明日からの診断講習会の予習をしている。今年は講師として講義を行う事は無く、小グループに別れてからの実習のチューターとして病理診断の説明を行う。
こういったことは、はっきりいって私には荷が重く、大変である。
この秋の連戦の、最初の山場である。
実習には、病理標本を電子化したバーチャルスライドというものを使う。標本を画像に取り込んで、モニタ上で観察するもので、実際の顕微鏡に比べて解像度は落ちるものの、説明する程度ならば十分。人数分のコンピューターがあればいいので、顕微鏡よりも場所をとらないし、用意も簡単だ。
それにみんなが同じ標本を診ることができる。データはUSBメモリに入っているので、予習ができる。先日、レジデントの一人を相手にしてプレゼンの練習をした。
おかげで、全部の症例に目を通すことはできた。
それにしても、今どきの顕微鏡実習は昔と違ってお手軽だ。昔は、顕微鏡にしがみつくようにしてのぞき込んで、 組織細胞をスケッチしていた。
今でも、病理医の仕事は顕微鏡をのぞいてなんぼである。ステージの上で標本を動かす距離とか深さまでもが診断に関わる。
医学生や、一般の医者は病気を理解することができれば十分なので、この電子化データで必要かつ十分である。
症例全部に目を通したが、理解はまだまだ。もう少し、勉強しなければいけない。