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安倍憲法改正案は有害無益

2017年05月13日 08時38分22秒 | Weblog
記事
石破茂2017年05月12日 19:34加憲案など


日本国憲法第9条第1項
「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」
*国権の発動たる戦争:最後通牒を発し宣戦布告を行うことによって開始される正規の戦争のこと。国連憲章は自衛権の行使と集団安全保障による以外の一切の武力行使を禁じているので、今日的な意味は乏しい。
*武力による威嚇又は武力の行使:最後通牒も宣戦布告も伴わないが、事実上行われる戦争のこと。
*国際紛争を解決する手段としては:侵略のための武力行使は認められないが、自衛のための武力行使は認められる、との意味。

同第2項
「前項(第1項)の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力はこれを保持しない。国の交戦権はこれを認めない」
*陸海空軍その他の戦力:自衛のための必要最小限度を超えるもの。
*国の交戦権:「戦争をする権利」ではなく、交戦国が国際法上有する種々の権利の総称(例えば人を殺傷し物を破壊しても殺人罪・傷害罪・器物損壊罪に問われない、正規の交戦者は捕虜となる資格を持つ、など)。自衛のための必要最小限度の範囲内のものは認められる。

 政府見解を注意書きしましたが、これを外して文言のみを素直に読めば、第1項で自衛のための武力行使は認められているものの(このような書き方は他国の憲法にも例がみられます)、第2項において実力としての軍は保有しないのだから、他国から侵略を受けた際は国民一人一人が、捕虜としての待遇も受けられず、惨殺される覚悟で戦う他はない、ということになります。

 憲法前文で「日本国民は…平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼してわれらの安全と生存を保持しようと決意した」ことになっているのですから、信頼が裏切られたらそうなる他はないということなのですが、それではいくら何でも酷かろう、ということで衆議院憲法改正特別委員長であった芦田均が「前項の目的を達するため」という「芦田修正」を加え、第66条に文民条項も付け加えて、将来的に実力組織(陸海空軍)を保有する余地を持たせた、というのが歴史的経緯として伝えられています。

 しかし、吉田茂総理はこれに全く言及せず、安倍総理も「政府として芦田修正の立場は採らない」旨明言し、自衛権は国家固有の権利であるとしています。

 吉田総理は、将来的に全面改正をすることを念頭に、中途半端な文言を付け加えるような対応を忌避したのではないかと推測されますが、その立場を維持する限り、第2項をそのままにして第3項に自衛隊の存在を明文化すれば論理的整合性を欠くことになり、今の矛盾を憲法で固定化してしまうことにもなりかねません。

 いつも申し上げることですが、日本国憲法が作られた時、連合国の占領下にあった日本国は国家主権を持たず、独立国家ではありませんでした。従って「国の独立を守る」ことを主たる任務とする軍隊の存在が規定されていなかったことは極めて自明のことなのであり、サンフランシスコ条約発効により独立を果たし、国家主権を回復したからには、「軍」の存在を明確に規定するために、論理的整合性をもたせて前文や第9条の改正を行うことは理の当然です。これは右とか左とかいった立場の相違などとは全く関係がないはずです。
 このような経緯を丁寧に説明して、それでもなお理解が得られなければどうしようもありませんが、最初から「どうせわかるはずがない、できるはずがない」と決めてかかってはならないのではないでしょうか。


石破くんの説明は下手な法律書読むよりずっとわかりやすくていいな。
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