたくなるような現状が多々あります。小さな力ですが、意見を発信しようと思います。

張成沢氏の失脚の裏に何がある?

2013-12-03 23:58:09 | 政治
最近忙しくてブログがなかなか書けない状況であるが、世の中の動きは待ってはくれない。次から次へと信じられない出来事が起こる。

中国の防空識別圏設定と、従わない場合の武力による緊急措置という宣言には驚かされたが、今日の張成沢氏の失脚とその側近二人の公開処刑には更に驚かされた。過去のブログ、「北朝鮮の推理ドキュメント『張成沢』を気取ってみた・・・」(2013年2月17日)を始め、色々と張成沢氏の話題を書かせて頂いた。北朝鮮が一見無謀な挑発を繰り返しながら極端に道を踏み外さずにそれなりに戦略的な行動となっている背景には、この張成沢氏の存在が大きいと思われる。一方で、その大きな存在は中国的にはそれほど悪い存在ではなく、ポスト金正恩のシナリオを思い描く中国にとっては、確実に張成沢氏はキーマンであるはずだ。しかし、そのシナリオは金正恩の恐れるシナリオでもあり、「北朝鮮の権力闘争を張成沢は乗り切れるのか?」(2013年3月14日)の中でも書かせて頂いた通り、張成沢氏の動向は今後を占ううえでのひとつの指標になる。ただ、アメリカや日本からすれば、張成沢氏と言えど韓国との統一が可能になるほど改革開放路線を志向するとは思えない上、北朝鮮のしたたかな行動の背後に緻密な戦略家の張成沢氏がいるとすれば、この張成沢氏が排除されれば様々な揺さぶりをかけるにも好都合である。だからこそ、「北朝鮮への効果的な対応法の提案」(2013年2月12日)の中では金正恩を疑心暗鬼に駆らせる細工をちょっとばかし工夫すれば、その後の北朝鮮の崩壊は加速されるものと予想し、実際にアメリカなどが何らかのアクションを起こすのではないか(というか、起こすべし)と指摘をしていた。

だから、まさにその通りの状況になったことに正直驚いた次第である。勿論、今すぐに何かが北朝鮮国内で起きるというのではないが、今後、金正恩の周りには苦言を呈するものは寄り付かず、イエスマンしか周りに集まらない状況になることは確実である。だから、その行動の戦略性は低く、打つ手の多くが裏目裏目となる可能性は高まり、それを目の当たりにする北朝鮮の幹部クラスは何処かで泥船から逃げ出す行動にでるようになり、結果として自滅することが予想される。ただ、どうせ自滅するなら韓国を道ずれに・・・と考える可能性も低くはなく、韓国ソウルが爆撃される可能性は(定量的には評価できないが、相対的には明らかに)高まったと言えると思う。韓国内でのこのニュースの扱われ方の大きさを見れば、その重要性を韓国国民は少なくとも理解できているという状況だろうか・・・。

ちなみに、このニュースは中国にとっても頭の痛いニュースである。中国の狙いは、世襲制が続く北朝鮮の体制は中国の共産主義的な発想と相反するものであり、中国と同様の集団指導体制への移行が望ましい。そのキーマンが張成沢氏であったから、言ってみれば金正恩から「No!」という返事を突きつけられた状況に似ている。さらに、北朝鮮が弾けて韓国に軍事侵攻すると、今度はアメリカが即座に反撃し、朝鮮半島全体にアメリカの足場が出来る可能性が大いに予想される。ただでさえ、韓国国内の米軍基地は邪魔だったから、それが北朝鮮にも及ぶと緩衝地帯が皆無になり、アメリカとの対立が今まで以上に顕在化しかねない。何か手を討とうにも金正恩の周りの側近にはイエスマンしかいないから、北朝鮮のソフトランディングの足掛かりも作ることが出来ない。防空識別圏でごたごたした中で、日本叩きにエネルギーを集中させるには、北朝鮮の不安化は中国にとってマイナスの材料で、日本に野次を飛ばしている場合ではなくなってしまった。少なくとも、中国、韓国にとっては好ましくないシナリオだろう。では誰が何をしたのか・・・。

現時点ではアメリカが何か策を弄したという証拠はないのだろうが、何かあったのではないかと思ってしまったニュースだった。疑心、暗鬼を生んだ瞬間だろう。今後の展開から目が離せない。

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