CLASS3103 三十三組

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【読書】オール・イン ~実録・奨励会三段リーグ

2017-08-09 21:00:20 | 読書感想文とか読み物レビウー
オール・イン ~実録・奨励会三段リーグ  著:天野 貴元

最近話題の将棋業界でありますけども、
そのプロ棋士になるという狭き門において、
最大の修羅場というか、狭く険しい門であり、
蠱毒の壷でもある奨励会三段リーグという魔境で、
夢破れた人の人生を語った本でありました

この魔境を紹介しているという点だけでも凄いというのに、
読み終わって衝撃だったのが、著者が夢破れた後、
ガンにかかっていて、あまつ、もうお亡くなりになっていると
もう、本当、どうしようもない不安というか、
なんか、つまされるものを覚えさせられたのでありました
読み終わって、面白かったとか思ったけど
亡くなったという事実によって、また
感想の内容が変わってしまうようにも思うのである

と、まぁそれはさておき、
この天野さんが、若き日は天才と呼ばれるほどの才能を発揮して、
それでいて、調子乗りだったという人間らしさというか、
この種の人間に必要とも思われる不遜さみたいなのがあって、
それゆえにか、三段リーグで、若くして入って
とっとと出ていこうと思っていたのが、知らず定着していってしまう
この暗澹といっていいのか、こういうものなんだろうなと
生々しい恐ろしさが淡々でもないが、
実録で語られているので、俄然興味深い内容でありました

結局、夢破れて、奨励会を退会していくわけなんでありますけども、
その間の機微というか、過ごし方と、精神状態、考えていたこと
それらが少しずつ変わっていく、
そして同時に、その時期を過ごした奨励会員たちとの死闘、
ときおりやってくる本当の天才、
そういうさまざまな出会いといっていいのか、
人物評めいた印象を語る部分なんかも面白くて
現在の将棋界を背負ってたっているといっても相違ない、
天彦名人、阿久津、広瀬、戸部、船井といった
同時期から後輩にかかるそれらの人たちの印象がまた
鮮烈というか、これだけあえいでいる中を
確かにそれなりに苦戦しているのだけども
やはり、どこか違う感じで抜けていくというのが
また、なんともいえぬ、恐ろしいと思わされたのでありました

この場所で戦ったという日々が、なんになったかは
まったくわからないのでありますが、
自身も省みながら、それらを考えていく
その一筆として、物凄く面白く読めたのでありますが
まるで、遺言自伝のようにも思えてしまい
なんというか、とても哀しいのでありました

ドラマ的すぎるけども、そういうものなんだろうと
考えさせられてしまうのであります
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