2016.1.31 08:00
【「慰安婦」日韓合意】
対談・阿比留瑠比×秦郁彦 「最終的かつ不可逆的解決」の行方 月刊正論3月号発売中!
要するに米国主導で対中に米日韓安全保障体制を整備したいが、日韓がごちゃごちゃやっているので、うまくいってない、慰安婦問題をなんとかすれば、なんとかなるんじゃないか、という米国の意向を汲んで晋三坊っちゃんが手切れ金を渡した、と。
米日韓安全保障体制の維持と、手切れ金、韓国などどうなってもいいよ、というのは、全く相容れないが、場当たり的、日和見主義で日韓合意しちまったわけですね、坊ちゃま。
【「慰安婦」日韓合意】
対談・阿比留瑠比×秦郁彦 「最終的かつ不可逆的解決」の行方 月刊正論3月号発売中!
秦 私が聞いているところでは外務省は「放っておけ」というスタンスだったが、谷内正太郎安全保障局長が東アジアにおける日米韓の安全保障体制強化を優先させたい、慰安婦問題は本来がマイナーな問題に過ぎないと見切る。それが今回の合意につながった。安倍首相はこの谷内ラインに乗ったのだ、という見方はいかがですか。
阿比留 この問題を1年近く前から、谷内さんを中心に進めてきたのは事実だと思います。当然安全保障という要素が強い。
秦 しかし、欧米のメディアは日本が強制連行を正式に認めたと理解している。日本人は謝罪になれっこになって「あ、また謝罪したのか」で終わるが、海外では予備知識のない人たちが多いから今度初めて日本国の政府が「悪事」を認めて、公式に謝罪をしたと、受け取った人が多いと思う。
阿比留 外国のメディアが「日本が強制連行した」とか「20万人」などと、いろいろ書いてきたのも今に始まった話ではありません。ずっと変わっていなかった。これはこれで今後正していかなければいけませんが、それを正す前提として、まず告げ口外交を展開する韓国を黙らせる必要があったわけです。その次の段階で事実関係を欧米など諸外国に周知させていくことが必要で、そういう2段階を踏んでいるのだと私は思っています。
合意に対する批判について
秦 右派からは、強制連行・性奴隷に代表される誤認がようやくいろんな人々の努力で正されようとしている。それが、この合意で揺り戻されてしまったという声も聞きます。
秦 右の人たちにあるもうひとつの不満は、日本も韓国も実はあまり気乗りしていないのにアメリカの圧力で手打ちさせられた。どの程度アメリカの圧力があったのかはわかりませんが、日本には「韓国に対してもうちょっと上手にあやせないのか」といった気分は以前から米国にはあった。
ベビーイング(babying)という言葉がありますね。昔チャーチルがルーズベルトに使った表現で日本をもうしばらくあやしてくれと頼んだ故事です。
阿比留 第2次安倍政権ができた3年前、まさしく秦先生がおっしゃったように日本の外交当局はアメリカ側から「日本の方がお兄ちゃんなのだから、もうちょっとうまくやれよ」と韓国への譲歩を迫られていました。
秦 政府レベルでは向こうが何を言ってこようが、知らん顔で放っておく。そういう意思表示ですよね。しかし、ノーコメントの繰り返しでは外交が成立しない。そのうち苦情が出てきませんか。果たして知らん顔という姿勢は貫けますかね。
阿比留 でもそれは韓国の責任ですし、手切れ金を渡すときに何に使うかという明細は求めませんよね。
阿比留 官邸は韓国に心底冷めきっています。もちろん表向き韓国は必要な国で、韓国が緩衝地帯として存在する日本の安全保障上の意義もきちんと認識しています。ですから表立っては言いません。しかし、韓国などどうなってもいいよと内心思っているのではないでしょうか。
秦 そうは言っても、経済危機が深まると、アメリカがカネを出してやれよなどと言い出しかねないし、断りにくい。アメリカは韓国に対してはベビーイングであやすやり方を続けています。
要するに米国主導で対中に米日韓安全保障体制を整備したいが、日韓がごちゃごちゃやっているので、うまくいってない、慰安婦問題をなんとかすれば、なんとかなるんじゃないか、という米国の意向を汲んで晋三坊っちゃんが手切れ金を渡した、と。
米日韓安全保障体制の維持と、手切れ金、韓国などどうなってもいいよ、というのは、全く相容れないが、場当たり的、日和見主義で日韓合意しちまったわけですね、坊ちゃま。