自殺児童生徒:500人調査 背景に貧困5%いじめ2%
毎日新聞 2014年06月19日 20時19分(最終更新 06月19日 20時50分)
毎日新聞 2014年06月19日 20時19分(最終更新 06月19日 20時50分)
文部科学省は19日、2011年以降に自殺した国公私立の小中高校、特別支援学校の児童生徒約500人について実態調査結果を初めて公表した。背景に進路問題を挙げたケースが多かったが、経済的困難で将来を悲観した自殺が5%と、いじめ(2%)より多く、分析した専門家は「貧困問題も影を落としている」と、予防対策の必要性を強調した。
調査は、学校、家庭、個人の各背景に関連する項目を設定し、学校が複数選択で回答。文科省が調査実施を通知した11年6月から13年12月までに回答があった約500件を専門家が分析した。
学校的背景では、受験失敗などの「進路問題」が最多で12%。不登校10%▽友人関係8%▽学業不振7%と続き、体罰など「教職員の指導」は3%、「いじめ」は2%だった。
家庭的背景は、保護者との不和10%▽保護者の離婚7%▽経済的困難5%など。個人的背景では、精神科治療歴があったケースが14%で最多だった。分析を担当した高橋祥友・筑波大教授(災害精神支援学)は「子供の自殺はいじめに焦点が当てられるが、回答をみると貧困など家庭的背景も少なくなく、自殺予防対策に生かしたい」と話している。【三木陽介】