"Where the Truth Lies"
2005年カナダ/イギリス/アメリカ
監督)アトム・エゴヤン
出演)ケヴィン・ベーコン コリン・ファース アリソン・ローマン レイチェル・ブランチャード デヴィッド・ヘイマン
満足度)★★★★ (満点は★5つです)
シャンテ・シネにて
1972年のLA。野心溢れる女性新進ジャーナリスト・カレン・オコナー(アリソン・ローマン)は、1950年代に一世を風靡したコメディアン・コンビのラニー・モリス(ケヴィン・ベーコン)とヴィンス・コリンズ(コリン・ファース)のコンビ解散の真相の取材を始める。
彼等は宿泊していたスイートを訪れていたホテルのメイド・モーリーン(レイチェル・ブランチャード)の死を境にコンビを解消していた。現在はそれぞれ別の人生を歩む二人に取材を進める彼女が達した真相とは・・・。
原作はルパート・ホルムズのミステリー小説。
アトム・エゴヤン、好きです。
何か大事なものを失ってしまった虚ろな表情の人たち。
過去と現在、虚と実を行ったり来たりする語り口。
そして結末に示されるささやかな救済。
複雑な映画の構造に観ている間は結構混乱させられるのですが、後味がジワジワと来るんですよね。
で、この『秘密のかけら』。相変わらず複雑なことになってます。焦点は、コンビ解消の原因となった1950年代のある夜で、この場面が回想シーンとして繰り返し出てくるのですが、これが細切れで時系列も行ったり来たりで最初は戸惑ってしまうんです。ただ、これに慣れてしまうとなぜか気持ち良い。あとは醜く爛熟した芸能の世界に酔うだけです。
ケヴィン・ベーコン、それにしても存在感あります。僕の世代だと何と言っても『フットルース』のイメージが強いわけで、『スリーパー』で極悪看守を演じていたときはとにかく違和感ありまくりだった彼ですが、もうすっかり悪役専門みたいな位置についてしまいましたね。この路線、断然支持します。
エロくも切ないこの映画、やはりラストにきっちりと救済らしきものが用意されていて、微妙な余韻を残してくれます。決してエゴヤンのベスト作品だとは思いませんが、コンスタントに平均点以上の作品を発表し続けるこの監督の底力を感じます。
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「秘密のかけら」ですが、実は気になっていまして。今年はもう映画に行く時間を作れないので、来年1本目はコレに決めております。私が敬愛している俳優の一人であるケビン・ベーコンがアトム・エゴヤンと組む。興味もたない訳がありません。まだ先になりますが、観たらまたお邪魔しますねぇ。
ベスト10、今年買ったパンフレットとか広げながらかなりじっくりと考えこんでしまいそうです。そういうのも何か楽しいですよね(笑)。
ベスト10記事アップしたらTBでお邪魔させていただきます(うまく行くと良いんですが・・・)。
ケヴィン・ベーコン、何か凄みのある俳優さんになりましたね。僕は『インヴィジブル』の中の彼も結構好きです。
この映画はコリン・ファースと競演。この意外な組み合わせも良かったです。
またコメント&TB失礼します^^;
アトム・エゴヤンは僕も好きです。
とはいってもまだ2作品目でして、
せめてあと2つくらいは見てから、
エゴヤン好きを公言したいと思っている今日この頃です。
ほんと複雑でしたね。
それが持ち味ともいえると思うのですが、
把握するのに時間がかかってしまいました。
複雑なんだけど、物語が進んでゆく内にゆっくりゆっくり全てがうまい具合につながってゆく感じが僕は好きです。
僕は、彼の作品の中では『スウィート・ヒアアフター』と『フェリシアの旅』がお気に入りであります。
いえいえ、良ければ今後もどんどんいらっしゃってください。
良いですよ、エゴヤン。
もしこれから観られるのであれば、是非『スウィート・ヒアアフター』を!静かーな映画で厳かな気分になります。
今年も宜しくお願いします!
今年もどうぞよろしくお願いいたします!
すみません、TB、コメントのお返しがいつも遅れてしまって。
睦月はこの監督の作品はこれが初鑑賞だったのですが・・・この作風は大変気に入りました!摩訶不思議な世界観がなんともいえなかったわ。
いえいえ、お気遣いなさらずにマイペースでいらしてください!
エゴヤン初見であれば、是非『スウィート・ヒアアフター』を薦めたいところですが、睦月さんの嗜好を拝見して思うに、『エキゾチカ』がお薦めかもしれません。
それでは、今年も宜しくお願いします!
私の記事の冒頭にも載せたのですが、この映画の予告編で効果的に流れたキャッチもまたミステリアスでいいですなぁ。『残り香』てぇ!みたいな。
ケビン・ベーコンは、すっかり個性派ですよね。私も支持してます。「フット・ルース」の頃から鼻の穴がソケットみたいですけど、そんな事はどーでもいいもの。ケビンと言えば、コスナーではなくベーコンですから。隣の評論家的には。
ソケットって(笑)。
花粉症大変そうですね、ベーコンさん。
あのキャッチがまた、「お、エゴヤン!」な雰囲気で良いんですよね。
だけどレディース・デイにも関わらずガラガラ、というのは確かに淋しいですね。レディースデイのシャンテ・シネってすごい混んでそうなイメージがあるんだけどなあ。
出ている面子の割りに随分地味に仕上がってしまった感はあるものの・・・。
あ、僕もケビンで言えば断然ベーコン派です。
というよりケビン・コスナーの映画でイイ、と思った映画が1本もない!あえて言えば『JFK』ですが、あれはケビン・コスナーというよりもオリバー・ストーンの映画でしたしね。