CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】狭小邸宅

2016-12-24 17:25:34 | 読書感想文とか読み物レビウー
狭小邸宅  作:新庄 耕

芥川賞作品のような小説でありました
もしかするとノミネートとかされていたのかもしれない
住宅販売のセールスマンとして、悪戦苦闘する
というと聞こえがいい話しで、
罵詈雑言を浴びながら疲弊していく姿を描いた
人生の壁といえばいいのか、自分との折り合いをつけていくという
生々しい恐ろしさのつまったお話でありました

新入社員とか、就職活動者向けだろうかとも
思わなくもないところでありますけども
ともかく住宅が売れないという状況で、
うわさによくきく、今でいえばブラック企業というそれこれのような
非情の扱いを受けても、なんとかしがみついている
なんでしがみついているのか、自分ではわからない
けど、そういう現実に負けたくないのだと
仕事に体当たりして、砕け散っていく様が
ありあり描かれていて、肝が冷える一冊でありました

ただ、唐突に運が啓ける展開に恵まれて、
そこから好転していく、人生でいう、ひとつ抜けた後という状況が
さらっとやってきて、その時には、その試練のような何かを経ることで
それまでの自分とは決別しているかのような
不思議な気分も描かれていて、綺麗な言葉でいう成長を
描いているようでステキだと思うのでありました
酷い有様なんだが、最終的に勘所を捕まえていく姿は
読んでいて、励みというではないが
自分に照らしてみたくなるなぁと
いっぱしのことを言いたい自分を思い出して、気恥ずかしいというか
恐ろしいと思うわけでありました

反省を強いられるような内容ながらも、
仕事によりかかっていく、それが生きていくことなのか
わからないまま、結局自分の中の折り合いは見つけられないような
鬱屈を抱えて終わるというのが
これまた、芥川賞っぽいとか感じたわけでありますけども
描かれた世界観が、少し古いんじゃないかなと思ったけども
2013年の発行だそうで、果たしてどうなのか
世界は変わっていくなと、いらん感傷にひたりつつ
読み終えたのでありました
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