く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<ギンバイカ(銀梅花)> 白梅に似た清楚な花を上向きに

2017年07月16日 | 花の四季

【地中海沿岸地方原産、別名「マートル」「ミルテ」「イワイノキ」…】

 フトモモ科ギンバイカ属(ミルトゥス属)の常緑低木。主な原産地は地中海沿岸地方で、日本には明治末期に渡来した。樹高は1.5~3mで、6~7月頃、梅に似た径2cmほどの白い5弁花を上向きに付ける。長い雄しべの花糸が放射状に伸びる花姿が印象的。花や葉、果実にはフルーティーな芳香があり、乾燥してポプリや肉料理のスパイスなどとして使われる。その香りから「ギンコウバイ(銀香梅)」や「ギンコウボク(銀香木)」という別名を持つ。ハーブの世界では英名からしばしば「マートル」と呼ばれる。

 ギンバイカの栽培の歴史は月桂樹やオリーブなどとともに古い。古代エジプトでは愛と歓喜の女神ハトホルに捧げられ、ギリシャ神話では愛と美の女神アフロディーテの神木に、また古代ローマでもヴィーナスの神木とされた。ギンバイカは結婚式など祝い事の花飾りや花嫁のブーケとしてよく用いられることから「イワイノキ(祝いの木)」とも呼ばれる。2011年の英国ロイヤルウエディングでは、ウィリアム王子と結婚したキャサリン妃のブーケにもスズランなどとともにギンバイカが使われていたそうだ。

 ドイツでは「ミルテ」の名前で親しまれ、文学や音楽などにもしばしば登場する。「君知るや 南の国」で始まるゲーテの詩『ミニヨンの歌』には「ミルテの木はしづかにラウレルの木は高く…」(森鴎外訳)と詠まれている。ドイツ・ロマン派を代表する作曲家シューマンには全26曲からなる歌曲集『ミルテの花』がある。シューマンは1840年9月12日の結婚式前日、名ピアニストでもある最愛のクララに「愛する花嫁へ」と書いたこの歌曲集をミルテの花で飾ってプレゼントしたという。


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