く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<宇陀市室生深野> 「にほんの里100選」、日本ユネスコの「未来遺産」にも

2016年08月25日 | メモ

【地域を挙げてササユリの保護活動、道路脇の斜面にはタカサゴユリが群生】

 眼下に三重県名張市の市街を望む奈良県宇陀市室生の山里、深野地区。日本固有種のササユリが咲く田舎の原風景を守ろうと10年前に「深野ササユリ保存会」を結成、地域を挙げてササユリの保存・増殖活動に取り組んできた。ササユリの開花シーズン(見頃6月)はとっくに過ぎていたが、清楚な白いタカサゴユリが道路脇の斜面を覆い尽くし今が盛りと咲き誇っていた。

 深野は「ささゆりといやしの里」を標榜している。2009年には朝日新聞社の創刊130周年記念「にほんの里100選」に選ばれた。応募があった全国約4500カ所の中から、「景観・生物多様性・人の営み」を基準とした現地調査を経て選定委員会(委員長・山田洋次映画監督)が100地区を選定した。さらに2013年にはササユリの保存・増殖といやしの里活動が認められ、日本ユネスコ協会連盟主催の「プロジェクト未来遺産」に登録された。この未来遺産は100年後の子どもたちに地域の文化・自然遺産を伝えようという運動。

 

 深野地区は標高約450mにあり、遠くに青山高原や台高山脈を望む。棚田が広がる長閑な集落だ。深野は古く奈良時代から斎王が伊勢神宮に向かう経路として重要な役割を果たしてきたという。集落の中心には室町時代創建と伝わる神明神社が鎮座する。そこから少し道路を上がっていくと、1日1組限定という貸し切り別荘宿「ささゆり庵」があった。築150年の伝統的な茅葺き古民家を改造して2014年9月に開業した。それからまた少し上がると「ささゆりといやしの里」の石碑と「ササユリ保護地区」と大書した横長の案内板が立っていた。保存会の活動紹介に続いて左下に「ササユリ保護活動を一緒に行いませんか‼」。

  

 目を通して深野に別れを告げようと車に乗り込み走り始めてすぐのことだった。道路左側に群生するテッポウユリのような花が目に飛び込んできた。壮観! 白い花が斜面全体を覆い尽くす。地元の方によると「タカサゴユリ」とのこと。台湾原産で、日本には大正時代に観賞用として導入され、今では帰化植物として各地で野生化している。ただ帰宅後調べたところ、写真を見る限りタカサゴユリの特徴とされる花弁外側の紫色の筋が確認できなかった。もしかしたら、急速に分布域を拡大している在来種のテッポウユリとタカサゴユリの雑種「シン(新)テッポウユリ」が混在しているのかもしれない。

 

 

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<パキスタキス> 鮮やかな黄色い部分は葉が変形した苞(ほう)

2016年08月25日 | 花の四季

【ペルーなど中南米原産、主な種に「ルテア」や「コッキネア」】

 キツネノマゴ科パキスタキス属(ベニサンゴバナ属)の熱帯性常緑小低木。この属の植物はメキシコ、ペルーなど中南米や西インド諸島に数種分布するが、最も多く栽培されているのは花穂が鮮やかな黄色の「パキスタキス・ルテア」と呼ばれるもの。パキスタキスといえば、このルテアを指すことが多い。

 パキスタキスの名前はギリシャ語の「太い・厚い」を意味する「パキス」と「穂」を意味する「スタキス」に由来する。つぼみを包む葉が変形した苞片(ほうへん)が規則正しく4列に重なり合って太い花穂を作る。実際の花は長さ5cm前後の唇形花で、苞葉の間から飛び出すようにして咲く。

 ルテアは背丈が1m前後で、初夏から秋にかけて直立する10cm前後の穂状花序に白い花を付ける。花の寿命は短いが、黄色い苞は長持ちするため長い間観賞できる。和名は「ウコンサンゴバナ(鬱金珊瑚花)」。苞葉ごとに淡黄色の唇形花を付けるウコンの花に似ているところからか。英名では「ゴールデン・キャンドル」「ゴールデン・シュリンプ・プラント」「ロリポップ・プラント」などと呼ばれる。

 ルテアのほかに代表的なものに「パキスタキス・コッキネア」がある。こちらは樹高が1~3mにもなりルテアよりやや大型。苞葉は緑色で、その間から鮮やかな紅色の花を咲かせる。種小名の「コッキネア」も「深紅色の」を意味する。和名では属名にもなっている「ベニサンゴバナ(紅珊瑚花)」と呼ばれている。

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